本サイトではより多くの方に快適に利用して頂ける様に、アクセシビリティ面を充分に考慮したコンテンツの提供を心がけております。その一環として、閲覧対象コンテンツのすべてにスタイルシートを使用して制作しております。現在閲覧に使用されているブラウザには、当方制作のスタイルシートが適用されておりませんので表示結果が異なりますが、情報そのものをご利用するにあたっては問題はございません。

ニュース・記事

ランナーズonline

RUNNERS ONLINE

フル2時間46分の研究者が語る「頑張らない筋トレで効果あり」

2025年1月28日

「筋トレは頑張らなくていい」との持論を語る研究者の髙山史徳さん(写真/戸屋亮二)

「筋トレは頑張らなくていい」との持論を語る研究者の髙山史徳さん(写真/戸屋亮二)


ランナーズ1月号「ランナーの困ったを解決」特集で脚つり・痙攣の解決法を指南してくれた研究者の髙山史徳さんは、同記事内で「筋トレは頑張らなくていい」と持論を語りました。髙山さんはストレングス&コンディショニングコーチ、パーソナルトレーナー、研究者として活動しフルマラソン自己ベスト2時間46分15秒(2024別大)の記録を持つランナーでもあります。「筋トレは頑張らなくていい説」の真意を確かめるため、編集部が髙山さんを訪ねました。


********


編集部 本誌1月号で「脚つり・痙攣」に悩むランナーへの解決法を指南してもらいました。その中で、相談者の「筋トレが大嫌いなんです。筋肉痛が怖くて」という言葉に対して「そんなに頑張らなくていいですよ。筋トレはむしろ頑張らなくていいというのが私の持論です」と答えていました。この持論について詳しく聞かせてください。

髙山 まず私の言う「頑張らない」というのは「限界まで追い込まない」という意味です。その根拠は、ランナーの場合、(筋トレで)限界まで追い込む必要性を示すエビデンスがない、むしろ追い込まない方がいいというエビデンスがあることです。そして、追い込むことによるダメージがランニングのトレーニングにマイナスの影響を与えると考えているからです。

編集部 そんなエビデンスがあるのですか。

髙山 あります。そもそも筋トレを行う目的は、(ランナーという前提をなくすと)主に「筋肥大」と「筋力向上」の2つがあります。筋肥大については、限界に向けて追い込んだ方が効果が高まる、というエビデンスがあります。一方、筋力向上については、追い込もうが追い込むまいが効果は変わらず、「高強度」であることが重要という結果がでています。ランナーにとって、過度な筋肥大は重りになってしまうことがあるので、筋トレが筋肥大のためではないことは理解しやすいですよね? ランナーが筋トレを行うメリットは、ランニングエコノミーを向上させたり、筋力を高めたりすることで走力をアップさせるためです。

編集部 筋トレと言っても、ジムで器具を使って行うような筋トレもあれば、自宅でもできる自重の筋トレもあります。

髙山 科学的には「高強度(概ね1度に10回以上繰り返せない負荷設定)」がランニングエコノミーの改善にベスト、というのが前提としてあります。その上での「頑張らなくていい=限界まで追い込まなくていい」という論旨です。なので基本的にジムで重りを使用して行うような筋トレを対象にした持論になります。

編集部 私もそうですが、ジムに行くのはハードルが高い、というランナーも多いです……。

髙山 自重での筋トレは、ランニングエコノミー向上という目的では決してベストとは言い難いですが、ケガ予防という意味では、筋トレの具体的方法よりも無理なく継続することが重要で、ケガ予防効果が認められたアプローチには自重ベースのものもあります。一方、高強度の筋トレは、ハードルが高いと思われがちですが、ランニングパフォーマンス向上や健康面にも効果がある上、よく言われる俗説(身体が重くなる、柔軟性がなくなる)の多くも間違いです。「ジムで筋トレをやる時点ですでに頑張っている」という指摘もあるかもしれませんが、私はその先入観を変えたいです。


********


発売中のランナーズ3月号では、「頑張らない筋トレで効果あり」を示すエビデンスの内容や、「頑張らない筋トレ」は実際どれくらいの頻度で、どんな種目をどのくらい行えばいいのかなど、髙山さん自身の経験も踏まえて語っています。



※こちらから記事検索ができます。

ランナーズ3月号 1月22日発売!


解決します!
「どうしても、サブフォーができない」

2023年度の全日本マラソンランキングでは、サブフォーランナーは全完走者のうち27.4%にあたる8万6815人。ジョギングだけで達成してしまう人がいる一方、ロング走やスピード練習をして走り込んでいるのに、届かないランナーもいます。そんな「努力しているのにサブフォーができないランナー」がどうすれば4時間を切ることができるのかを、専門家やコーチの協力のもと解決します。

特別寄稿
マラソンの「30kmの壁」の正体 「エネルギー枯渇説」よりも「脳がかけるブレーキ説」

フルマラソンを走るランナーであればほとんど誰もが聞いたことのある言葉であろう『30kmの壁』について、内科医でサブスリーランナーの北原拓也先生がYahoo!ニュースでそのメカニズムをまとめた記事を発表し、大きな反響がありました。それを受け、本誌では北原先生にさらに詳しく加筆をしていただいた記事を掲載します。

走って輝く人生100年時代
91歳の現役ランナーが語る「マラソンは究極の人生の目的」

2023年度全日本マラソンランキングの最高齢ランナーである北畑耕一さん(91歳)は伊藤忠商事を経て外資系日本法人の代表を歴任、退職後に74歳で走り始め、これまでにフルマラソンを32回完走。2024年は国内外で3つのフルマラソンを完走しました。
90歳を過ぎてもフルマラソンを走り続ける活力の源を探りに、編集部が北畑さんのある一日に密着しました。



本誌購入は年会費7,800円「ランナーズ+メンバーズ」がお勧め!

「ランナーズ+メンバーズ」は毎月最新号が自宅に届く(定期購読)だけでなく、「デジタルで最新号&2011年1月号以降が読み放題」「TATTAサタデーランが年間走り放題」「会員限定動画&コラム閲覧可」のサブスクリプションサービス! 年会費7,800円の超お得なプランです。



※こちらから記事検索ができます。

記事をもっと見る

ランニング初心者集まれ