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過去最少出走者だった関西の伝統レース 編集部員出走記「11年ぶりの優勝で感じた快適さと少しの寂しさ」

2022年11月25日

三段池公園をスタートするランナーたち(写真/塩川真悟)

三段池公園をスタートするランナーたち(写真/塩川真悟)


11月23日(水)に京都府で開催された福知山マラソンは今年で第30回を迎える老舗大会。今年は水曜開催だったこと、コロナウイルス後は全国的にエントリー数が低下していることなどの影響を受け、出走者数は過去最少の約3000人でしたが、雨の中出走したランナーには沿道の市民やボランティアから多くの声援が送られました。このレースを2時間21分55秒で優勝した編集部の行場竹彦が出走記を綴りました。


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福知山マラソンは1991年に第一回大会が開催。初回の出走者数は5111人で、第5回には1万人近い規模に成長した。三段池公園を発着点とし、市街地や由良川沿いの自然豊かな風景を見ながら走るコースで、ラスト1kmで駆け上がる坂が名物として知られている。

私が過去に出場した2011年(21回大会)は、ちょうど神戸マラソンと大阪マラソンが始まった年で、福知山マラソンはすでに関西の伝統レースとしておなじみになっていた。行きの電車は混雑し、会場へ向かうシャトルバスも長蛇の列。待機場所となっている体育館も満杯で、とにかく活気を感じたのを覚えている。その時は混雑の影響を受けてスタート40分前に会場に到着し、焦って準備をしてスタートラインに並んだ。初マラソンだったためおっかなびっくり走っていたが、最後の坂でスパートして優勝することができ、「フルマラソンは面白いかもしれない」と思えたレースだった。

その後は東京に転居したため出場できず、本来なら10年後の昨年の出場を考えていたが、コロナウイルスの影響で中止となり、今年11年ぶりに出場した(歴代優勝者は永久招待選手になっている)。事前にエントリー数が少ないことは聞いていたが、確かに会場に着くと待機場所の体育館以外はスペースに余裕があり、トイレもスムーズに利用ができた。この日は雨だったので、参加賞の中にレース中着られるビニール袋があって「さすがに伝統レースは分かっている」と実感。名物となっているステップスポーツの即売会ブース(かなり安い)を見つつ、懐かしさを感じているとスタート時間が迫ってきた。整列すると常連ランナーも多いようで、再会を喜ぶ声も聞こえる。

偶然優勝できた11年前と違って今回は最初から1位を目指していたので、号砲後は集団がスローペースにならないように先頭に立って坂を下る。雨の中、序盤の街中ではたくさんの人や子どもたちが声援を送ってくれてありがたかった。先頭集団のリズムがキロ3分20秒前後で作れたと感じたため2番手に下がり、そのまま25km手前の折り返しまで力を温存して走った。折り返し後は先頭に立って少しペースを上げたが、すぐに抜かれて30kmからはマッチレースに。正直かなりきつく、ゆるやかなアップダウンが続くコースの影響も受けて終盤はふくらはぎもずっと痙攣しかけていた。一時は10m程度離されたが、実は競り合っていた浜田浩佑さんは3日前の神戸マラソンでも6位に入っていたランナー。「さすがに神戸も走った人に負けたくない」という思いで、小さな下りを利用して追いついた。また、苦しい場面ではすれ違うランナーがかけてくれるエールや給水所の学生のハイテンションな応援でやる気が出た。痙攣した脚では「名物の上り坂」までもつれると負けると考え、39kmから少しペースアップ。ここでちょっと離れたのが分かったため、必死に逃げ、坂も腕を振って駆け上がる。ゴール間際で流れていたサザンオールスターズの「希望の轍」にも背中を押され、そのまま5秒差で11年ぶりのゴールテープを切ることができた。

その後は表彰を受け、参加したランナー数名にインタビューをしてから帰路についた。前回は帰りのシャトルバスも行列があり、そこでも他のランナーから「どうでした?」と話しかけられて交流が生まれたり、周りの会話も楽しく聞くことができたものだが、今回はすぐにバスに乗り込め、快適ではあるものの少し寂しかった。

かつては大会100撰でも1位を獲得した伝統のレース。来年以降は多くのランナーが戻ってきてほしいと強く願った。


序盤の先頭集団(23番が編集部行場)

序盤の先頭集団(23番が編集部行場)



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