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川内優輝が語った「現状打破」(前編)
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「あいおいニッセイ同和損保」の記者会見では「現状打破」を手書きした直後に熱弁 |
昨年のボストンマラソンで、瀬古利彦さん以来31年振りに「日本人優勝」を果たした川内優輝選手(32歳)が勤務していた埼玉県庁を退職し、プロランナーとして独立。4月2日(火)、3日(水)、4日(木)にスポンサー企業である「アシックス」「あいおいニッセイ同和損保」「ジェイバード(イヤホンブランド)」が契約記者会見を開き、「契約理由」や「プロランナーとしての展望」が川内選手の口から語られました。
「あいおいニッセイ同和損保」記者会見で披露された座右の銘は〝現状打破〟。ここに川内選手の想いが凝縮されていました。数分にわたる〝現状打破〟に関する独白を全文公開します。
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現状維持に甘んじてしまっていた自分がいた
「もともと〝現状打破〟という言葉、2つ意味があって使っていまして、1つ目は弱い自分自身を超える。〝現状維持〟ではなくて〝現状打破〟して、自分をより強くする。そうした意味で、何年かも自己ベストが出ていないということはやはり〝現状維持〟に甘んじてしまっていた自分がいた。(サインなどを求められた際)色んな人に〝現状打破〟という言葉を書いていましたが、それを書いている本人が公務員という職業で〝現状維持〟をしてしまっていた。自分がもっと強くなる方法、もっと速くなる方法が頭の中で十分に思い描けているのに、それを実行に移さなかった。だからこそ今回、〝現状打破〟ということで初心に返って自分自身、さらに自己ベストを更新し、さらに強い選手になるために〝現状打破〟という言葉を、今後も使い続けていきたいという風に思っています」
現状打破を掲げて、日本のマラソンを支える
「もうひとつの意味としましては元々、日本のマラソンを変える、という意味で使っていまして、日本のマラソン界、私が2時間8分で走った頃(2011年2月の東京マラソン、2時間8分37秒)には2時間10分を切るサブテンランナーが年にひとりくらいしか出ない、というようなある意味、暗黒期というような時期でした。福岡国際マラソンであっても日本人トップの選手が放送時間内にゴールができず2時間14分台というタイムで、寺沢 徹さん(※1)の時代に戻ったと言われる時代が、私が2011年に活躍する前の2010、2009年でした」
「そうした中から私が〝現状打破〟を掲げて、マラソンを変えるんだ、ということで積極的にレースに挑んでいきまして、「レースに出すぎたと言われる」こともありました。ある実業団の監督さんからは「君はまだマラソンランナーとはいえない」と言われました。「一度やったことを二度やって、二度やったことを三度やる、それがマラソンランナーだ」と言われまして、「じゃあ2時間10分切りのサブテンを何回もやって、マラソンランナーとして認めてもらおうじゃないか」ということで何度も何度もレースに挑みまして、何度も何度も2時間10分を切って、そして日本では最高の13回の2時間10切りとなりました。2番手の高岡寿成さん(※2)が6回だと思いますので、ダブルスコアをつけてきた、という状況でした」
「実業団の監督さんの言葉通り、長い間、何回も2時間10分を切って実績を残してきたら、たしかに日本記録は出せなかったんですけど、徐々に色々な人が認めてくれるようになって「川内のやり方は川内のやり方で」ということで「レースに出すぎ」と批判する人ばかりじゃなくて、逆に所属契約を結ばせていただいた、あいおいニッセイ同和損保さんのように「いっぱいレースに出るから君はオンリーワンで価値があるんだ」ということで私の活動を支援してくれる企業さんも現れるようになりました」
※1
●寺沢 徹さん
1962年の朝日国際マラソンで日本最高記録を更新(2時間16分18秒)して優勝。翌年2月の別府大分マラソンで当時の世界最高記録を上回る2時間15分15秒8をマーク。1964年東京オリンピック15位。
※2
●高岡寿成さん
2002年のシカゴマラソンで2時間6分16秒の日本記録を樹立。現在はカネボウ陸上部の監督
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