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【40歳以上の初サブスリー達成術③】坂ダッシュで鍛えたスピードに月300km走破でスタミナをプラス
昨年の東北・みやぎ復興マラソンは2時間44分24秒を記録した(左から2人目が三宅さん)。 |
2023年度に達成したのは全完走者の3.6%(全日本マラソンランキングより)で、多くのランナーにとっての憧れとなっているサブスリー。そのサブスリーを40歳を超えてから初めて成し遂げたランナーを紹介する連載。今回はコロナ禍の荒川河川敷で2時間54分56秒を出しサブスリー達成を果たした三宅大二郎さん(48歳)です。
三宅大二郎さん (みやけ・だいじろう)
1976年生 48歳 会社員
サブスリーを達成した大会とタイム: | 2021年スポーツメイトラン葛飾区荒川河川敷堀切橋マラソン大会 (2時間54分56秒) ※公認大会は2022年かすみがうらマラソン(2時間52分3秒) |
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現在の自己ベスト: | 2023年東北みやぎ復興マラソン(2時間44分24秒) |
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三宅さんが走り始めたのは38歳のとき、東京マラソンに当選したのがきっかけだった。
「大学時代はサークルでバレーボールをやっていました。特に走った経験はありませんでしたが、東京マラソンに当選して練習せず出場。この時は6時間30分以上かけてなんとかフィニッシュしました。いつか東京でリベンジしたいという思いで練習を続け、毎年エントリーしていたものの残念ながら抽選に当たらず、次に本気で走ったフルマラソンは5年後のホノルルマラソンでした。週3~4日の筋トレやトレッドミル走のおかげでサブフォーができ(3時間43分)、本格的に火がついてランニングクラブに入会。『この勢いで行けば3時間も切れるかも』とサブスリー達成を目指すようになりました」
クラブに入会後、メンバーのひとりから、「サブスリーを目指しているわりには身体が大きいんじゃないかな」、と言われた三宅さん。当時は身長184cm、体重は84kgだった。
「ほぼ毎回ポイント練習」で3時間15分まで短縮
クラブに入会し、会社帰りの平日や週末にポイント練習をするようになった。特に「上り坂ダッシュ」は筋力強化とランニングフォーム改善が行えるため、現在ももっとも重要な練習だと考えているという。
「代々木公園や荒川の河川敷で100~300mの上り坂を選んで10~15本全力でダッシュしていました。それは今も変わりません。84kgあった体重も10kgほど落とし、マッサージの先生にハムストリングスの筋肉がついてランナーらしくなってきたと言われたこともあり、普段のジョグでも上り坂を増やすようになりました。最初のクラブに入会してから半年後に他のクラブにも所属し、寝ても覚めてもポイント練習ばかりするようになりました」
いわゆる「つなぎのジョギング」はほとんどせず、走る時は常に「心肺機能を追い込むキツいトレーニング」を行うというスタイル。この方法で、20年の京都マラソンで3時間15分の自己ベストを記録した。
月間150→300kmへ走行距離倍増、さらに減量で走力アップ
三宅さんの当時の月間走行距離は150kmほどだった。クラブのメンバーが200、300km走るというのを聞きながらも、「自分はポイント中心でいいかな……。たまにポイント練習で長い距離を走ったりもしているし、(距離を延ばして)故障をするのも心配」と独自のスタイルを貫いていた。そんなとき、同じくサブスリーを目指す友人たちと一緒に山で練習したところ、後半離されてしまった。加えてランナー仲間から「毎日15~20km走らないとサブスリーは厳しいよ」と言われ火がついたという。
「距離を延ばすことを決意し、深夜の帰宅になっても最低15km走るようにしました。SNSでそれを報告すると、毎回『いいね』をしてくれる人もいてモチベーションになりました。月間150kmだった走行距離は倍の300km前後になり、日々ふくらはぎの形がシュッとなっていきました」。
同時に毎日お昼は玄米のおにぎり(155グラム)と野菜中心の煮込みを作り、1カ月で75kgから3kg減量した(現在は67kg)。
この成果が表れたのが21年10月。コロナ禍のため河川敷での小規模フルマラソンに出場すると、キロ4分10秒で30kmまで走り、最後はややペースダウンするも2時間54分56秒で初サブスリーを達成。翌22年4月のかすみがうらマラソンでは2時間52分3秒に記録を伸ばし、公認でもサブスリー。「これで本当のサブスリーという気分でした。最後までしっかり走り切ることができ、走行距離を増やした効果を実感しました」
今シーズンのフルマラソンは11月東北・みやぎ復興マラソン、12月奈良マラソン、2025年2月別府大分毎日マラソン、3月ふくい桜マラソン、4月かすみがうらマラソンのスケジュール。2時間43分切りを目指している。
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