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大迫傑が語った「2015年、英語を喋れない状態で渡米しました」 

2021年8月04日

2020年の東京マラソンで2時間5分29秒の日本記録

2020年の東京マラソンで2時間5分29秒の日本記録


いよいよ東京オリンピックも終盤、8月7日(土)に女子マラソン、8日(日)に男子マラソンが開催されます(両日ともに朝7時スタート)。過去に2回日本記録を樹立し、今回のオリンピックでの引退を表明している大迫傑選手(30歳)は2019年9月に開催されたオリンピック選考レースMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)の前にランナーズ本誌のインタビューに応じてくれました。その中に大迫選手の強さが伝わる言葉が多数ありましたので、当時の記事(2019年10月号)を一部編集して再録。日本勢の「快走」を期待しています!


―2015年にアメリカに拠点を移してからを振り返ってみていかがでしたか?
大迫選手「あっという間だったな、というのが正直なところです。ほとんど英語をしゃべれない状態で行きましたから、言葉の部分を含めて、大変なことは色々ありましたけど、それをひとつひとつクリアにしていったことは自信になりました。練習の質も上がりました。特にメダリストが多いので、トラック練習の時はすごくスピードが速いです。」
―言葉の壁が問題になる等、日本を離れることがリスクと思ったことはなかったですか?
大迫選手「もちろんストレスはあるかもしれないと思っていましたが、それを考えていたら何も挑戦できないので、とりあえず行ってみよう、という感じでした。日本で活躍する選手もいて、人それぞれのやり方があるわけですが、僕の中では日本に残るほうがリスクでした。周りに意識の高い選手がたくさんいるわけではなかったですし、集団の中に埋もれることのほうが怖かったです。」
―日本にいる時とトレーニングには違いがありますか?
大迫選手「大きな差はないのですけど、目標に対してどうやって(身体を)作っていくのかという部分は違うかな、と思います。日本の場合は大会が多くて、時にどの大会が自分にとってのメインか分からなくなってしまうこともあるんですけど、アメリカの場合はより目標を持ちやすい。大体半年ごとに『次はこれを目指す』と決めています。」
―それによる変化は?
大迫選手「休む時はしっかり休むようになったので、逆に集中する時は集中できるようになりました。(練習の)内容は意外と単調な練習が多いんです。泥臭いというか。ただ、身体の状態は常に変わるので、たとえば『今日はリズムを意識して走ろうか』とか『今日は肩が張っているから肩を上げずに頑張ろうか』とかを考え、練習が終わって『次はこうしてみよう』と。その繰り返しです。1、2年で見た時には大きな変化をしたかは分からないですけど、もうちょっと長い目で見た時に何か変わっているのかなとは思います。」


一昨年のMGC(大観衆が懐かしい……)

一昨年のMGC(大観衆が懐かしい……)


2016年のリオ五輪にはトラック種目で出場。マラソンデビューは2017年4月のボストンで、2時間10分28秒で3位に入った。

―「30kmの壁」という言葉もあるように、30km以降に大きな失速をしていく選手が多いですが、大迫選手は途中棄権した今年の東京マラソンを除いて、大きな失速がありません。
大迫選手「たとえば1万m走る時にオーバーペースで8000m走ったら残り2000mで(ペースが)上がらないのと一緒で、壁というより、ただ単にオーバーペースになっているのではないかと思います。数年前までのレースはキロ3分でいってタイムが2時間9~10分の選手が多かった。キロ3分1~2秒で行っていれば結果は変わったはずです。皆が良くなかったから『大きな理由がある』と勝手に思ってしまったのではないでしょうか」
―近年、日本のマラソン勢の記録が上がってきていることをどう捉えていますか?
大迫選手「最初に短距離が盛り上がっていたと思うんですけど、それに負けないくらい、マラソン界が盛り上がっていることがすごく嬉しいです。この前も陸上選手が『憧れの職業』にランクインしていましたけど、子どもたちに希望を与えられる職業になりつつあるのかなと。『大迫選手が頑張っているのだから自分も頑張りたい』と一瞬でも目標にしてくれればと思います」
―瀬古さんは現役時代「ライバルの存在が大きかった」とお話されていましたが、他の選手の結果やトレーニングは気にしますか?
大迫選手「SNSを眺めたりはしますけど、情報として捉えているだけです。情報が多すぎる時代の中で、(他人の)美味しいところだけを取ったのでは絶対強くなれないので、僕自身がそれで何かを変えるということはないですね」
―レース前に展開を何パターンか想定するのですか?
大迫選手「パターンというか全てに対応できるような準備ですね。こう来たらこうする、ではなくて常に一呼吸おいて行ける(対応できる)ような。42.195kmの中で、最終的に勝てばよいわけですし、自分の決断には自信をもっているので」


一昨年のMGC 

一昨年のMGC


本インタビューは月刊ランナーズ2019年11月号の記事を一部編集して再録。ランナーズ+メンバーズに入会いただくと過去10年分の記事が全てデジタル版で読み放題です。お申込みはこちらから


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