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91歳現役ランナー北畑耕一さんのトレーニングは坂道コースを10往復

2025年1月22日

写真/小野口健太


写真は2023年度全日本マラソンランキングの最高齢ランナーである91歳の北畑耕一さん。自宅そばの約500mの緩やかな坂を10往復して10km走るトレーニングを週2回継続し、「いつも坂を走っているので、アップダウンのあるフルマラソンも苦にならない」と語ります。

北畑さんは伊藤忠商事を経て外資系日本法人の代表を歴任、退職後に74歳で走り始め、78歳で初マラソンを経験。今年1月12日のいぶすき菜の花マラソンで33回目のフル完走を果たしました。昨年は90歳で4月にパリマラソン、9月にシドニーマラソンを完走。これまで走った海外マラソンは20回を数えます。

発売中のランナーズ3月号では、北畑さんのこれまでの歩みとフルマラソンへの想いをインタビューしています。



――74歳のときにジョギングを始めました。走ることに抵抗はなかったのでしょうか。
「まず歩くことから始めました。坂の多い自宅周辺を半年くらい歩き続けるうちに、1km8分40秒くらいで早歩きできるようになったんです。それで早歩きよりジョギングの方が楽だな、と思うようになって、自然に走りに移行できました。2009年(75歳)から、仲間に誘われて湘南月例マラソンに出るようになり、3kmから始めて、その年の11月に初めて10kmを走りました。そこから毎月欠かさず1年以上、この月例の10 kmを走っていると、『ランニングを人生の次のチャレンジにしたい』と思うようになったんです」

――チャレンジ、ですか。
「はい。退職後、70歳から4年間はフランス語にチャレンジして、2018年からは茶道にチャレンジ。どうも私は、性格的に、常に何かにチャレンジしていないと気が済まないんですね」

――その後、どういう風にフルマラソンまでチャレンジしていったんでしょうか。
「2011年1月に初めてレースらしいレース、湘南国際マラソンの10kmに出ました。そこで一般男子の部で2278人中、2262位だったんです。今思えば、77歳なのでそんなものかもしれませんが、その時は『もう少し上を目指したい』と思ったんです。そこから、毎月の月例マラソンに加え、神奈川マラソン10kmや横浜ロードレース10kmなど、積極的にレースに出るようになりました」

――そして20kmを2度走り、「20kmいけたら絶対フルマランも走れる」と友人にささやかれ、フルマラソンへ挑戦された。
「人生そんなに長くないんで、やってみるか、と思ったんです。初マラソンの2012年のパリマラソンは、やたら寒くて、羽織っていったジャケットを脱がずに着たまま走って。今思うとシューズも重いのをはいていましたね。完走できたのは寒かったのが功を奏したのかもしれません。私は幼少期からずっと運動が不得意で、水泳も上達しないし、草野球をやってもうまくできなかった。でもフルマラソンを完走できて、走ることなら何とかできそうだと。完走後、しばらくパリに滞在する中で、『生涯マラソンを続けたい』という思いが芽生えてきたんです」

――2024年は90歳で3回フルマラソンを完走しました。
「1月のいぶすき菜の花の後、4月はパリに出て、9月はWMM年代別選手権※でシドニーに出ました。シドニーは夏場暑すぎて走れなかったので、途中でやめようかと思うくらいきつかった。それでも7時間23分で完走しました。オーストラリアのマラソン史上、最高齢だったようです」

※ 40歳以上のランナーが参加できるワールド・マラソンメジャーズの年代別ランキングにおいて、1年間の予選期間終了時点でランキング上位のランナーは、年代別世界選手権に招待される(費用は自己負担)


2024年4月のパリマラソン


ランナーズ3月号では、インタビュー全文を掲載。北畑さんのある一日に密着し、毎朝続ける股関節エクササイズの様子なども紹介しています。



※こちらから記事検索ができます。

ランナーズ3月号 1月22日発売!


解決します!
「どうしても、サブフォーができない」

2023年度の全日本マラソンランキングでは、サブフォーランナーは全完走者のうち27.4%にあたる8万6815人。ジョギングだけで達成してしまう人がいる一方、ロング走やスピード練習をして走り込んでいるのに、届かないランナーもいます。そんな「努力しているのにサブフォーができないランナー」がどうすれば4時間を切ることができるのかを、専門家やコーチの協力のもと解決します。

特別寄稿
マラソンの「30kmの壁」の正体 「エネルギー枯渇説」よりも「脳がかけるブレーキ説」

フルマラソンを走るランナーであればほとんど誰もが聞いたことのある言葉であろう『30kmの壁』について、内科医でサブスリーランナーの北原拓也先生がYahoo!ニュースでそのメカニズムをまとめた記事を発表し、大きな反響がありました。それを受け、本誌では北原先生にさらに詳しく加筆をしていただいた記事を掲載します。

走って輝く人生100年時代
91歳の現役ランナーが語る「マラソンは究極の人生の目的」

2023年度全日本マラソンランキングの最高齢ランナーである北畑耕一さん(91歳)は伊藤忠商事を経て外資系日本法人の代表を歴任、退職後に74歳で走り始め、これまでにフルマラソンを32回完走。2024年は国内外で3つのフルマラソンを完走しました。
90歳を過ぎてもフルマラソンを走り続ける活力の源を探りに、編集部が北畑さんのある一日に密着しました。



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