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ストレスは医学的には人間が生存の危機を感じたときに生じる反応で、コルチゾールという脳内物質が分泌されている状態です。
現代では生命の危機に遭遇する場面がほとんどなくなっているため「物事が自分の思うように進まない」といった場合など、日々のちょっとしたことでも起きる反応になっています。
こういったストレスを受けた際、イライラをずっと感じ続けて身体と心を疲弊させ「意欲」が低下しまうケースと、それとまったく逆で、そのストレスを「意欲」や「やる気」に転換して乗り越えられるケースがあります。
ストレスを「意欲」や「やる気」に転換する例としては、狩猟時代ならば、空腹感など生存の危機(ストレス)を感じると、闘争心を駆り立てて狩りに出かけました。
このとき、知能も身体も高いパフォーマンスを発揮し、獲物を捕獲することに役立てました。
これを現代に置き換えると、イライラを抑え、ストレスの原因解決に意欲的に取り組むことにつながります。
何かを達成しようとする強い気持ちを生むきっかけになるのです。
そして走ることは、ストレスを「やる気」「意欲」へと転換させる、モードの切り替えに役立つといいます。
走るとき、運動を起こす脳(運動皮質など)が興奮するだけでなく、筋や腱、関節の変化など身体からの情報も増え、記憶の重要な回路として知られている「パペッツの回路」が活性化されます。
また、たった10分走ることで快適な気分を生み出すと言われる外側前頭前野を刺激でき、気分が前向きになり、心の安定度が高まるだけでなく、注意や判断などの認知機能の一部も向上します。
そのため思考能力や仕事の能率などが上がることも期待できます。
ただ、ここでポイントとなるのが いくら走っても「快」を感じられないとこれらの効果は得られないということ。
つまり、誰かに強制されていやいや走らされるという状況では効果がないということです。
走る中で「新鮮さ」「ワクワク感」「満足感」などを感じられることが大事です。
そういう点で、レースに出場したり、ランニングを通して仲間と交流したりというのは、とてもよい行動なのです。
マラソンの記録更新にもストレスが大きく影響しています。
身体を酷使したことで生じる「疲労」や、自分自身を精神的に追い詰める「プレッシャー」などといったストレス反応後の意欲や、やる気を利用することで、高いパフォーマンスと、時として火事場の馬鹿力を発揮させられるからです。
※月刊ランナーズより抜粋
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