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美味、北の街 ~札幌マラソン編 DAY1~
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照義、58歳、男。日課の早朝ランも、レース参加も基本は独り。誰にも気を遣わず、自分のためだけに贅沢な1泊2日を組み立てる。前日は名所を歩き、名物で腹を整える(走る前なので節度はある)。大会当日はマイペースで走り切り、ゴール後はグループ参加の乾杯を横目にレース後の身体を静かにいたわる。速さも順位も関係ない(はずだった)。走る、旅する、食べる―それを真剣に楽しむだけだ。
「孤独のグルメ」的ハーフマラソン旅、待ちに待った久しぶりのレース。今回の目的地は、札幌。
ジャパンプレミアハーフ第5戦は札幌マラソン。
せっかくの北海道なので、札幌以外も楽しみたい。
ということで、大会前日は電車で40分ほどの小樽へ向かうことにした。
最初の目的地は、小樽運河近くの海鮮丼の店。
目の前に現れた丼には、北海道の海の幸が、今にもこぼれ落ちそうなほど乗っている。どこから箸をつけるか迷うほどだ。
まずは中トロにわさびを乗せ、しょう油につけて食べてみる。
脂がのっていて旨い。次はサーモン、そしてイクラ、ホタテ、ウニ、イクラ……
旅はまだ始まったばかりだというのに、いきなり至福の時間が始まってしまった。
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なんというオールスターの布陣 |
お腹も心も満たされて、賑やかな堺町通りを歩く。
途中、にわか雨が降ってきたので、雨宿りを兼ねて北一ホールへ。
ここは明治時代の倉庫を改装した有名な喫茶店。広い店内を無数の石油ランプが照らしている。
さっき海鮮丼を食べたことは忘れ、シフォンケーキセットを注文。コーヒー一杯のつもりが、生クリームの乗ったおいしそうな写真を見て、頼まずにはいられなかった。
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この日のメインに考えていた「小樽運河クルーズ」は、16時出航の予約が取れていた。
海外からの観光客にも人気のクルーズで、私が乗った便も満席。
船内を見渡してみると、どうやらひとりで乗っているのは私だけらしい。
もちろん、そんなことは気にしない。
船を操縦しながらガイドも務めるのは、ニュージーランド出身で小樽に10年住んでいるという男性。外国人特有のアクセントの日本語で、一生懸命に案内してくれる。
聞き取るのに少々集中力が必要だが、流暢なガイドより記憶に残りそう。
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クルーズのボート上から。ガイドさんの説明とともにゆっくりと進んだ |
水面に近い高さから古い倉庫、遠くの山並み、くぐり抜けていく橋が見える。
北運河に入ると、景色はさらに静かになった。
昔の面影を残す建物が水辺に並び、その川面をカモが連なって泳いでいる。時折、鳥が水面からふわりと飛び立つ。夕暮れが近づいていた。
船を下りると再び天候が怪しくなってきた。
予定していた天狗山は断念し、札幌へ移動することに。
夕食はジンギスカンの名店へ。カウンター席が多く、「おひとりさまセット」まで用意されている、「孤独」に優しいお店だ。
メニューを開くと、「サッポロクラシック生」の文字が目に飛び込む。
でも、明日はレースだ。我慢しよう。
いや、ジンギスカンにビール。
北海道まで来てこの組み合わせを我慢するのか?
そんな逡巡もつかの間。気がつけば、ジョッキを片手にラム肉を焼いていた。
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海鮮丼、ケーキセット、運河クルーズ、そしてジンギスカン。
満足感に包まれて、寒空の街をホテルへ向かって歩いた。
美味しそうにもほどがある、北の国の旅ラン。DAY2へ続く。
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