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あなたは持っている力を発揮しきれていないかもしれない 全て撃退〝失速の落とし穴〟

2026年10月26日

※本記事は『ランナーズ2026年12月号』掲載内容になります。(全3ページ/1ページ目)

本番に向けて様々な新トレーニングに挑戦!ところが、もしかするとそれが知らず知らずのうちに疲労が溜まる原因になっているかもしれません。よかれと思って取り組んだことが、持っている力を発揮するのを阻害している(失速の落とし穴になっている)ケースが多々あるのです。本特集では、ありがちな〝失速の落とし穴〟を撃退! まずは下のチェックリストで、落とし穴に引っかかっているかチェックしてください。

文/岩谷隆志 写真/本人提供



マラソン失速の落とし穴リスト

マラソン失速の落とし穴リスト



良かれと思ってやっていることが
失速を招く「落とし穴」になり得ます

失速の要因=落とし穴はどんなところにあるのか。どうすれば落とし穴にはまらず力を出し切れるのか。ランニングコーチの森田光希さんに聞いた。

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もりた・みき(41歳)
マラソントレーナー・コーチ。中学から陸上を始め、全国高校駅伝、全日本大学女子駅伝にも出場。マラソン自己ベスト2時間45分7秒(2022東京)
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私は、失速そのものを悪いことだとは思っていません。私自身、レースでの失速を繰り返しながら学んで改善し、2時間50分切りをした経験があります。ペースが落ちた理由を振り返れば、次に直すべきことが見えてくる。失速は失敗というより、次へのヒントだと思っています。ただ、当然ながら1秒でも速くゴールするためには、自分の力を出し切ることが不可欠です。今までの皆さんの失敗を成功に変えるアドバイスをしたいと思います。


気付かぬところに失速を招く落とし穴


私は「失速は、本番前3カ月の流れで決まっている」と考えています。練習量は適切だったか。疲労は抜けていたか。食事や睡眠はどうだったか。本番の補給対策はしていたか。レース直前に生活リズムを変えたり、前日に動き回ったりしていなかったか。こういう気付かぬところに、失速を招く落とし穴がたくさんあります。

市民ランナーの方々は真面目な方が多いです。30㎞走をやる。レース中のエネルギー補給を工夫する。走行距離を増やす。速くなりたいから、良いと言われることを一生懸命取り入れる。でも、頑張る人ほど「もっと何かやらなきゃ」と足し算になりやすい傾向があります。一般的に正しいと言われている方法でも、自分の走力や生活、身体の状態に噛み合わなければ、それ自体が落とし穴になり得ます。

強くなるために必要な基本的な要素は、運動・栄養・休養の3つです。でも頑張る人ほど、意外とこの基本を見落としやすい。休養も立派なトレーニングです。
 
レース中は、予定より数秒遅い、身体が重い、風が強い、補給がうまくいかない。いろんなことが起こります。そこで「もうダメだ」と決めつけて焦るのではなく、私は指導する方によく「我に返れ!」と言っています。そして「これも想定内」と受け止めるのです。スタート前の落とし穴に引っかからず、レース中の想定外にもあせらず対応する。それだけでも、失速は抑えることができます。

【編集部より】
上の「マラソン失速の落とし穴リスト」には、気付かぬうちに疲労を溜めていたり、脳のパフォーマンスを低下させる原因(失速の落とし穴)をまとめています。次ページからの「ランナー分析」とあわせて参考にしてください。



実際に失速に悩む4人のランナーがどんな「落とし穴」にはまっているのか、森田コーチが分析。1人目は、日本経済新聞の山口大介さん。初マラソンをサブフォーで走るも、近年は4時間10~15分と、記録を更新できていません。


ランナーカルテ


初マラソン以来、2度目のサブフォーができず。
「レース後半、みぞおちに不快感が生まれます」


前半のオーバーペースを改め
抑える走り方にするも……

初フルは2009年のかすみがうらマラソンで3時間54分34秒。サブフォーできたのはこの1回のみで、直近のベストは今年の板橋シティマラソンの4時間9分24秒です。

以前は「どうせ後半に落ちるなら、前半で貯金しておこう」と考え、目標のペースがキロ5分30秒なら5分20秒で入り、前半貯金するような走り方をしていました。でも、それが失速の原因ではないかと思い、ここ1〜2年は前半を抑え、30㎞まで余裕を持つ走りに変えています。昨年のいわて盛岡シティマラソンでは34㎞あたりからペースが落ち、37㎞以降は大きく失速。後半には、みぞおちに胸焼けのような不快感が出ました。今年の板橋シティでは、タイムへのこだわりを捨てて走ったら約37㎞まで歩かずに進めました。それでも最後は歩いてしまいました。

失速しないために、練習も試行錯誤しています。月間走行距離は100〜150㎞。サブフォー達成の目安は200㎞、と聞くので、それを目標にはしていますが、超えたのはこれまで1回だけです。

レース前2カ月間でハーフ程度の距離を2回走り、本番3〜4週間前に30㎞走を1回、というのが自分なりのパターンです。ただ、「30㎞走が1回で十分か」「もっとスピードを出す練が必要なのか」という迷いもあります。インターバルは苦手でほとんどやっておらず、同じ時間があるなら、つい長く走る方を選んでしまいます。

レース中の補給食や給水も最近になって意識するようになりました。レースではジェルを3〜4個持ち、10㎞、20㎞、30㎞あたりで摂取。味が合わず気持ち悪くなることもあったので、何種類か試して自分に合うものも探しました。それでも後半の失速や、みぞおちの不快感はなくなりません。

遠征では、前日に観光を楽しむこともあります。当日の朝食は会場へ向かう途中にカステラやおにぎり、ゼリーを少しずつ口にします。

前半のペースなのか、練習量や内容なのか、補給や食事なのか。自分では何を見直せばいいのか、正直分からなくなっています。前半のペースに関しては、抑えても失速しているので、「初めからずっとイーブンペースで走るマラソンっておもしろいのか?」とも思ったりしています。今の目標は、まず42.195㎞を一度も歩かずに走り切ること。その上でもう一度サブフォーを達成したいです。






※こちらから記事検索ができます。

ランナーズ12月号 10月22日発売!


あなたは持っている力を発揮しきれていないかもしれない
全て撃退 “失速の落とし穴”

本番に向けて様々な新トレーニングに挑戦! ところが、もしかするとそれが知らず知らずのうちに疲労が溜まる原因になっているかもしれません。特集では、多くのランナーが陥りがちな “失速の落とし穴” を指摘します。あなたも意外な落とし穴にはまっているかも?まずは「マラソン失速の落とし穴リスト」でチェック!

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