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元実業団監督が綴る「実業団チームに休廃部が相次ぐワケ」
曽野さんが在籍した当時の八千代工業の応援団 |
昨年11月に発表された実業団八千代工業陸上部の休部を受け、同部で監督経験のある市民ランナーの曽野政男さん(67歳)が実業団チームの制度や課題を綴ってくれました
「選手が社員と働くからこそ、応援してくれる」
私がかつて監督を務めた八千代工業陸上部が休部を発表した。目にした瞬間、「来るべき時が来たな」というのが私の実感だった。同部は1991年に創部。同時期に創部した大手銀行や大手保険会社の陸上部は、大半がすでに撤退している。そして一昨年から連続して実業団チーム最大の目標である「ニューイヤー駅伝」の出場権を逃したという結果と、自動車業界を取り巻く状況を考えれば、致し方ない流れであると思った。
1991年3月、それまで活動していた同好会選手数名で、スタートした八千代工業陸上部。37歳の私はプレイングマネージャーに就任。「ニューイヤー駅伝出場」という夢を追って、トレーニングに、スカウティングにと、「寝食を忘れて」奔走する日々を過ごしていた。
当時の実業団チームは変革期を迎えていた。それまでは、高校生の選手をスカウトして育て上げるというスタイルが主流だったが、1987年に箱根駅伝がテレビで放送されるようになり、注目度が上がるとスカウティングの対象が高校生から大学生に移っていった。さらに、強豪チームが次々にフルタイム勤務から9時から午後2時頃まで勤務、3時頃からトレーニング、定期的に合宿を行うというスタイルに変えていった。そして、ケニア人選手の加入など、会社側に多くの費用が伴う方向に変化が続いた。結果、バブル崩壊から始まった長期不況の影響を受け、休廃部に追い込まれるチームが相次いだ。
私自身も監督、GMとして部員の勤務体制の変更や合宿の実施などを会社と交渉し、その結果中部実業団対抗駅伝6位入賞などの結果を残すことができた。しかし、思えば部員たちが現場で他の社員とともに汗を流して働き、その上で練習を積んで大会に出ていたからこそ、社員の皆さんが応援してくれて、結果に関わらず労ってくれていたのではないかと思う。
曽野政男さん
陸上自衛隊体育学校を経て、八千代工業でプレイングマネージャー、監督、GMを歴任。現在も走り続け、2017年ワールドマスターズゲームズ10km(60-65歳)金メダル。1954年生まれ
現在の日本陸上界や実業団チームの課題とは? 曽野さんの手記全文はランナーズ3月号に掲載しています。
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