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RUNNERS ONLINE【40歳以上の初サブスリー達成術⑧】57歳で初サブスリー、還暦後も8回達成 記録を支える30km走と3つのルール
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2023年度に達成したのは全完走者の3.6%(全日本マラソンランキングより)で、多くのランナーにとっての憧れとなっているサブスリー。そのサブスリーを40歳を超えてから初めて成し遂げたランナーを紹介する連載。今回は57歳だった2018年の別府大分マラソンで2時間55分15秒を出し、60歳を過ぎても8回サブスリーしている青嶋和夫さん(64歳)です。
青嶋和夫
さん(あおしま・かずお)
1960年生 64歳 会社員
サブスリーを達成した大会とタイム: | 2018年開催 第67回別府大分マラソン 2時間55分15秒 |
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現在の自己ベスト: | 2020年開催 第69回別府大分マラソン 2時間51分25秒 |
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青嶋さんが走り始めたのは、52歳のとき、会社のレクリエーションに誘われたのがきっかけだった。
「高校時代は麻雀に明け暮れ、大学時代は真面目にサーフィンをやりましたが走る練習はしませんでした。52歳のとき、会社の同僚に誘われて皇居を走ってみたら意外と面白かったんです。走り始めて2年目にハーフマラソンに初めて出て(世田谷246ハーフ)、1時間28分58秒でした」
初ハーフのタイムを見ると、青嶋さんもまた、サブスリー達成者の何割かにあたる、元々ポテンシャルの高いランナーというのは否めず、スタート地点のレベルは高い。
「当時から通っているスポーツ鍼灸院K.air‘sの近藤範晴先生に、『青嶋さんは長くサーフィンをやっていたから上半身ができているんです。マラソンのためにもこのままサーフィンは続けたほうがいいですよ』と言われました」
走友会に入りサブ3.5を目指した結果瞬く間にサブスリーを達成!!
52歳で走り始めた青嶋さんは、出社前のジョギングが日課となった。ある日、二子玉川駅の前でチラシを受け取ると、『二子玉川走友会体験会のお知らせ』と書かれていた。
「ちょっと覗いてみようと体験会に顔を出しました。そこに繰り広げられていたマラソンの世界が新鮮でワクワクして、そのまま入会しました。当時は4~9月はサーフィンに時間を割き、10月~3月がマラソンの練習期間で月に150kmほど走っていました」
その後順々に『多摩川サブスリーをめざす会(多摩サブ)』と『つじかぜAC』にも入会した。週末は多摩サブでメンバーに引っ張ってもらいながら30km走(キロ4分15秒)を積み重ね、平日はつじかぜでスピード練習に取り組んだ。
走り始めて3年目の初フルマラソンで3時間18分(板橋Cityマラソン2015)、4年目に出たつくばマラソンで3時間1分を記録。走友会に入った当初目標にしていたサブ3.5達成は、すぐにサブスリーに変わった。走り始めて5年目の東京マラソン(2017)で3時間0分3秒を記録、6年目の別府大分でサブスリー(グロス)を達成した。
「週末の30km走は、キロ4分45秒から4分30秒までは順調でしたが、4分15秒に上げるとラスト5kmがきつかったと記憶しております。それでも4分15秒を続けてこなしていくうちに、ラスト5kmで3分55秒~4分5秒に上げられるようになりました。この30km走で強い脚をつくったことが3時間切りに結び付きました。サブスリー達成はクラブメンバーのみなさんのおかげです」
60歳以降もサブスリーを維持する秘訣 3つのルールとは?
「50代に7回、60歳になってからも8回サブスリーをしてきましたが、60歳を過ぎたあたりから、痛切に感じるようになったのは、『距離を踏まないと走力が落ちる』ということです。60代でもまだまだサブスリーを続けたいので、今は自分の生活に3つのルールを作り実践しています」
青嶋さんが設定したルールの1つ目は60歳まで平均200kmだった月間走行距離を250kmに延ばし、さらもスピード練習も加えること。2つ目は浴びるほど飲んでいたお酒を断って、食事の内容を改善したこと(朝ラン前に白湯を飲み、朝食はパンに納豆・海苔・チーズ・ヨーグルト・コーヒー。昼食は雑穀米に揚げ物でない肉か魚、夕食は雑穀米に味噌汁、鶏胸肉、大豆煮、ほうれんそう、人参サラダなどの小鉢ものとフルーツ)。そして3つ目は、常に自己ベストを更新するつもりで、目線を高く練習し、レースに臨むこと。この3つだ。
2024年の夏は猛暑だったこととケガのリスクを避けるため7~11月スピード練習を完全に休んだ。すると11月の東北・みやぎ復興マラソンで35km過ぎから歩いてしまい3時間1分37秒。12月の防府マラソンでは、40km過ぎで急に脚・腰にきて、ゴール前の競技場で2回転んでしまって3時間0分35秒といずれもサブスリーに届かなかった。
「本当に悔しくて、悔しくて! スピード練習に加えて、ジョグでいいからちゃんと距離を踏まないとダメだと痛感しています。今年は定年退職記念も兼ねてニューヨーク・シティマラソンで2025 Abbot Age Group World Championships を走る予定です。まずは東京マラソンでしっかり結果を出せるように練習を重ねます!」
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「どうしても、サブフォーができない」
2023年度の全日本マラソンランキングでは、サブフォーランナーは全完走者のうち27.4%にあたる8万6815人。ジョギングだけで達成してしまう人がいる一方、ロング走やスピード練習をして走り込んでいるのに、届かないランナーもいます。そんな「努力しているのにサブフォーができないランナー」がどうすれば4時間を切ることができるのかを、専門家やコーチの協力のもと解決します。
特別寄稿
マラソンの「30kmの壁」の正体 「エネルギー枯渇説」よりも「脳がかけるブレーキ説」
フルマラソンを走るランナーであればほとんど誰もが聞いたことのある言葉であろう『30kmの壁』について、内科医でサブスリーランナーの北原拓也先生がYahoo!ニュースでそのメカニズムをまとめた記事を発表し、大きな反響がありました。それを受け、本誌では北原先生にさらに詳しく加筆をしていただいた記事を掲載します。
走って輝く人生100年時代
91歳の現役ランナーが語る「マラソンは究極の人生の目的」
2023年度全日本マラソンランキングの最高齢ランナーである北畑耕一さん(91歳)は伊藤忠商事を経て外資系日本法人の代表を歴任、退職後に74歳で走り始め、これまでにフルマラソンを32回完走。2024年は国内外で3つのフルマラソンを完走しました。
90歳を過ぎてもフルマラソンを走り続ける活力の源を探りに、編集部が北畑さんのある一日に密着しました。
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