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「フルマラソンを走り切るためには30km走が不可欠」とよく言われています。
30km走は「レース後半に訪れるマラソンの苦しさを疑似体験」でき、マラソン完走に必要な要素を一度に強化することができる効率的なトレーニングです。
ただ、走力や生活環境、トレーニング時間の関係から、そう簡単に実践できるものではないことも事実。
そこでそんな人のため、30km走と近い効果を得ることができるトレーニング法を紹介しましょう。
30km走を行う目的はおもにふたつあります。
1.低エネルギー状態でのランニングを経験することで脂質代謝能(糖質よりも脂質を優先的にエネルギーに変える能力)の高いマラソン体質を手に入れること。
2.長時間着地衝撃を受け続けることでレース後半30km以降でも推進力を失わない強い脚筋力を手にいれること
いろいろな制約があって30km走ができない場合は、上記のふたつの目的「脂質代謝促進」と「脚筋力強化」に分けてトレーニングを行うことで、30km走と近い効果を得ることができます。
このシリーズでは「脂質代謝促進」対策として3つ、「脚筋力強化」対策として5つ、合計8つのトレーニング法を、今後ひとつずつ紹介していきます。
この中からトレーニングを選んで実践してみてください。
1.「朝&腹ペコ」20kmゆるペース走
起床後の空腹状態を利用することで糖を節約し、脂肪燃焼しやすいマラソン体質をつくり、レース後半に筋グリコーゲンを温存しやすくなる時短トレーニング。
2.うどんを食べる+90分ビルドアップ走
うどんを食べた後に分泌されるインスリンは体内の血糖値を下げる効果があります。これを利用して、低エネルギー(筋グリコーゲン)状態で走ってレース後半を疑似体験するトレーニング。
3.ガチ・ユル走(高強度運動+持続走)
糖をたくさん消費するハイスピード走の後に、持続走を行うトレーニング。
4.筋トレ+レースペース走(15~20km)
3種類合計10分間の筋力トレーニングを実施後に、15~20kmのややゆっくりレースペース走を行うことで脚筋力強化を含む各種効果のあるトレーニング。
5.トレイルランニング
アップダウンや不整地を走るトレイルランニングは、マラソンに向けた脚筋力強化にうってつけ。自然の中での気分転換にもなる。
6.疲労づくりジョグ+ハーフマラソン出走
フルマラソンに向けた練習としてハーフマラソンに出場する場合、事前にジョグで脚に疲労をためてから出走することでトレーニング効果がさらに高まる。
7.2日間セット練習(スピード走+ロング走)
1日目のスピード走の疲労を利用して2日目にロング走を行うという、2日間連続で実施するセット練習。フルマラソンを走り切るための脚筋力強化に加え、レース後半のフォームの崩れ対策にも。
8.峠走
上り坂と下り坂で、それぞれ目的を変えて走ることでフルマラソンに重要な4つの要素「推進力」「心肺機能」「速く大きな動き」「着地衝撃に耐える脚筋力」を養う。
※月刊ランナーズより抜粋
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