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スポーツメンタルの研究者が分析「計画性があるランナーは月間3058kmも走れません」
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5月に開催された「さつきラン&ウォーク2022」で3058.37kmを走ったカトルスこと倉井克幸さん(39歳)。
30日間、毎日約100km走り続けた倉井さんはどんな心理的特徴があるのか。
現在発売中のランナーズ9月号ではスポーツ選手のメンタルヘルスを研究する桜美林大学の武田一先生に協力いただき、分析した結果を掲載しています。
<分析方法>
記入者の心の状態や心理的特徴を数値で表すことができる「カウンセリングのためのチェックリスト(ヘルスカウンセリング学会)」を使用。
倉井さんの記入内容とインタビューをもとに、武田先生が総合的に判断した。主な結果は「自己価値感3点」「イイコ度8点」「情緒的支援を感じる10点(家族・家族以外いずれも)」「問題解決能力3点」※自己価値感と支援は10点満点、他2つは20点満点
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チェックリストの内容を確認した時、想像と異なる結果だったので驚きました。
このチェックリストでは「自己価値感の高さ」「イイコ度」「情緒的支援を感じる」「問題解決能力」「対人依存」などが分かります。
一般的にトップアスリートは自己価値感が高く、イイコ度は低い。つまり、「周りに流されずに自分の信じた道を進める」傾向があります。しかし、倉井さんの場合はイイコ度が日本人の平均的、自己価値感が低い値でした。こういう人がここまでのチャレンジができるのは珍しいのです。
ではなぜこれほどの偉業が達成できたのか。
その一つの要素はご自身が語っている「フランス人気質」でしょう。
倉井さんは「問題解決能力」の値も低いという特徴がありました。トップ選手はこの問題解決能力も高い、つまり「目標をきちんと認識し、計画をして臨む」という人が多いのです。
しかし、倉井さんの場合はそういった「計画立てて解決する」という思考があまりないので、今回も「なるようになる」と深く考えず挑戦したのではないでしょうか。
おそらくきちんと計画を立てなかったゆえに、普通なら躊躇する月3000kmという途方もないことに挑めたのでしょう。
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- たけだ・はじめ
桜美林大学准教授。
専門は陸上競技、ヘルスカウンセリング。同大学陸上競技部の部長・監督も務めている。
分析の結果は現在発売中のランナーズ9月号で詳報しています。
※こちらから記事検索ができます。

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