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達成率0.3%の達人たち 60代サブスリーの走談室①「自己ベストは何歳まで?」「何を食べている?」
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現在発売中のランナーズ9月号では2024年度の国内達成者が80人だった「60代サブスリーランナー」を特集。「達成の秘訣」や「若者へのアドバイス」を掲載しています。
誌面に載せきれなかった企画として、3人のサブスリーランナーが今後サブスリーを達成したい人や、サブスリーを60代まで維持したい人からの質問に答える「走談室」をRUNNET短期連載として掲載します。
回答者:
・中尾孝昭さん(63歳・福岡・2時間57分21秒)
・高松伸二さん(62歳・福岡・2時間49分41秒)
・藤岡英二さん(65歳・三重・2時間52分12秒)
年齢、タイムは2024年度全日本マラソンランキングより
Q1. | 私はランニングを始めたのが44歳と比較的遅めなのですが、幸運なことに毎年PBを更新できています。 とはいえ年齢による筋力の低下は避けることは難しく、50歳以降PBの更新も難しくなると考えており、生涯PBをどの時期に置くかを悩んでいます。60歳を超えてサブスリーを出されている先輩ランナーの皆さんの考えが知りたいです。 (47歳男性・3時間13分41秒) |
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藤岡さん 私はマラソンスタート年齢は遅ければ遅い程良いと思っています。44歳からのスタートであれば鍛えれば鍛えるほどどんどんタイムは上がり、モチベーションもあがり楽しくて仕方ないと思います。50歳以上でPB更新が難しくなるとありますが、全くそんなことはありません。工夫次第で60歳代でもPB更新は可能です(証明済みです)。ぜひ年上で自分よりタイムのランナーを見つけて、一緒に練習してみてください。自分が未熟だと感じ、やることがいっぱい見つかりますよ。
同時に、メンタルも非常に重要だと近年強く感じています。歳を取ったから最近疲れやすいなあ、過去のメニューがこなせないなぁ、もうPBは無理なんじゃないか? などなど、調子が悪くなる春から夏にかけてついつい思ってしまいます。確かに加齢でのパフォーマンス低下は避けて通れません。ただ弱気になって現実以上に練習強度を落としたり頻度を下げたりしたらもっと落ちてしまいます。ある程度加齢に抗う事も必要だと感じます。往生際が悪い方がいいのです。
PBにゴールはありません。生涯PBを目指すのです!!(自分にも言っています笑)
高松さん 生涯PBということであれば、さすがにこの年(62歳)になると一年一年が勝負だと考えています。私自身も運良く6年連続でPB更新できていますが、PB更新というのが一番のモチベーションになっています。
中尾さん まだ40代ですから、サブスリーをするのは可能です。還暦や年齢を考える前に、自分の現在の筋力でサブスリーのペースが出せるかを考えます。足りなければ脚のスタミナを鍛えるため距離走をしたり、坂道のコースで長めに走るなど継続的な鍛錬により脚が強化されストライドが延びたり、ピッチを上げる事が可能になります。
先すぎる目標は私たちには見えないので、一年、一年を大切にしながら、故障しないように無理をしないようにしています。キープしようとしても毎年落ちるので、プラスになるように毎年補助練習を入れていくことをお勧めします。
Q2. | 私自身サブ3.5を目標にしていて、鶏胸肉でサラダチキンを作ったりブロッコリーを積極的に食べたり、食事には気をつけているつもりですが、還暦サブスリーの方の具体的な食事内容や日々の水分(健康茶とか?)はどのようなものでしょうか。 (50歳女性・3時間44分47秒) |
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藤岡さん 還暦になるまで特に意識していませんでした。特に50代半ばから約10年間は単身赴任だったため、今日は焼肉、明日は天ぷら、次は居酒屋、週末宴会と酷い食生活でした。ただ地元に戻ってからは家内の手料理を毎日食べるようになり塩分控えめ、油もの控えをサラダや味噌汁など実にバランスの取れた食生活に変貌しました。
それと、大切な事はお腹一杯食べることです。還暦近くなると食が細くなり食事の量も減ってしまいがちです。これではキツイ練習についていけません。いっぱい食べていっぱい消費する習慣を続けることは重要だと思います。そうしても体重はあまり変わりません。
それと、水分補給は特に意識しています。元々高血圧家系のため還暦にもなると脳梗塞や心筋梗塞などの心配もあり、常に血液をサラサラに保てるようにスポーツドリンクなどでの給水を意識しています。が、、、大会での給水が大変苦手のため本番では中々取れていません(汗)
高松さん たんぱく質を意識して摂るのは大変良いことですね、あと2~3付け加えるとすれば、自分自身気を付けているのは緑黄色野菜と鉄分を積極的に摂るようにしています。そして、せっかく摂った鉄分の吸収を阻害する成分が含まれるコーヒーなど食後は避けるようにしています。食事については奥が深く、私自身も勉強中です。
中尾さん 年齢が進むと筋力が落ちますから、一般的なタンパク質量ではなく多めに摂取して筋肉の回復と、強化のための下半身のスクワットやランジ、坂道走などを少しずつ組み入れてください。脂質は良質なものを選び、炭水化物は少し控えめが良いです。
還暦にもなると体内保有水分が体重比45-55%と20代より10%くらい低くなりますからマラソンのように長時間の種目は積極的に補給しながら血液濃度や脱水を予防しましょう。
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9月号では回答者たちが60代サブスリーの「トレーニング」や「心がけ」を話し合った座談会を掲載しています。ぜひご覧ください。
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