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「40歳以上の初サブスリー達成術」登場の青嶋和夫さん(65歳) ニューヨークで年代別世界2位!
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連載「40歳以上の初サブスリー達成術」に登場した青嶋和夫さん(65歳)が、11月2日のニューヨーク・シティマラソンで開催された「アボット・ワールドマラソンメジャーズ年代別世界選手権※」において、65~69歳部門世界2位に入りました(記録は3時間3分47秒)。
目標にしていた「世界選手権上位入賞」を達成した青嶋さんに手記を綴っていただきました。
⇒ 【40歳以上の初サブスリー達成術⑧】57歳で初サブスリー、還暦後も8回達成 記録を支える30km走と3つのルール
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アップダウン対策とメンタル強化
ニューヨーク・シティマラソン(以下NYCM)のコースはアップダウンが激しくタフなコースだと聞いていたので、4月以降、朝ランをそれまでの多摩川土手のみから、一日おきに、上り坂の多いコースを追加するようにしました。
また、ある方のアドバイスに基づき、30km走の機会を増やしました。一方で、東京マラソン2025以降レースから遠ざかっていたせいか、ガーミンでのVO2 Max(最大酸素摂取量)が62から55まで下がり、夏以降は4:15/kmでの20km以上のランがきつくなっていたので、慌ててスピード練習を再開しました。
また、9月以降はスクワット、チューブを使用したトレーニング、階段の上り降り等の練習を追加して、自分自身で「Do my best」感を醸し出し、メンタル強化にも努めてみました。
レース中は〝マイルール〟を順守
今回は初めての海外レース参戦であり、年代別65-69歳グループの中で最も若く有利と思われる65歳時に結果を出したく、現在の走力では上限に近いサブスリーに拘るよりも、レース後半でのロスを少なくすることに集中しました。そのため、夏場の練習で顕著に感じていた呼吸機能の低下による心拍数の上昇が最近の失速の原因ではとの仮説をもとに、今回のレース中は、心拍数を上限160と決めて、特に後半は心拍が160を超えたらスピードをやや落とすマイルールに従って走ってみました。
結果として、30kmまではおおよそ4:15/kmのイーブンペースで走ることができましたが、30km以降はラップが4:20/kmまで下がっていました。友人のアレックスがレースの朝言ってくれた”Pain is temporary, Glory is forever”という言葉と、有森裕子さんの「つらい時には地面を見て走る」という言葉が、30km以降の心の支えになりました。
〝おしゃれな〟コース設計、沿道からは半端ない声援
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NYCMはアップダウンが激しくフラットな箇所の少ないタフなコースではありますが、NYの特長ある街並みを満喫できる素晴らしいコースだと思いました。
スタテン島からスタートし、最初に渡る68mの高低差を有するベラザノ・ナロー・ブリッジの上から左前方にマンハッタンの摩天楼のスカイラインが壮大に広がる最高の景色を、まず堪能することができました。その後、多様性とクエリエイティブの街ブルックリン、民族のるつぼであるクイーンズを北上し、クイーンズボローブリッジを渡りマンハッタンに入ると、さらに北上して、多文化が息づく街ブロンクスを通過して、今度はマンハッタンを南に下り、都会のオアシス セントラルパークでは沿道の大声援と紅葉の美しさが見事に調和してゴールを迎えるという、なんともおしゃれなコース設計だなと思いました。
運営管理上も優れたレースであり、1マイル毎の給水が全てボランティアによる手渡しで取り忘れがなく、12と14マイルには給水前にモルテンのジェルのデポがあり、ジェルを口に入れて直ぐ水を飲むことができるのはとても快適なセッティングと感じました。沿道の声援は半端ではなく、応援者数と声援のボリュームにおいて、国内最大の東京マラソンの数倍はあるのではと感じました。
3月に43年間務めた民間企業を定年退職して、退職後に一度は参加したいと思っていたこの年代別世界選手権で2位という好結果を出すことができ、アワード・セレモニーの壇上において、大型パネルに映し出された日本国旗と自分の名前を見ながら、銀メダルを受け取ることができ、人生においてこの上ない喜びでした。
本当に走っていて良かったなと思うと同時に、これからは他のメジャーズ大会を走り、今まで見たことのない景色を味わってみたいという新たな欲がでてきました(笑)。
※アボット・ワールドマラソンメジャーズ年代別予選対象大会で参加資格タイム(男女別・40歳以上・5歳刻みに設定)をクリアしたランナー、年代別ランキングで上位にランクインしたランナーが招待され(参加費や旅費は自費)、男女別・40歳以上、5歳刻みで競う。毎年ワールドマラソンメジャーズ加盟大会のいずれかの大会(加盟候補大会の場合もある)で実施される。
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