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ランナーズonline

変わり始めた厚底シューズの常識①

2026年8月28日

※本記事は『ランナーズ2026年10月号』掲載内容になります。

「走りたい」気持ちを駆り立てる
変わり始めた厚底シューズの常識

マスクを装着してランニングマシンを走る近藤雄二記者

「マラソン2時間切り」を掲げて2017年にナイキが初めて発売した厚底カーボンシューズは近年、速いランナーだけの『特別な存在』ではなくなってきています。本特集では幅広いランナーに厚底カーボンを勧める識者や愛用するランナーを取り上げます。

文/岩谷隆志、三河賢文
写真/軍記ひろし
協力/スーパースポーツゼビオ東京御茶ノ水本店



70代や4時間台でも厚底カーボンシューズ着用中
「初めてはいた時の推進力に感動」


「推進力が全然違うので、初めてはいた時は『オーッ』と感動しました」
昨年3月の板橋Cityマラソンで4時間45分20秒と、7年ぶりにフルマラソンを完走した山本英治さん(60歳)。フル再挑戦にあたってはカーボンプレートを搭載した厚底レーシングシューズ(以下、厚底カーボン)を初めて購入した。かつてはフルマラソンを走るたびにひざを痛め、1週間ほど走れなくなる繰り返しだったという。

「厚底カーボンを使うようになってからはマラソン後の脚の痛みも少なくなりました。以前はフルに対してちょっと覚悟が必要でしたが、厚底カーボンをはいてからは『もっと走りたいな』と心理的なハードルが下がりました」(山本さん)

2024年に本誌が行ったアンケートでは、サブフォーランナーの72%がレースで厚底カーボンを使用すると回答した。24年度の全日本マラソンランキングでも、70歳以上で年代別1位だったランナーの複数名が厚底カーボンを愛用していた。スーパースポーツゼビオ東京御茶ノ水本店の小笠原槙治さん(41歳)も「フルマラソンで4時間を切ると厚底カーボンを買いたいというランナーが一気に多くなります」と話す。

今はサブスリーを目指している竹下裕真さん(42歳)は、自己ベストが3時間43分25秒だった2年前に厚底カーボンを購入した。「3時間半を切るなら厚底がいいと言われて買ったら、軽さにびっくりしました。意外とすんなりはけたので、興味のある人ははいてみればいいと思います。速く走れるだけでなく、クッション性が高いのもいい」とその魅力を語る。


ゆっくりランナーでも効率よく走れる

厚底カーボンはもともと「人類初のフルマラソン2時間切りプロジェクト」のためにナイキが開発したものだ。2017年の発売当初は「上級者向け」と言われたが、その認識は変わりつつあるのかもしれない。
8月のある日、都内で行われた「マラソン完走クラブ」の練習会を訪ねると、参加者約20人のうち半数が厚底カーボンをはいていた。年齢層は主に40代から60代。この日のメニューはキロ6分から7分での21km走で、参加者は会話をしながらランニングを楽しんでいた。

練習会を主宰する中田崇志さん(46歳)は「私は幅広いランナーに厚底カーボンをお勧めしています」と語る。
「厚底カーボンは普通のシューズよりも速く、長く走れるようになるので、『もっと走りたいな』というポジティブな思考になり、ランニングを習慣化できます。『脚が勝手に進むから楽しい』という声もよく聞きます。今は初心者でも使いやすい厚底カーボンも増えています。古くなったらジョギング用にすれば長持ちしますし、使わない手はないですね」

かつてはトップランナーに向けてつくられた厚底カーボンは、今では走力を問わず、多くの市民ランナーが選ぶシューズとなりつつあるのかもしれない。


さまざまな厚底カーボンシューズ

さまざまな厚底カーボンシューズが登場している


アンケート結果図

本誌調査ではサブフォーランナーの72%が厚底カーボンシューズを着用

厚底カーボン 72%
その他 28%
サブフォーランナーへのアンケート結果(有効回答数153人/2024年)


2024年度全日本マラソンランキング
70代以上の年代別1位ランナーも厚底カーボンシューズ!

72歳1位 | 3時間15分59秒 | 大石嘉昭さん | ヴェイパーフライ
75歳1位 | 3時間34分41秒 | 岩佐保男さん | マジックスピード
76歳1位 | 3時間26分17秒 | 外薗幸一さん | ヴェイパーフライ
84歳1位 | 4時間45分19秒 | 平田達雄さん | メタスピードスカイ
※1位ランナーへのアンケート回答より




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