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コロナ禍の芸人ランナー「収入は10分の1に……」
高校時代は「全国高校駅伝」に出場。コロナに負けず、鉢巻に刺繍された「電光石火」のごとく活躍できるか? |
吉本興業所属のお笑い芸人「げんき~ず」宇野けんたろうです。コロナ禍での一年をリアルに語ります。
お笑い芸人としてランナーとして毎日戦い続け、今に至るまで地道に活動をしてきました。芸人の仕事が増えて、走りの調子も上がり「東京マラソン2020」では、ベスト記録の更新を狙っていました。しかしそんな自分の気持ちは全て打ち砕かれました。
「新型コロナウィルス」
今までに聞いたことのないものに、全ての歯車を狂わされました。「お笑い公演全中止」「イベント中止」「マラソン大会中止」「番組ロケも全てバラシ」。先の見えない生活で目の前が真っ暗になりました。収入は10分の1まで下がり、自分はこんなにも弱いものなのかと痛感させられました。
ようやく掴んだ、お笑い芸人にとっての一番の目標である「芸でご飯を食べていく」が、一気に崩れていったのです。
妻と娘のためにも気合いを入れた毎日を送らなければならない。でも仕事が全くないからどうしようもない。家にいると頭がおかしくなりそうな毎日……。アルバイトを始めました。「高齢者へのお弁当配達」「回転寿司、焼き鳥屋、実家の割烹料理屋」。アルバイトをしている時に自分はこれでいいのか? お笑いをして走ることが仕事じゃないのか? 俺のステージはここじゃないだろ? 何百回思ったことか分かりません。決してこのバイトが嫌だからではない。このご時世に働けるだけで本当にありがたい。一時は走ることができないくらいに追い込まれていました……。だけど、やっぱり走ろう、ここで辞めたら本当に終わってしまう。
朝5時に走ってからバイトを一日何軒も掛け持ちしました。大変だけど、やっぱり走るのはいいなとしみじみ感じました。ある日バイト終わりに銭湯に行きました。
以前は時間があれば銭湯によく行っていたけど、この1年間は、そんなリラックスする余裕もありませんでした。久しぶりの銭湯は最高でした。「整う」ってこれなんだな。
走ってから銭湯に入ったらいいな。あれ? 銭湯ラン!? もしかしてこれはいいかもしれない!! すぐさま行きつけの銭湯「黄金湯(東京都墨田区)」に提案して、開催できることが決定しました。だがそんなに甘くはありません。
「緊急事態宣言」
これに悩まされました。延期、延期、延期の繰り返しでため息しか出ませんでした。だけど2回目の緊急事態宣言が解除された4月17日にやっと「黄金湯銭湯ラン(参加料2500円)」が開催できました。当日は「こんな状況だけど開催してくれてありがとう」の言葉を聞きました。厳しい環境だけどやって良かった。とにかく前に進まないと始まらない。もがいて頑張っていれば、必ず報われる。だって高校を卒業して芸人になってから何年も、芸だけで飯を食うことはできず、アルバイトをしながら暮らしていたじゃないか。銭湯ランはこれからのスタートのきっかけです。俺はまだ終わってない。
お笑い芸人になってからの宇野さん(写真/小野口健太) |
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練習変えずにフルが5分速くなる(?)
「ランナーよ、ピッチを上げろ!」
1月の大阪国際女子マラソンで日本人トップの2位に入り、世界陸上の日本代表に選出された小林香菜選手は1分間のピッチ数が220以上。取材を行うと、「ピッチを上げる」ことは市民ランナーがタイムを上げるのに適した方法でした。特に中高年ランナーの皆さんはピッチ増によるタイム短縮の可能性大! 速くなりたいランナー必読です。
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早大のランニングサークル「早稲田ホノルルマラソン完走会」出身、卒業後1年で9月の世界陸上マラソン日本代表まで駆け上がった小林香菜選手と、今年の箱根駅伝2区を日本人最高記録で走破、創価大を卒業した今春から実業団サンベルクスと契約を結びプロランナーとして活動を開始した吉田響選手にそれぞれインタビューしました。
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