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ランナーズonline Premiun

53kmレースを完走する88歳 「大会出場は自分自身へのご褒美です」

2026年10月19日

※本記事は『ランナーズ2026年11月号』掲載内容になります。(全1ページ/1ページ目)

自宅近くの青葉公園(千歳市)を走る木滑さん

自宅近くの青葉公園(千歳市)を走る木滑さん


走って輝く人生100年時代
木滑康雄さん(北海道・88歳)

走歴50年を数える木滑さんは今年6月に利尻島一周悠遊覧人G(53.67km)を9時間1分59秒で完走。100歳まで健康で走り続けることを目標に、朝3時起床のランニングと週5回の筋トレを日課にしている。

文/市村まや 写真/釜石由起


「いまはキロ8〜10分、早歩きのようなペースで走っています。100歳まで健康で過ごすことを一番の目標にしているので、身体に負担のないペース設定を心がけています」
走歴50年の木滑康雄さん(88歳)は、今年6月の利尻島一周悠遊覧人G(53.67km)を9時間1分59秒で完走した。月間走行距離は約200kmで、朝3時に起床し、自宅近くの千歳市青葉公園(1周3.61km)を2周走る。走り終えた後は朝6時に朝食をとる。和食が定番で、普段の食事で揚げ物は極力口にしない。

「野菜でも魚でも、新鮮なものを生で食べる。これが長生きの秘訣だと思っています。食卓には、抗酸化作用が高いとされる自家栽培のアロニア(※)の実も欠かしません」


午後は千歳市のスポーツセンターに週5回程度通い、1時間半ほど筋トレに励む。マシンを使い、腰や太ももといった下半身を中心に鍛える。
「60歳を過ぎて故障して走ることをやめてしまった仲間も多いです。ただ走るだけでは筋力が衰えて脚の痛みも出やすくなる。筋トレをすることで、長く走れる身体がつくれます」
1938年に千歳市で生まれた木滑さんは、幼少期は虚弱体質で、小学校低学年までは姉に背負われて登校していたという。中学卒業後は道内有数の進学校である札幌南高校へ。その後地元の農協に就職し、38歳から走り始めた。

「昼は仕事、夜は付き合いで酒。これではいずれ身体を壊してしまうと思い、朝走るようになりました。当時も朝3時に起きて、30分〜1時間走っていました」
走り出して4年後の42歳で初マラソンに出場し、4時間30分で完走。フルマラソンの自己ベストは、45歳のときに地元の千歳国際マラソンでマークした3時間24分。現在も年間15本前後、レースに出場する。

「サブスリーを目指した時期もあったけれど、爪をやられてひざも故障してね。60歳ぐらいからは、記録ではなく健康のためのマラソンに切り替えました」
定年後は退職金を投じ、農業生産法人を設立。東洋一の規模を誇るガラス温室でのトマト栽培事業や、外国人技能実習生の受け入れ支援事業などを手掛けた。現在も知人から農地開発や農業の相談を受けている。
22年から4回参加している利尻島一周悠遊覧人Gでは観光を楽しむ。

「利尻島は、島の皆さんが本当に温かく迎えてくれる大会です。同じ北海道でも景観が変わって、毎年走るのを楽しみにしています。この年になると、レースに出場すること、目標へ挑戦できること自体が、自分へのご褒美だと思っています。走ることは、健康に生きるための手段。健康であれば、人に幸せを与えられます。100歳までかっこよく走り続けたいですね」

※北米原産のバラ科の果実。ポリフェノールが豊富に含まれる。



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