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ランナーズonline Premiun

工夫次第で記録は伸びる! 50代以降ランナーの春夏秋冬トレーニング計画

2026年10月20日

※本記事は『ランナーズ2024年5月号』掲載内容になります。(全2ページ/1ページ目)

本特集の計画は1〜3月にフルマラソンを走り、今年秋冬のフルで記録更新を狙うランナーを対象としています。


目標のフルマラソンが終わり、秋のレースまで一息つこうとしている50代以降の皆様、ちょっと待ってください! もちろん休養は大切ですが、若者に比べて身体の変化が激しい50代以降で走力を維持・向上させるためには「休みすぎない」ことが大切なんです 。「じゃあ春から何をすればいいの?」 そんな疑問に答えるため、本企画では、50代以降のランナーが季節ごとにすべき練習メニューとその理由を紹介します。加齢に克ちたい全ランナー必読です。

炎を纏って走るランナーのイラスト

イラスト/hoco


50代以降に記録を伸ばすためのポイント

  • ① 心肺機能
    • 加齢によって最大酸素摂取量は年々低下していくが、高強度トレーニングをしているランナーはその落ち込みが少ないというデータがある。
  • ② 脂質代謝能力
    • マラソンで重要な脂質代謝能力(脂肪をエネルギーにする力)は年齢に関わらず高められる。50代以降に記録を出すならここを伸ばすのは必須!
  • ③ 脚筋力
    • 50代からは筋肉(特に速筋繊維)が萎縮してくる 。何もしないと故障が増えたりスピードが出なくなるため、筋力アップは常に意識する必要がある 。


教えて、鍋倉先生 「春夏秋冬ランニングを楽しみ筋力と脂質代謝能力を向上」


2024年は3時間30分切りを目標にしている五十路走さん(いそじかける・52歳)が、筑波大学の鍋倉賢治先生(60歳)に50代以降のトレーニングのポイントを尋ねました。


1年間のパフォーマンスの流れイメージ


五十路 今年は目標のサブフォーができました。次は1年かけて3時間30分切りを狙いますが、我々50代以降のランナーは春や夏も休みすぎない方がいいというのは本当ですか?

鍋倉 本当です。50代以降はただでさえ筋肉(特に速筋繊維)が萎縮してくる年代なので、長期間休むと筋肉の衰えが大きくなって走力も低下してしまうのです。トレーニングの効果は若い時より出にくいというデータもあり、一旦落ちた走力を上げるには若者の何倍もの労力が必要です。自己記録を更新したい、短い距離も全力で走りたい、という目標や夢があれば、長期間休まずに筋の萎縮を抑えることが重要です。

五十路 そう聞くと、50代でタイムを伸ばすのはかなり難しそうですが……。

鍋倉 30代や40代より難易度は高いですが、フルマラソンに限って言えば不可能ではありません。筋力や心肺機能をなるべく維持し、50代でも伸ばせる脂質代謝能力(脂肪をエネルギーにする力)を高めるトレーニングをするなど、工夫を重ねれば十分タイムは更新できますよ 。

五十路 とはいえ、フルマラソン直後はある程度休みたいのですが、どのぐらいで走り出すのがお勧めでしょうか?

鍋倉 休養は1〜2週間程度なら問題はないのではないでしょうか。ただ、1カ月走らないとなると50代ではかなりの筋力・走力低下になってしまいます。故障で1、2カ月休んでも取り戻すのに時間がかかるので、故障予防も常に気をつけたいですね。僕自身も10年前にアキレス腱痛で3年休んだら、走力の衰えが顕著になりました。


春は10Kやウルトラで新しい刺激を入れる


五十路 これから1年の計画を立てたいのですが、春はどんなトレーニングがお勧めですか?

鍋倉 冬のマラソンで心身の疲れが残っている人も多いでしょうから、走る習慣を維持しつつ、脂質代謝能力を高めるためにマラニックなど楽しく長く走る練習を時々取り入れるといいでしょう 。10Kやウルトラマラソンといったレースを走るのもお勧めです。50代は同じトレーニングをしているだけだと走力維持は難しいので、新しい刺激を入れることも大切なのです。

五十路 今年は週1〜2回通勤ランにチャレンジします。そのために新しいバッグを買ったので楽しみです(笑)。6月のサロマ湖100㎞にもエントリーしているのでその練習で行うマラニックでも使えるかな。あと、私は左脚ばかり疲れてしまうので、身体のゆがみをなくすストレッチをしたいと思います。

鍋倉 それはいいですね。「筋力強化」も1年を通じて意識してほしいので筋トレも導入したいところです。


早朝ランやトレランで夏場も練習量キープ


五十路 毎年夏は暑さでやる気が削がれるのですが、どうすればよいでしょう?

鍋倉 涼しい時間や場所で練習を継続することが大切です。早朝、もしくは夜に走ったり、ジムや山で走ったりするのがいいでしょう。距離を増やさない代わりに筋肉に負荷をかけるダッシュやバイクトレもありです。

五十路 朝ランやトレランで脂質代謝能力を高めつつ、坂ダッシュをして筋力アップを狙うのが良さそうですね。

鍋倉 この時期に一定のパフォーマンスをキープしておけば、秋に実戦的なマラソン練習を始めやすいです。平日にあまり走れない人は週末に避暑地でミニ合宿をしてみましょう。


峠走やガチユル走に挑戦したい秋


五十路 秋はフルマラソンを意識したシーズンですね 。2023年のランナーズ4月号で50代のサブスリーYouTuberガチオさんがお勧めしていた峠走を実施して鍛えたいと思います 。

鍋倉 峠走は脚筋力を効率的に鍛えられるので、筋肉が萎縮していく50代以降には特に効果的だと思います。本番の2カ月程度前からはガチユル走も取り入れてほしいですね。ガチのダッシュで故障が怖い方は筋トレやバイクトレをしてからジョギングする方法でもOKなので、中高年が脂質代謝能力を高めやすいトレーニングです。

五十路 本命のフル以外にもレースは出た方が良いですか?

鍋倉 もちろんです。筋力低下の影響もあって1人で行うトレーニングではなかなか追い込めなくなってくるので、月1回程度ハーフなどに出場して心肺機能や脚筋力に負荷をかけることが有効です。これは秋だけではなく、冬にも言えることです。


冬はロング走で鍛えつつストレッチで故障予防


五十路 なるほど。レースは継続して参加します。それから、冬は若いランナーもいそうなロング走の練習会に参加予定です。1人よりやりやすいのと、弓削田さんの記録を更新したジェニー・ヒッチングスさんが言っていたように「若者と走ると加齢に打ち克つ力がもらえる」と思っているからです。

鍋倉 実戦的な練習が増える分、ケアにも注力してください。そして、くどいようですが、筋トレも忘れずに!

五十路 はい。冬は股関節のストレッチをして万全の状態で走り込みたいと思います。疲れている時は30㎞走ではなく中田崇志コーチが推奨していた2日連続LSDにするなど、強いダメージを入れすぎないようにします。また、ランジウォークをしてストライドを少しでも広げていきたいです。

鍋倉 頑張ってください!


季節別・50代以降ランナーのお勧めトレーニング!

50代以降ランナーのお勧めトレーニングを季節ごとに紹介、ぜひ実践してください!



走りを楽しむ春

走りを楽しむ春


年明けフルマラソンを走った方は心身を回復させつつ、次のシーズンに向けての準備を開始 。また、50代以降ランナーが自己ベストを出すための鍵となる「脂質代謝能力」は長期間の練習継続が重要になるため、春はウルトラマラソンやマラニックなどで、走ることを楽しみながら距離を踏もう。


  • 通勤ラン【週1〜2回】
    • 距離を踏むのに最適なトレーニング。新年度に心機一転、開始してみよう。荷物にペットボトルなどの重りを追加すれば筋トレ効果も得られる。職場が遠い人は途中の駅まで電車を利用するのもよい。帰宅時に寄り道をすれば、ロング走にもなる。

  • ウルトラマラソン出場もお勧め!?【春〜夏に1回】
    • 50〜100kmのウルトラマラソンに出場することもマラニックと同様に脂肪をエネルギーにする力を高められる。もちろんレースに向けて走り込みやロング走を行うことになるので、練習量を確保できるという効果もある。目標は「完走」でOK。チャレンジ精神のある人はぜひ!!

  • マラニック【1〜2カ月に1回】
    • 走ることを楽しみながら、脂肪をエネルギーにする力が高められる。パン屋を探したり、観光スポットを巡ってみるのもお勧め。チャレンジ精神溢れる人は春のうちに一度でいいので42km以上のマラニックをするとメンタル面や脚筋に「限界を乗り越えるため」の刺激を与えられるかも。

  • ゆがみをとる肩ぐるぐる【走る前に毎回】
    • 50代を超えると身体のバランスが崩れ、歪みがち。その対策として有効なのが普段から姿勢に気をつけたり、ストレッチを行うこと。日常では足を組まない、両手足をなるべく均等に使うことなどを意識しよう。ランニング前に肩をぐるぐる回し、肩甲骨周辺の筋肉をほぐす習慣をつけることもポイント。

ゆがみをとる肩ぐるぐる


  • 通勤筋トレ【毎日】
    • 何かと忙しい50代ランナーは通勤も活用して課題である筋力トレーニングに取り組みたい。「階段を一段飛ばしで上ってももやお尻を鍛える」「電車内でドローインをして腹筋に刺激」「電車やバスの待ち時間に片足立ちでバランス強化」など、隙間時間を利用して鍛えることを、年度始まりに習慣化してしまおう。

  • 10K レース出場【1〜2カ月に1回】
    • 10Kレースは他のランナーと競い合うことで自然と脚や心肺機能に負荷をかけられる。走っている最中はもちろん苦しいが、自分が想像していた以上のタイムが出せればモチベーションアップにもつながる。スピードを出す爽快感やフルやハーフとは異なったレース後の充実感が味わえる。








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