本サイトではより多くの方に快適に利用して頂ける様に、アクセシビリティ面を充分に考慮したコンテンツの提供を心がけております。その一環として、閲覧対象コンテンツのすべてにスタイルシートを使用して制作しております。現在閲覧に使用されているブラウザには、当方制作のスタイルシートが適用されておりませんので表示結果が異なりますが、情報そのものをご利用するにあたっては問題はございません。

トピックス

+会員限定コラム

MEMBER COLUMN

「ランナーズ創刊物語(3)」書店に扱ってもらえずスタートは定期購読のみ

2021年3月02日

創刊号最後のページには「本誌の販売は予約購読です(一般の書店では売りません)」の文字

創刊号最後のページには「本誌の販売は予約購読です(一般の書店では売りません)」の文字


そこで意を強くして、次は雑誌購読料の「先払い」のお願いです。1年10回(送料込みで3200円)、半年5回(1800円)。なぜ「月刊=12回、6回」ではなかったのか、自信がないというよりは、二人っきりの「会社」なので、「1年に2回くらいは休みたいよね」というシロウト発想というか、自分たち勝手な思いつきからでした。(しかし翌年大手スポーツ出版社からランニング月刊誌が発売されたのを機に、こちらも年間12冊、フツウの月刊誌になりました)。

前金と一緒に来た申し込み用紙には「頑張って!」「応援します!」「楽しみに待っています!」などの激励のひとことが添えられており、勇気100倍。翌年2月の青梅マラソンの日を発売日に決めて、走る仲間たちの応援も得て、編集作業に励みました。

当面は入金頂いた方への郵送を中心にしようと思っていましたが、本屋さんに置くことで雑誌のPRになることもあって、大型書店に自ら持ち込んで置いてもらいました(通常は書店店頭に並ぶ雑誌は取次店を通すのですが、実績の全くないわれわれは断られ、当初は書店と直取引するしかなかったのです)。ところが上記にあるように、創刊2年目の夏、ライバル誌の登場が機になって、取次店に扱ってもらうようになったら、これはまた大変。持ち込んだ冊数の半分も売れずに大量の返品が!!笑い泣きの状態でした。

ちなみに、創刊時からの「定期購読」「直接郵送」のシステムは現在でも継続されており、収入の確保(前金)とともに、アンケートの送付などで協力いただくなども多く、全国の定期購読者は編集にとってはとてもありがたい存在でもあります。


プロフィール

自己ベストを出した1987年ウイーンマラソン
自己ベストを出した1987年ウイーンマラソン

下条由紀子(しもじょう・ゆきこ)
株式会社アールビーズ取締役副社長、月刊ランナーズ編集局長。
フルマラソンは完走150回、自己ベスト3時間02分31秒(1987年オーストリア・ウイーン)。
ランナーズ創刊後の1976年12月に第4回ホノルルマラソンを出走、翌年からランナーズホノルルマラソンツアーを開始。1979年の第1回東京国際女子マラソンの参加者告知に関わり、自身も同大会に出場。著書に『ベストジョギング―走る楽しさ生きる歓び (新潮文庫) 』。
※今後のコラムで「ホノルルマラソン」「東京国際女子マラソン」を取り上げます。




記事をもっと見る

ランニング初心者集まれ