ニュース・記事
ランナーズonline
【深掘り!全日本マラソンランキング 05】市民ランナーのピークは42~43歳?
|
マラソンでは40代以降のランナーが若者より速いことも珍しくない |
「全日本マラソンランキング」のデータから、あまり知られていない記録を紹介するこの企画。今回は年齢別の平均タイムを比較することで、マラソンランナーの本当のピークが何歳に当たるのかを調べてみました。
マラソンランナーのピークは何歳なのか?よく聞く答えが、「20代後半」というもの。実際に、フルマラソンの日本記録達成時の年齢は、男子が鈴木健吾選手の25歳、女子が野口みずき選手の27歳です。一方で、市民ランナーの中には50代、60代でも自己ベストを達成したという方が毎年何人も出ています。
そこで、2022年度の全日本マラソンランキングの記録をもとに、男女年齢別の平均タイムを算出。その中で一番平均タイムが良かった年齢とその記録、そして全年齢の平均タイムを以下に記載しました。
■男子:42歳/4時間26分14秒(全年齢平均4時間35分26秒)
■女子:43歳/4時間54分10秒(全年齢平均5時間3分48秒)
男女とも日本記録の年齢より15歳以上高くなっています。ちなみに2022年度がたまたま高い年齢になったのではなく、例年平均タイムのピークは40代前半から中盤です。
なぜこのような差が出たのでしょうか。大会では、競技者を除けば20代は仲間とファンランを楽しみ、40代以上は黙々と記録に向かって頑張る姿をよく見ます。また多くが社会に出たばかりの20代と、家庭や仕事と自分の時間のバランスがとれるようになってきた40代以上というライフステージの差もあるのでしょう。なぜならそれはトレーニング時間の差につながり、トレーニング次第では中高年でも記録を伸ばせるのがマラソンというスポーツの特性でもあるからです。
『月刊ランナーズ』2022年7月号特集「50代からのマラソン快走戦略」で筑波大学の鍋倉賢治先生は、40代以上でも「トレーニングを始めて10年は記録を伸ばせる」と指摘。特に30km以降の失速と密接に関わってくる脂肪を燃焼させる脂質代謝能力については「中高年でも維持、あるいは向上する可能性もある」と述べています。
マラソンランナーのピークを決める要因は、「何歳の肉体なのか」というよりも、「マラソンの面白さを知り、真剣にトレーニングを重ねるようになったのが何歳なのか」という気持ちのほうが大きいといえるのではないでしょうか。
※こちらから記事検索ができます。

ランナーズ創刊50周年記念号 11月21日発売!
1976年2月に創刊したランナーズは、おかげ様で50周年を迎えました。ランナーのみなさま、ご愛読ありがとうございます。
今号は50周年を記念し、ダブル表紙の特別版でお届けします。
当社50年の歴史から振り返る日本ランニング界、50年間の挑戦史
女性ランナーの増加から競技選手の活躍、都市型マラソンの拡大など、日本ランニング界50年の歴史を20ページにわたって掲載します。
◎日本の市民ランナーを速くした50年分のトレーニング
「ハードだけど実践してみたい」。そんな気持ちを抱いてもらえることを目指して紹介してきたトレーニングの中から、30のトレーニングを厳選しました。
◎広告から見るシューズ・グッズ50年の進化
過去50年間のランナーズに掲載された広告からグッズ進化の歴史をたどります。
◎創業者インタビュー「ランニングの世界はまさに多様性」
いかにして当社は立ち上がり、日本の市民ランニング界と歩みを共にしてきたのか? 当社創業者の橋本治朗氏に現代表取締役社長の黒崎悠がインタビューしました。
特別付録 ランナーズダイアリー2026
2026年のダイアリーは50周年特別版。50周年メモリアルコラム「忘れられないトレーニング」として、往年の名ランナーのトレーニングを掲載しています。読んで書いて、1年間日々のお供にご活用ください。
本誌購入は年会費7,800円「ランナーズ+メンバーズ」がお勧め!
「ランナーズ+メンバーズ」は毎月最新号が自宅に届く(定期購読)だけでなく、「デジタルで最新号&2011年1月号以降が読み放題」「TATTAサタデーランが年間走り放題」「会員限定動画&コラム閲覧可」のサブスクリプションサービス! 年会費7,800円の超お得なプランです。



