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【30km走ができない人のために04】ガチ・ユル走で脂質代謝能力をアップ!

2022年2月24日
写真/小野口健太
写真/小野口健太

30km走を行う目的は大きく分けるとふたつあります。「脂質代謝促進」と「脚筋力強化」です。
ひとりで30km走を行うのは厳しくても、この目的別に「脂質代謝促進」メニューと「脚筋力強化」メニューを別々に行うことは比較的ラクにできます。
今回は、そのうちの「脂質代謝促進」メニューの3つ目、「ガチ・ユル走」を紹介します。

脂質代謝を上げるには、30km走などのような長時間のトレーニングを地道に行うのが一般的です。
ところがある実験で、短時間の高強度運動の後に、マラソンの目標ペースの8割程度で走ることで、糖よりも脂質を優先して消費しやすくなるというデータがあります。
この実験は、高強度運動の前後に、それぞれマラソンの目標ペースの8割程度のペースで走り、そのときの脂質と糖質利用の比率を比べるというものでした。
その結果、高強度運動の前には脂質31%:糖質69%だったものが、高強度運動の後では脂質62%:糖質38%と、劇的に脂質代謝が上がっていたのです。
この実験結果から編み出されたのが「高強度運動+持続走」。名付けて「ガチ・ユル走」です。

メニューはレベルに合わせてアレンジ可能ですが、全力を出し切って呼吸が苦しくなるペースで走ったあと、余裕のあるペースで走るのが基本になります。
行うタイミングはフルマラソンの3ヵ月~1ヵ月前。理想は週1回のポイント練習として、継続的に取り組むのがよいでしょう。
何度もトレーニングを行い、繰り返しマラソン体質を刺激しなければ、レース本番でその成果を発揮できないからです。
この練習開始前には、必ず5分程度のジョグであらかじめ筋温を上げてから行いましょう。


走力別「ガチ・ユル走」組み合わせ例

●ガチ(高強度運動)

【ビギナーレベル】
・1分間縄跳び×2~3回
・もも上げ 30秒~1分間

【サブフォーレベル】
・1km全力走×2本
・1分間全力走×5本
・上り階段ダッシュ×5本

【サブスリーレベル】
・2km全力走
・400m全力走×5本

  ↓

〇つなぎ
1~2km(ユルの走り始めより遅く)※ウォーキングでも可

  ↓

●ユル(持続走)

【ビギナーレベル】
18kmジョグ(普段のジョグペース)

【サブフォーレベル】
18kmビルドアップ走(普段のジョグペース→レースペース)

【サブスリーレベル】
18kmビルドアップ走(キロ6分→レースペース)





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