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R-BIESRUNNETからのエントリーに! 福岡国際マラソンは市民ランナーの甲子園?
福岡国際マラソン選手権大会(以下、福岡国際マラソン)と言えば、「瀬古選手の電光石火のラストスパート(1983年)」「中山竹通選手の氷雨の中の独走(1987年)」「藤田敦史選手の日本記録更新(2000年)」など、トップ選手の走りを思い浮かべる方が多いのでは?
確かに昔も今もテレビ画面に映るのは海外招待選手や国内有力選手が中心ですが、実際の現場で、出場選手の大半を占めているのは、我らが市民ランナー。かく言う私もその1人。2009年から2015年まで6回出場しています。
福岡国際マラソンは、戦後間もない1947年に金栗賞朝日マラソンとして熊本で開催されたのが始まり。当初の数年は毎年開催地を変えながら行われましたが、1964年以降は開催地を福岡に固定し、1974年からは名称も福岡国際マラソンとなりました。
出場資格は大変厳しく、2003年の第57回大会の時点では、2時間27分以内と国内で最も厳しい設定で行われてきました。転機が訪れたのが2004年の58回大会。平和台陸上競技場をスタートとするAグループ(参加資格は従来通りの2時間27分以内)に加え、隣接する大濠公園をスタートするBグループ(当時の参加資格は2時間50分以内)が設けられるようになり、一気に門戸が拡大(コースは約2㎞地点でAグループと合流。現在は約1.5㎞地点で合流)。それまで100人前後だった参加者は500人を突破したのです。
雲の上の大会だった福岡国際マラソンに自分も頑張れば出場できるかもしれない! 折しも、月刊「ランナーズ」が「フルマラソン1歳刻みランキング(現:全日本マラソンランキング)」の集計を開始したタイミングと重なったこともモチベーションアップに繋がり、トレーニングに熱が入りました。
2016年の福岡国際マラソンスタート
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なんとか資格タイムをクリアし、念願の福岡国際マラソンを走ってみると、随所で国際大会に出場していることを実感できます。受付では「選手」と書かれたIDカードが渡され、このIDを持つ者のみ入場が許される平和台陸上競技場のトラックでウォーミングアップをしていると、自分のすぐ横でケニアやエチオピアなどの海外招待選手が軽やかにジョギングを行っている姿に遭遇します。
Bグループの参加者はスペシャルドリンクを預けることができないなど、同じランナーでもAグループと扱いに違いがあるのはやや残念ですが、大濠公園のスタート地点や沿道の至るところには、手作りの横断幕や小旗を持った家族やランニングクラブの仲間たちによる応援団が現れ、ランナーにとっての晴れ舞台を温かい眼差しと熱い声援で盛り上げてくれます。
一緒に出場しているランナーたちとの関係も、お互い厳しいトレーニングを積んできたことが分かるので、ライバルというよりは同志といった雰囲気。レース中の給水でも隣を走るランナーから「取れなかった人いませんか?」とドリンクを捨てる前に声をかけてくれる人なども多く、一緒にベストを尽くそう、という気持ちが伝わってきます。そんな志を同じくするランナーたちと共に走れることは、なんとも晴れがましい気持ちで、“市民ランナーの甲子園”といった表現がしっくりくるような印象を持ちました。
当初は1度走れれば十分だと思っていたのですが、この雰囲気をひとたび味わってしまうと、「来年もこの場所に戻ってきたい!」という強い気持ちに変わり、初出場を目指していたとき以上に福岡国際マラソンへの思い入れは強いものになり、キツいトレーニングも積極的に取り組めるようになりました。
一斉にスタートした一般参加の選手たち
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一斉にスタートするBグループの選手たち
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市民ランナーの集団。
周囲が皆“同志”に感じる独特な雰囲気 |
その後、Bグループの参加資格は2時間45分、42分、40分と少しずつ引き上げられ、2016年の第70回大会では2時間35分に。この募集要項が発表されるタイミングが、例年7月ごろと遅いのがランナー泣かせ。冬場の大会で前回大会の参加資格をクリアしても、本当に出場できるかどうかは7月の発表まで待たなければならないのです。
ちなみに、チャリティー枠と外国枠以外の全てのランナーに男女別5歳刻みで参加資格タイムを設けているボストンマラソンの場合、参加資格タイムを引き上げる際は、ランナーが十分にチャレンジする期間が持てるよう、2年近く前に公表しています。出場を目標にしているランナーが多い福岡国際マラソンにも、ぜひ改善して欲しいポイントです。
今年の開催は12月3日(日)。誰もが気軽にエントリーボタンをクリックというわけにはいきませんが、エントリーは9月25日(月)の17時までRUNNETで受付中です。
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日本人首位の3位でゴールする川内優輝選手
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(レックス タイミング事業部 高瀬晋治)