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【40歳以上の初サブスリー達成術⑩】毎週ロング走でスタミナ向上 初マラソンから約10年半でサブスリー
2025年3月2日の東京マラソンで念願のサブスリー達成! |
2024年度に達成したのは全完走者の3.7%(全日本マラソンランキングより)で、多くのランナーにとっての憧れとなっているサブスリー。そのサブスリーを40歳を超えてから初めて成し遂げたランナーを紹介する連載。今回は2025年東京マラソンで2時間59分15秒を出した倉林健太さん(47歳)です。
倉林健太(くらばやし・けんた)さん
1978年生47歳 公務員
サブスリーを達成した大会とタイム: | 東京マラソン2025 2時間59分15秒 |
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「高校時代、陸上部に入っていましたが夢中にはならず、大学時代は文科系のクラブに所属して運動しない学生でした。社会人になり登山をはじめ、体力づくりのために走るようになりました」
当時、倉林さんは32歳。それから約15年をかけて2025年3月、「別世界の人だと思っていた」サブスリーランナーになった。
体力づくりのために走りはじめてすぐに、軽い気持ちでハーフマラソンにエントリーして結果は1時間40分(石垣島マラソン)。「ジョギングだけでも想像以上に走れるものだ」と思い淡々とジョギングだけを続けた。初フルは4年後(2014年)の青島太平洋で4時間29分35秒、そして2016年の横浜マラソンでサブフォー(3時間54分24秒)。ここでマラソンにハマった。
「2019年、サブ3.5を目指し出したあたりで、『ランニングクラブ トラック・トーキョー』に入会。1000m×10本や15~20kmLT走をするようになりました。LT走はハーフ以下の距離をマラソンペースよりキロ10秒速く走ることでLT値(乳酸性閾値)を上げていく練習なのですが、最初はなかなかついていけず苦しかったです」
クラブに入ることで意欲がさらに高まり、コロナ禍で大会がなくなった期間も別の練習会でインターバル走やビルドアップ走にも取り組んだ。
サブスリー達成のために徹底的に「スタミナ」強化
「レース出場を重ね、走力が向上してサブスリーを意識し始めた頃、スタミナ、脚力、メンタルのそれぞれを鍛える必要性を感じましたが、スタミナ不足が最大の課題でした。対策としてジェルやドリンクを補給しても、電池が切れたようになってしまうことがありました。原因は走行距離が絶対的に足りていないからと考えました。もともと距離走に苦手意識があったので、計画を立て、土日どちらかで25~30km走をするようになりました」
倉林さんはスタミナ強化を掲げ、公園の不整地を走るなどして脚力も強化、加えてメンタル面ではスタミナが切れたときに「もうダメだ……」という考え方を、「もう少し頑張れる!」に変えるようにした。2023年2月からは神野大地さんが主宰するクラブ『RETO』にも参加。練習日以外にメンバーと自主練でも走るようになり、スタミナは徐々に向上。2025年1月、東京ニューイヤーハーフマラソンで1時間25分台が出たことで、ラン仲間に「1時間25分台が出たらサブスリーを狙わないと!」と背中を押された。父親の努力している姿を子どもに見せたいと思い、東京マラソンに狙いを定めた。
東京マラソン前の勝田でスタミナの模擬試験
東京までの1カ月の練習メニューは次の通り。月曜日は休足日、火:ジョグ40分(キロ5分30秒前後)水:約20kmLT走、木:ジョグ30分(キロ5分前後)、金:ジョグ40~50分(キロ5分前後)、土:体調と相談しながらポイント練習1200m×5本など、日:30km走(キロ4分20~30秒)。3度の食事をきちんと食べる、ストレスを溜めないことも心掛けた。
「1月の勝田を東京の模擬試験としたところ、スタミナがついてきたこと実感することができました(3時間4分4秒)。東京マラソン当日は『今日は絶対にサブスリー!』と誓い、サブスリーのペーサーより前で走ることを意識してスタートしました」
スタート時に14℃だった気温は20℃まで上昇し、暑さとの戦いも加わった。想定通りに走っていたが、終盤、東京タワー付近(約39km)でサブスリーの最初のペーサーに追い抜かれた。「どうしても身体が追いつかない状態でしたが、後からきたサブスリーのペーサーに並ばれ、『ここでやらなきゃいつやるんだ!!』と檄を飛ばされて、必死に食らいついて東京駅を目指しました」
結果は2時間59分15秒。東京マラソンまでの1年間、ケガや体調不良がほとんどなく練習を継続してスタミナのあるランナーになることができたのは、練習に協力してくれた家族のおかげと改めて振り返り感謝している。
「次は2時間50分を目指します!」
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