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【金哲彦のランニング談義】マラソンのピーキングは108日「勝負は6〜3週間前の実戦練習期」
※本記事は『ランナーズ2026年11月号』掲載内容になります。(全1ページ/1ページ目)
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昨年新コースとなったつくばマラソン(写真/小野口健太) |
秋のシーズンが近づいてきたので「ピーキング」について触れておきたい。ピーキングとはトレーニング計画を作成する際、骨格を作る基本概念で、目標レースに最高の状態でスタートラインに立つための方法である。自己記録更新を目指すランナーにとっては不可欠と言ってもいいし、月刊ランナーズの熱心な読者ならすでに実践しているかもしれない。
走り込みが十分にできていても調整で失敗して本番レースで思うような結果が出せない失敗は誰しもある。しかし、厳格なピーキングを実施すればほぼ失敗はない(筆者が失敗した、ケガを抱えたまま走ることや心拍数を上げすぎるなどのミスがなければの話だが……)。
筆者は11月22日のつくばマラソンでの還暦サブスリー再々チャレンジに向けて今まさにピーキングの最中である。せっかくなので、基本概念を具体的に記しておく。
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※ランナーズ11月号に掲載した金さんのピーキングカレンダーの2次元コードが誤ったものになっていました。お詫びいたします。正しい内容はこちらからご覧いただけます。
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金さんのピーキングカレンダー▼
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きん・てつひこ
プロランニングコーチ。「還暦サブスリーチャレンジ」の過程を自身のYouTubeで配信中
ピーキングはまず表計算アプリでカレンダーを作ることから始まる。筆者は9列×36行のフォーマットをグーグルドライブに保管している。(ページ下の2次元コードから閲覧可能)
列は左から日付、トレーニング内容、トレーニング時期が分かるように色分けしている。つまり、36×3=108日、3カ月と少しのトレーニング内容が俯瞰できるのだ。最後のセルにつくばマラソンの11月22日を入力すると、上のセルには一日減らした日付が自動計算で入るようにしている。
そして、ピーキングの重要なポイントは目標レースから逆算して次に列記したような「何をやるべき時期」なのかを3列目に明記することだ。
▽レース前の2週間=「調整期」
▽3〜2週までの1週間=「回復期」
▽6〜3週まで3週間=「実戦練習期」
▽7〜6週までの1週間=「回復期」
▽10〜7週まで3週間=「走り込み期」
▽11〜10週までの1週間=「回復期」
▽14〜11週までの3週間=「導入期」
次に、すでに決まっている出張などの仕事やエントリーしているレースをカレンダーに埋めることである。プロのアスリートならスケジュールのすべてをトレーニング優先にできるが、普通の社会人には仕事がある。トレーニング内容を微調整するためにも前もってきついトレーニングができそうにない日程を把握しておくのだ。
筆者が考えるピーキングの基本概念は、3週間きつい練習を継続すると疲労困憊になる。その後1週間の回復期を経ることで超回復するという運動生理学の考え方がもとになっている。そして、目標レースのタイムは「実戦練習期」の質と量でほぼ決まると言っても過言ではない。導入期や走り込み期は、実戦練習期に充実したトレーニングを行うための準備期間なのである。
ピーキング理論は残り1カ月くらいで説明される場合も多いが、それでは少し短いのではないかと筆者は考える。108日は長いようであるが、実際にやってみるとあっという間である。俯瞰してみると良いタイムとトレーニングの因果関係は数日前ではなく数週間あるいは2カ月くらい前に行った練習の成果だということがよく分かる。
筆者は9月半ばから2カ月前の「走り込み期」に入る。7月と8月にはそれぞれ400㎞以上走ったので身体は絞れている。9月の後半はアジア大会の解説業務で長期出張が入っているが、名城公園などで30㎞走などを行うつもりだ。そして、ゲストランナーとして走らせていただく9月末のオホーツク網走マラソンでは、42㎞をしっかり身体に刻み込ませようと思う。
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