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ニュース・記事

ランナーズonline

達成率0.3%の超人たち 60代サブスリーの走談室③「仕事と走力向上を両立する達人メソッド」

2025年8月20日


現在発売中のランナーズ9月号では2024年度の国内達成者が80人だった「60代サブスリーランナー」を特集。「達成の秘訣」や「若者へのアドバイス」を掲載しています。
誌面に載せきれなかった企画として、3人のサブスリーランナーが今後サブスリーを達成したい人や、サブスリーを60代まで維持したい人からの質問に答える「走談室」をRUNNET短期連載として掲載する最終回です。


回答者:
・中尾孝昭さん(63歳・福岡・2時間57分21秒)
・高松伸二さん(62歳・福岡・2時間49分41秒)
・藤岡英二さん(65歳・三重・2時間52分12秒)
年齢、タイムは2024年度全日本マラソンランキングより



Q1.50代後半からフルマラソンに挑戦しており、現状タイムは伸びてはいますが、年々疲れやすく、疲労も抜けにくくなってきていると感じています。どのようにスピード、スタミナを維持していますか?
(57歳男性・2時間58分12秒)

藤岡さん マラソンキャリアが数年でそのタイムとは恐れ入りました。実に羨ましいです。
無限の伸びしろがありますね。その成長スピードなら当面練習内容を変える必要はないと思います。
確かに段々疲労回復が遅くなっていると私も実感しています。ただ、更にPBを目指すために今まで以上に練習内容の強度を上げると疲労度が増すし回復も遅れるし下手をすると逆にタイムが落ちてしまい更には故障のリスクが増えてしまいます。不安でしょうが思い切って週に一度は完全休養日を作ってはいかがですか? 早朝と深夜の分割練習もいいと思います。また、いっぱい食べていっぱい寝る事が基本だと思います。年を取ると食が細くなるのでいっぱい食べてください。練習は週一回、スピードとロングペース走の二回。その他はジョグで充分です。ジョグもキロ6でもOK。身体全体に毛細血管がジワジワつと巡ってきますよ。それでもまだまだタイムは伸びるのではないでしょうか?

高松さん 50代後半から始めて57歳でサブスリー!素晴らしいです。私自身はスピードについては駅伝やマラソンなどの動画をよく見ます、イメージトレーニングになっていると思います。スタミナについては、近道は無いと考えていて、月に数回90分以上のロングジョグを心掛けています。

中尾さん まだ始めて間もないので練習をだんだん増やしていく中で、そのバランスがうまく取れていないと思います。

メリハリをつけたメニュー(ポイント練習はマラソン感覚走、ジョグは疲労回復)を量と質をバランス良くしてみて下さい。レースが近くなれば調整として疲労回復に努めて、走り込みや鍛錬期の夏から秋までは涼しい環境や時間帯をみて長く走れるようにしてスタミナをつけ、ポイント練習は感覚を8割に落としてタイムにこだわらないことで暑い時期を乗り切って下さい、秋には自然にペース上がってきますから。



Q2.還暦を過ぎてもお仕事をされている方がほとんどだと思います。仕事とランニングの精神的な気持ちの入れ方、また、時間的なワークバランスは割合はどの程度でしょうか?多くの読者の皆様と同様に、私も還暦を過ぎた今も、現役で社会と関わり続けています。この年齢になると、体力的な変化を感じることも増えますが、私にとって仕事とランニングは、まさに人生を前進させるための「二つの車輪」のような存在です。いろいろご指導ご鞭撻願います。
(62歳男性・3時間54分24秒)

藤岡さん 仰る通りで素晴らしい考え方だと思います。仕事をやっていた時に「走る時間がない。時間があればもつと強くなるのになあ」って強く思っていました。ただ、いざ会社を卒業し時間に余裕が出た環境に立った時、当時の間違いに気が付かされました。仕事やマラソン以外の趣味や資格を取るために勉強をしたりする時間の合間を縫って練習する事のメリットを痛感しています。時間があり余っているって集中力を欠きます。メンタル的にも良くないです。気合が入りません。自分に言い訳もしてしまいがちです。短い時間で集中し練習することで効率が上がり結果も出ます。やはり人間忙しい方がいいですね。

食事を三食しっかり取り睡眠時間は最低6時間確保し仕事や趣味で日中を費やし早朝や夜にマラソン練習と言うサイクルです。練習日記をつけるのもいいと思います。過去との比較の中で練習内容の工夫や怪我対策など自分を見つめ直すことも出来て得られるものも少なくありません。これからも是非二刀流でメリハリある充実したランニングライフを過ごしてください。

高松さん  同年齢です。還暦前後まさにワークバランス、日々悩んでいます。私の場合、現在も8:30~17:00のフルタイムで働いていて、同居している親の介護の時間も年々増え、思うように距離を踏むことが出来なくなりました。その対策として4~5年前から、毎日の練習を距離で測らず時間で測るように思い切って変更しました。そうすることで、1日のうち何分を自分の趣味であるランニングに費やしているか可視化することが出来ました。平日でいうと1日平均5~60分、週末の二日は平均90分程度のランニングになっています。この他に45~60分が1単位となっているヨガや筋トレのレッスンを週に2~3単位やっています。

日々のランニングを時間管理にしたことで、結果としてランニングの為に費やせる時間が増えたわけではありませんが、限られた時間を明確にすることにより、走っている最中は以前より集中できて良い練習に繋がっていると感じています。

中尾さん 私は若い頃から、24時間の使い方を小さく分けて、必要な食事、睡眠、入浴、仕事の移動時間を決め、仕事の時間を足して残り時間のうち2時間を確保しています。マラソンは準備期間が長いため、私は半年間のスパンで積み重ねます。6カ月、180日、360時間。この時間を使ってスタートラインに立てるようにするには、なるべく無駄なく時間を有効に使いたいですね、月に直せば、60時間、20日走ると毎日3時間、30日走ると2時間という数字が決まります。

無理ない範囲で、自分の仕上がりが満足いくようにするためには今からやらないといけないことが、どのくらいの時間でやらないといけないかを試算すると目標に向けた明確な意味が見えてきますから全てをバランス良くこなせると思います。


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9月号では回答者たちが60代サブスリーの「トレーニング」や「心がけ」を話し合った座談会を掲載しています。ぜひご覧ください。



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