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全力を出すのは月2~3回 『東大箱根ランナー』を生んだ練習とは?
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左から近藤秀一コーチ、古川大晃選手、秋吉拓真選手 |
正月に行われた第101回箱根駅伝では、東大の秋吉拓真選手と東大大学院の古川大晃選手が関東学生連合チームの一員として8区と9区に出走しました。1月22日発売のランナーズ3月号では、2人を指導する東大OBで箱根駅伝経験者である近藤秀一コーチとの座談会記事を掲載しています。
ここでは東大の選手たちがどんなトレーニングをしているのかを紹介します。
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――月間走行距離は?
古川 500kmから700km台の後半です。
秋吉 500kmを超えるくらいです。強豪校の選手と比べると少ないと思います。
近藤コーチ 2人とも距離はそんなに追わせていません。オーソドックにインターバルとペース走、距離走を組み合わせたメニューにしています。
古川 僕の視点では緩急があるメニューだという印象です。週に2回ポイント練習があって、そのうち8割ぐらいは8、9割の力感でこなせますが、月に2、3回は10割出し切らないといけないメニューがあるように感じます。
近藤コーチ 練習には大きく2つのパターンがあると考えています。1つは「スピードの割にキツく感じる練習」で、もう1つは「速いスピードでも楽に走れる練習」です。例えば集団で走れば高いスピードを出しても楽に感じますし、一人で練習すると遅いペースでも主観的運動強度が高くなり、キツく感じます。どちらか片方だけでは適切な負荷を入れられないので、時期なども考慮しながら2つをどれだけバランスよく組み立てられるかが大事だと考えています。
――練習を組み立てる時のポイントはありますか?
近藤コーチ 今回のケースでは、箱根駅伝予選会では自分でレースを作る必要がなく、序盤で速いペースの集団に入って、そこでいかに粘り倒すかの勝負だと考えていたので、速いスピードで楽に走る練習を重視しました。箱根駅伝本選では、復路だと誰もいない中でもペースを作れることが重要になってくるため、キツい中でもいかに耐えてやり過ごすかを考えてスピードの割にキツく感じる練習を入れました。
古川 箱根に向けた具体的な例では2000m×10本などです。5分55秒から6分ほどでこなします。
近藤コーチ それと、東大だと選手の走力差が大きいので、グループを分けてメニューを作っています。たとえば2人にとってはキロ3分5秒がペース走でも、5000m15分30秒の選手にとっては1000mのインターバルのペースになります。そういったところを考慮しながら練習が重なるように調整して、3~4カ月分のメニューを立てておきます。
秋吉 僕は高校から陸上を始めたのですが、あまり活動が盛んなチームではなかったので、当時の月間走行距離は100~200kmでした。それが大学に入ってからは距離も増えて、基礎を身につけられたと思います。
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練習の様子はRUNNET channelで公開しています。
また、月刊ランナーズ3月号では古川選手の「年末年始日記」を掲載し、箱根駅伝当日に向けてどんな練習・生活をしていたかを紹介しています。ユニークな調整方法は必見です。ぜひご覧ください。
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