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世界記録はネガティブスプリット! 専門家が考察するフルマラソンのペース戦略
世界記録保持者のケルヴィン・キプタム選手 ©Bank of America Chicago Marathon/Kevin Morris. |
2023年はフルマラソンの世界記録が男女ともに更新されました。そこで共通していたのが、ペース配分はいずれも後半のほうが速い「ネガティブスプリット」だったことです。そこで、フルマラソンの理想のペース配分はどういうものか、専門家に話を聞きました。
- 「世界記録がネガティブスプリットになっているのはあくまで『結果』。どんなレベルのランナーでも最大限力を発揮しようとしたら、イーブンペースで走るのが望ましいことに変わりはないと思います」
- 桜美林大学・山本正彦教授
- 「最も避けなくてはいけないのが、前半を目標のタイムよりも速く走ってしまうこと。つい目標ペースより速く走って『貯金しよう』と考えてしまう人が多いのですが、これは失速の危険が高まります。イーブンペースを守ることを基本に、むしろ世界記録保持者たちのようにネガティブ(後半型)でもいいかな、というぐらいの余裕を持って走るべきです」
- 筑波大学・鍋倉賢治教授
- 「サブフォーを目指すのであれば、キロ平均は5分41秒です。でも、『最初はキロ6分かかってもいい、後半にかけて上げていこう』ぐらいのゆとりを持って走り出してほしいですね。フルマラソンは長いので、前半から頑張りすぎると脳も身体も最後まで持ちません。脳の力を生かすために、時にはネガティブスプリットを狙ってみることもありだと考えています」
- プロコーチ・川越学さん
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ランナーズ2月号では上記の3人にミズノランニングクラブで35年間ペースアドバイザーを務めてきた福澤潔さんを加え、専門家の解説を基にフルマラソンのペース戦略を科学的に検証しています。
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練習変えずにフルが5分速くなる(?)
「ランナーよ、ピッチを上げろ!」
1月の大阪国際女子マラソンで日本人トップの2位に入り、世界陸上の日本代表に選出された小林香菜選手は1分間のピッチ数が220以上。取材を行うと、「ピッチを上げる」ことは市民ランナーがタイムを上げるのに適した方法でした。特に中高年ランナーの皆さんはピッチ増によるタイム短縮の可能性大! 速くなりたいランナー必読です。
春から実践! 速くなるダイエット×15
タイムを縮める上で、減量が効果的な手段であることに疑いはありません。ダイエットというと「美味しいものを食べるのを我慢しなければいけない」というイメージを持ちがちですが、「日々の習慣を少し変える、工夫するだけで減量できるテクニックはたくさんある」と、研究者で自己ベスト2時間46分の記録を持つ髙山史徳さん(34歳)は言います。髙山さん監修のもと「速くなるダイエット×15」を伝授します!
【特別インタビュー2本立て】
早大のランニングサークル「早稲田ホノルルマラソン完走会」出身、卒業後1年で9月の世界陸上マラソン日本代表まで駆け上がった小林香菜選手と、今年の箱根駅伝2区を日本人最高記録で走破、創価大を卒業した今春から実業団サンベルクスと契約を結びプロランナーとして活動を開始した吉田響選手にそれぞれインタビューしました。
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