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【40歳以上の初サブスリー達成術⑤】初マラソンから5年「30kmではなく “35km地点”」を意識して壁を破ったママさんランナー

2024年11月15日

水谷さんはジョギングのペースも意識してサブスリーを達成した

水谷さんはジョギングのペースも意識してサブスリーを達成した


2023年度に達成したのは全完走者の3.6%(全日本マラソンランキングより)で、多くのランナーにとっての憧れとなっているサブスリー。そのサブスリーを、40歳を超えてから初めて成し遂げたランナーを紹介する連載。今回は2023年の東京マラソンで2時間58分41秒を出し、念願のサブスリー達成を果たした水谷美紀子さん(44歳)です。


水谷美紀子さん(みずたに・みきこ)
1980年生 44歳 会社員

サブスリーを達成した大会とタイム:​​​​​​​2023年東京マラソン(2時間58分34秒)

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水谷さんが走り始めたのは38歳のとき、初期の乳がんが見つかり、人生を見つめ直したのがきっかけだった。

「母子家庭で24歳のときから子育てと仕事に明け暮れていたので、これからは好きなことをしようと思いました。親友が別の分野で好きなことを始めたのに影響を受け、私は子どもの頃から好きだった走ることを選びました」

当時水谷さんは、マラソンに関する知識は皆無。「まずはレースを走ってみよう」と突然大阪マラソン(2018)にエントリー。練習らしい練習はせず、シューズも前日のEXPOで購入したものをはいて走り、4時間19分だった。

「30km過ぎでボロボロになりました。練習していないから当然なのに、悔しくて悔しくて……。その後、週45kmほど走るようになり、2019年2月の泉州国際マラソンでは3時間47分13秒(ネット:3時間42分25秒)を出しました。そのとき、ジョギングだけでこのタイムが出るなら、サブスリーも簡単では!? と恐ろしい思いを抱いてしまいました(笑)」

こうしてマラソンに熱中した水谷さんは、サブスリー達成を目標に、大阪の長居公園で水曜日と日曜日に開催している練習会に参加するようになり、練習会以外は週に2回ジョギングし、月間200km走るようになった。そして2019年10月の金沢マラソンでは3時間16分54秒を出したが、「サブスリー達成は簡単かと思ったけど、とんでもないわ……。このままの練習メニューでは実現できない」と感じるようになった。


SNSで平塚潤コーチにメニューづくりを依頼

なんとかしてサブスリー達成をしたいという思いを携え、水谷さんはSNSでフォローし、尊敬していたという平塚潤コーチと連絡を取りメニューづくりを依頼した。

「私がサブスリーを達成できたのは、コーチのいうことだけを実践したからだと思います。ジョギングのペースがメニュー通りにいかないことはありましたが、本当に妄信的とも思えるほど、言われた通りに練習しました」

1週間のメニューはこうだ。
(月)休足
(火)ジョギング10km(5分~5分15秒)
(水)ジョギング12~15km(5分30秒)+200m×3本ダッシュ
(木)300~500m×10本や1km×3本のインターバル走+ダウン30分
(金)ジョギング15km(5分が理想だが5分30秒くらいになっていた)
(土)ジョギング12~16km(5分30秒・体調に合わせる)
(日)20km走(レース2か月前は30km走)または閾値走8km

以上のような月380~400kmのメニューを言われた通りに行った。

「平塚さんのメニューでもっとも走力アップに効果があったのが、『1km×3本のインターバル』です。最初は4分10秒(間は200m1分10~15秒)で凄く辛かったです。今は1km×5本を3分45秒でやります(調子がいいと7本いけます!)。平塚先生のメニューによりピーキングもうまくできるようになりました」


最後は「絶対できる」というメンタル

順調にサブスリー達成への階段を上っていく水谷さんだったが、この後、大きな壁が立ちはだかった。

「2021年の名古屋ウィメンズでは、サブスリー達成できると信じていたのですが、風速9mの風に負け3時間8分52秒。さらに2022年の金沢でも同じ思いで走り3時間1分59秒、2023年の大阪国際女子も3時間1分53秒。30kmになると『残り12kmだ!』と思って力が入ってしまいました。残り12kmという距離に、集中力が切れてどっと疲れがきて、ズルズルとタイムが落ちてしまいました」

コーチから「サブスリー達成できる」と言われ続けている段階だったにも関わらず、3時間1分の壁。「なぜだろうと悩みました。そんなとき、平塚コーチに『自分を信じて、ぜったいにできる! と強く思うといいですよ』と言われました。毎日『ぜったいにできる!』と自分に言い聞かせるも、目標レースにしている東京マラソンが近づいてくるにつれ調子が悪くなり、3週間前に行わなければならない30km走はできず、1週間前の10km走は5kmになりました。それでも、『できる、ぜったいにできる!』と気持ちを整えました」

東京マラソンは暑くもなく寒くもなく、無風状態。

「残り12kmと思うと力が入りすぎるので、東京マラソンでは37km地点を意識しようと思って走りました。そこまで体力とメンタル面を保つように走り、37km地点で『残り5kmだ!』と気持ちを切り替えました。残り5kmと考えればメンタルはこんなにラクなんだ! 最後は死ぬ気で走り念願のサブスリーを達成しました」

今シーズンのフルマラソンは2025年の大阪国際女子と東京マラソン、ふくい桜マラソン。大阪でサブスリー、東京で2時間55分を目指している。






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