ニュース・記事
ランナーズonline
日本の市民ランナーを速くした50年分のトレーニング② 小出義雄監督が走を語った『かけっこの職人芸』
|
|
現在発売中のランナーズ50周年記念号では、創刊からの50年間で登場した特徴的なトレーニングの数々を紹介する特集「日本の市民ランナーを速くした50年分のトレーニング」を掲載。その中から各年代で話題になったトレーニングを3回にわたってお届けします。
第2回は数々の名ランナーを育てた小出義雄監督のトレーニング論が語られた書籍『かけっこの職人芸』(1989年)から抜粋した内容を掲載します。
********
距離を走って刺激も入れる
小出監督が強調していたのは長い距離を走ること、そしてそれだけでなく刺激も入れることである。
「我々の頃はインターバル全盛期でした。ザトペックの真似をしてみんなが400mのインターバルをやってマラソンを走ろうとしていました。でも、これじゃ駄目ですね。そんな中、亡くなった円谷幸吉選手がなぜ強かったかというと、やっぱり長い距離を走っていましたね。君原健二選手もやっぱり長い距離を走っています。
ジョガーのみなさんがやっているのもたいてい長い距離を走れるような練習ですね。それはいいのですが、そればかりじゃ足りないんです。ジョガーの方を見ていると、たいてい、刺激が足りない。これは苦しいな、きついな、という場面を練習のなかで作り出すということです。インターバルトレーニングなどその典型ですが、坂道を勢いよく上るのもそうですし、思い切って下るのだって刺激になります。ビルドアップしていって、最後何分か追い切って走り抜いたり、というのもそうです。
刺激となる練習を週に2日は入れる必要があります。そして長い距離の練習も2日入れれば理想的です。長い距離は時間がかかりますから、仕事との兼ね合いで週末だけでも仕方ありません」
坂道でいい筋肉をつくる
小出監督は市民ランナー向けの短時間練習として坂を推奨していた。
「いい筋肉はいい負荷をかけることによって作られます。効率よく負荷をかけようと思うと、坂。上り坂も下り坂も、走る。特に時間を十分にとれない人にとっては、朝の練習というのがポイントになります。朝できない人は、昼休みです。30分、長くても1時間足らず。これだけでも、やるとやらないとでは大違いです。1日1回多く負荷をかければ、月に30回。年に360回。いい筋肉をつくることができます。
例えば、30分しか時間がとれないとしますね。アップ代わりに最初はゆっくり5分ぐらい走る。そしたら、いろんなやり方はありますけど、坂があれば、そこを全力でいく。100mから150mで十分です。そして下りをジョグして帰ってくる。行って帰ってで1分もあれば十分でしょう。そしてまた上りを全力で行く。これを20本やって20分です。最後はダウン代わりに5分ジョグして計30分になります。アップとダウンを入れれば5km近く走ったことになります。いい練習になります。
何も100mに限りません。400mだって1000mだっていい。大切なのは30分しかないから走らないとか、足慣らしのジョグだけにしておこうと諦めてしまわないことです。短い時間でも、負荷のかかる練習はできるわけです。それにより、いい筋肉をつくることができます」
********
ランナーズ50周年記念号(26年1月号)ではその他にも「信号待ちはジャンプの時間」「ヤッソ800」「金哲彦のサブスリー道場」など、これまでの50年で登場したトレーニングを計30紹介。ぜひご覧ください。
※こちらから記事検索ができます。

ランナーズ8月号 6月22日発売!
暑さは「脳」が決めている
夏ランを変える暑熱対策ギア!
日本の夏はもう暑くて走れない――。それは半分正解で、もう半分は脳のせいかもしれません。本特集では、気温50℃を超えるウルトラマラソン「Badwater 135」など極限環境でのレースを経験してきた岩本能史コーチの「脳をいかに騙すか」という暑熱対策の持論をもとに、夏のランニングを快適にする最新の暑熱対策ギアを紹介します。「暑さは脳が決めている」という脳の仕組みを逆手に取り、今年の夏を走り抜けましょう。
食と温泉とコースが魅力的
さぁ、東北を走ろう!
温泉、ご当地グルメ、自然あふれるコース——。日本の原風景が残る東北は、ランナーにとっての魅力がいっぱい!夏にも大会が開催され、これからの季節も旅ランを思いきり楽しめます。今号では大会情報やご当地ガイドで東北の楽しみ方を紹介。青森県出身の福士加代子さんら東北にゆかりのあるランナーたちにも、その魅力をとことん聞きました。
毎回同じトレーニングで速くなれる!
「速くなる習慣走」
インターバル走、ペース走、ロング走、変化走……。トレーニング情報が溢れる現代、「どう組み合わせたらいいのか分からない」「キツい練習はできない」という人も多いのでは? そんな人に向けて、「速くなる習慣走」を紹介します。登場するのは、毎回ほぼ同じトレーニングを繰り返しながら速くなっている2人のランナー。2人の実践談から、専門家やコーチが「どのようにして習慣化するのか」「同じ練習を繰り返して速くなるためのポイント」を解説します。
本誌購入は年会費7,800円「ランナーズ+メンバーズ」がお勧め!
「ランナーズ+メンバーズ」は毎月最新号が自宅に届く(定期購読)だけでなく、「デジタルで最新号&2011年1月号以降が読み放題」「TATTAサタデーランが年間走り放題」「会員限定動画&コラム閲覧可」のサブスクリプションサービス! 年会費7,800円の超お得なプランです。
