本サイトではより多くの方に快適に利用して頂ける様に、アクセシビリティ面を充分に考慮したコンテンツの提供を心がけております。その一環として、閲覧対象コンテンツのすべてにスタイルシートを使用して制作しております。現在閲覧に使用されているブラウザには、当方制作のスタイルシートが適用されておりませんので表示結果が異なりますが、情報そのものをご利用するにあたっては問題はございません。

ニュース・記事

ランナーズonline

「走歴10年の壁」は超えられる!? ベテランランナーが記録を伸ばす方法とは

2024年12月25日


ランニング界ではこれまで「走り始めて5年~10年まではタイムを伸ばせるが、その後はかなりの工夫が必要」という“走歴10年の壁”説がありました。しかし、ランナーズが11月20~27日に実施したアンケートでは、2024年に初めてサブスリー、サブ3.5、サブフォーを達成したランナー219人のうち、約23%にあたる50人が「走歴10~19年」「20年以上」のどちらか。この結果をもとに、現在発売中の月刊ランナーズ2月号では“走歴10年の壁”について特集しています。
ここでは運動生理学、マラソン学を専門とする筑波大学の鍋倉賢治教授に、研究結果や指導する市民ランナーの実態を踏まえて“走歴10年の壁”について解説していただきました。


********


私は以前から「走り始めてから10年は記録を伸ばせる」と言ってきました。しかし、それは「走歴10年以上の人はもう伸びない」という意味ではありません。走歴10年以上の人でも伸びる可能性はあります。ただし、60歳で始めた人が70歳まで伸びるかというと難しいのではないかと思います。

何歳で走り始めても、トレーニングを続けていれば記録は少なからず伸びます。練習量とマラソンのタイムは相関します。しかし、やがて加齢によって体力が落ち、パフォーマンスが低下します。トレーニングをしてきた人の場合、最大心拍数はさほど低下しませんが、大臀筋やハムストリングを中心とした下肢の筋肉量が落ち、それに伴って最大酸素摂取量が下がります。筋肉量の低下は40代から顕著になります。

トレーニングによる体力の向上と加齢による低下が拮抗したところで限界がきます。それが壁です。壁が出現するタイミングは一律ではありません。走り始めた年齢、こなしてきた練習の内容によると思います。

アンケートの結果を見ると、走歴10年で記録を伸ばした人はかなりの月間走行距離をこなしています。サブスリー、サブ3.5を達成した人は30km走、インターバル、坂道走など質の高い練習をしています。想像するに、これは最近のトレーニング内容であって、5年、10年前からこの量と質を保ってきたわけではないのではないでしょうか。始めのうちは真剣に記録を狙っていたわけではなく、ファンランだった人もいるはずです。

練習量への適応、練習の質への対応には時間がかかります。いきなり月間300kmは走れません。スピード練習もできないはずです。中高年で走り始めた人ほど適応に時間を要します。普通は週1、2回のジョギングから始めて、徐々に練習のボリュームを増やし、質も高めていくものです。それと同時にレースの進め方もうまくなって記録が伸びていきます。

40代、50代の中高年ランナーは記録更新の可能性を秘めています。特に、走り始めて10年になるけれどジョギングしかしてこなかった、という人には伸びる余地があります。「練習が足りない」「質の高い練習をしていない」と自覚している人は、練習の量と質を高めることでチャンスが広がります。トレーニングもレース運びも洗練されていき、走り始めて15年で自己ベストが出るケースもあると思います。

(構成/吉田誠一)


********


月刊ランナーズ2月号では“走歴10年の壁”に対する他の専門家の見解や、壁を打破したランナーの体験談などを紹介しています。



※こちらから記事検索ができます。

ランナーズ創刊50周年記念号 11月21日発売!



1976年2月に創刊したランナーズは、おかげ様で50周年を迎えました。ランナーのみなさま、ご愛読ありがとうございます。
今号は50周年を記念し、ダブル表紙の特別版でお届けします。

当社50年の歴史から振り返る日本ランニング界、50年間の挑戦史

女性ランナーの増加から競技選手の活躍、都市型マラソンの拡大など、日本ランニング界50年の歴史を20ページにわたって掲載します。

◎日本の市民ランナーを速くした50年分のトレーニング
「ハードだけど実践してみたい」。そんな気持ちを抱いてもらえることを目指して紹介してきたトレーニングの中から、30のトレーニングを厳選しました。

◎広告から見るシューズ・グッズ50年の進化
過去50年間のランナーズに掲載された広告からグッズ進化の歴史をたどります。

◎創業者インタビュー「ランニングの世界はまさに多様性」
いかにして当社は立ち上がり、日本の市民ランニング界と歩みを共にしてきたのか? 当社創業者の橋本治朗氏に現代表取締役社長の黒崎悠がインタビューしました。

特別付録 ランナーズダイアリー2026

2026年のダイアリーは50周年特別版。50周年メモリアルコラム「忘れられないトレーニング」として、往年の名ランナーのトレーニングを掲載しています。読んで書いて、1年間日々のお供にご活用ください。



本誌購入は年会費7,800円「ランナーズ+メンバーズ」がお勧め!

「ランナーズ+メンバーズ」は毎月最新号が自宅に届く(定期購読)だけでなく、「デジタルで最新号&2011年1月号以降が読み放題」「TATTAサタデーランが年間走り放題」「会員限定動画&コラム閲覧可」のサブスクリプションサービス! 年会費7,800円の超お得なプランです。



※こちらから記事検索ができます。

記事をもっと見る

ランニング初心者集まれ