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【連載:バックヤードウルトラ⑮】サポートクルーって? 極限に挑むランナーたちは何を欲し、サポートは何ができるのか?

2026年9月01日

2026年8月オーストラリアのClint Eastwood Last One Standingに挑んだ日本チーム(両外側2名がサポートクルー) 写真/水野倫太郎

2026年8月オーストラリアのClint Eastwood Last One Standingに挑んだ日本チーム(両外側2名がサポートクルー) 写真/水野倫太郎


「1時間で6.7km走る」ことを身体の限界まで繰り返す、バックヤードウルトラという競技をご存知でしょうか。近年国内外ウルトラランナーの間で人気が高まりつつあります。この競技に魅せられて脱サラ、大会に参加するだけでなく自身でも大会を企画、さらには普及活動も行っている水野倫太郎さんがその魅力について綴る連載です。


バックヤードウルトラは、ランナーだけで成り立つスポーツではありません。もちろん、大会運営者やボランティアスタッフも欠かせません。しかし、最も特徴的なのは、サポートクルーという存在です。ランナーが長時間走り続けるために手助けをする役割。F1のレーシングドライバーとピットクルーのように、コースを走り続ける選手とスタート/フィニッシュエリアで待機するサポートクルーは、チームとして動きます。

「なぜバックヤードにはサポートクルーが必要なのか?」「選手たちはどんなことをしてほしがるのか?」「そもそもサポートクルーって何ができる?」などなど。今回は、サポートクルーのお話です。

2026年8月中旬、日本は真夏の盛りを迎える中、私は、オーストラリア・ブリスベンの地に降り立ちました。季節は、日本とは真逆の冬。とはいえ最高気温は22℃、最低気温は10℃と秋のような過ごしやすさです。

今回は、オーストラリアで開催されるバックヤードウルトラ「Clint Eastwood Last One Standing」に出場する4名の日本人選手に、サポートクルーとして帯同する形でした。
バックヤードウルトラと切っても切り離せない “サポートクルー”。実は、私は初挑戦! これまで選手としてバックヤードウルトラを走り続けてきましたが、新たな角度でこの競技と向き合うことになりました。

サポートクルー入門編として、改めて、基本的なことを確認してみましょう。
バックヤードウルトラを統括するアメリカの創始者Lazarus Lake氏が公表しているルールには、サポートクルーに関する明確な記載はありません。
記載があるのは、「コース上では個人的なサポートは禁止されている」ということ。裏を返せば、選手がコースから戻ってきて、次の00分に再スタートを切るまでは、サポート可能ということです。

バックヤードウルトラは、競技中に、走るだけではなく衣食住を伴います。走り続けるためには、エネルギーや水分を継続的にとらないといけません。いわゆるスポーツ用のジェルを摂取することもありますが、普通の食事を好む選手も少なくありません。休憩場所として、多くの選手は、自前のテントを設営し、仮の “家” として競技中の生活を送ります。6.7kmを走り終えて、時間の許す限りですが仮眠もとります。競技の合間にウェアを着替えたり、気温や天気の変化によって、服装を調整したりもします。場合によっては、サポートクルーが選手の使用したウェアを手洗いで洗濯をして干して、再度使用することも。

バックヤードウルトラはあらゆるランニング競技の中で、圧倒的に行動の選択肢が多いです。そのため、テントには大量の荷物を持ち込み、その都度、必要なものを選んだり、食べるものを調理したり、到底、選手一人では対応しきれないことが求められます。

サポートクルーの役割は、バックヤードを走るランナーたちの身の回りのお世話をし、選手たちが走り続けるためのサポートすること。
ぼんやりと全体像は見えてきたかと思いますが、より具体的に、テントの中で(ときには外で)どんなことが巻き起こっているのか。8月のオーストラリア遠征を題材に、次回、詳しくお伝えします。



<プロフィール>
みずの・みちたろう
プロウルトラランナー。1995年生まれ。神奈川県秦野市在住。バックヤードウルトラを主戦場に、2024年、2025年、日本代表として世界選手権に出場。自己ベストは 94LAP/約630km。
活動の軸は、走ること・伝えること・つくること。『走るはつなぐ』『共走』をテーマに、「丹沢ループス」「バックヤードウルトラ神奈川大会」等のイベント企画やバックヤードウルトラのドキュメンタリー上映会・ポッドキャスト配信にも精力的に取り組む。2026年は海外バックヤードを転戦中。
(写真/野田倖史郎)



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