神野大地さんの指導経験を持つロンドン五輪代表でスズキACヘッドコーチの藤原新さんが、富山マラソン(11月1日)への自身のトレーニング計画を例に、「練習不足のランナーが失速しないための、今からできる脚づくり」を語った。
残り2カ月からレースペース走を増やすことは私も現役時代行っており、指導の中で重視しています。一方で、これはある程度練習を継続してきて着地衝撃への耐性ができている人向けだと、引退後にゲストランナーとしてフルマラソンを走る中で実感させられています。
最近の私のマラソンは練習不足のまま挑んでしまうことが多いのですが、そうするとまず脚が重く、痛くなります。そして動かせなくなって失速するのですが、そんな時でもラスト1㎞を頑張るとキロ3分30 秒ぐらいまで上げられるのです。つまりこれはグリコーゲンの枯渇や心肺機能の限界ではなく「脚筋の耐久力不足によるダメージ」で失速していると気づきました。
そのため、練習不足のランナーが残り2カ月で優先すべきは「全体的な走行距離を増やす」「ロング走を3回程度行う」ことで耐久力を上げ、しっかりマラソンを走り切れるようにすることです。特に市民ランナーの方々は元々マラソンペースにスピードの余裕はあることが多いので、耐久力強化がより大切です。
この取材を受けている8月末は、出場する富山マラソンまで残り約2カ月。2時間40分ぐらいで走りたいと思っているのですが、春に脚を痛めた影響もあり7月125㎞、8月160㎞しか走れていません。ここからが勝負ですね。
9月はまず250~300㎞を目標に走り、その中で15~20㎞をキロ5分ぐらいから入って3分40秒ぐらいに上げることを何度かやる予定です。そして、10月に入ったら30㎞走を2回ぐらい入れたいです。20㎞手前までレースよりキロ30秒程度遅く走り、ラスト10~12㎞を目標レースペースに上げます。最後に10月25日の久米島マラソンで30㎞までゆっくり走り、残り12㎞をペースアップします。これらによって、速いペースで長く走る際の耐久力を鍛えられます。
私は回復力が高い体質なので本番1週間前でもロング走を入れますが、皆さんは2週間前までにしておいた方がいいでしょう。夏場は暑くてあまり走れなかった人も多いはず。まだ遅くありませんので、故障に気をつけつつ脚を鍛えてください。
サブスリー鍼灸師の柳秀雄先生は、「9週間前から2週間ごとに目的を変えてトレーニングすれば50代後半でも記録は伸びる」と提唱する。
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私は50 代後半以上の「アラ還ランナー」には2カ月間(8週間)に疲労抜き1週間分プラスした9週間の「目的集中トレーニング」をお勧めしています。
シニアランナーというのは「同じ練習を繰り返すだけでは走力が低下する」「加齢で衰える要素は人それぞれなので何が必要か分かりにくい」といった特徴があります。そこで、レース前の9週間を「弱点強化期」「距離耐性強化期」「高速走行期」「目標ペース刷り込み期」の4つに分類し、テーマに合った練習を積み重ねます。すると2カ月でマラソンに必要なほぼ全ての能力を強化できますし、何より「やることはやった」という気分でレースを迎えられます。
具体的には、まず「弱点強化期」ではそれぞれが弱点と感じている部分の練習を実施します。夏場にあまり練習できていない人はこの期間にビルドアップ走やインターバル走を行い、その結果で本番の目標タイムを定めましょう。
「距離耐性強化期」は重たい脚を動かすことに慣れる期間です。本番7週間前にやや抑えたフルマラソン(ネガティブスプリット狙い)、5週間前に30㎞走を実施。合間にも長めのビルドアップ走やLSDをします。
「高速走行期」はスピード走を中心に行って速く走る感覚を養い、3週間前に本気のハーフマラソンを走ります。このタイムで、最終的にマラソンの目標の妥当性を判断します。
「目標ペース刷り込み期」は疲労を抜いて身体をフレッシュな状態に持っていきます。この期間の練習は3~5㎞をマラソンペースで走り、身体にそのリズムを刻みこませることが主体です。ジョグは必須ではないので、疲労の抜け具合を見ながら判断してください。やりすぎは厳禁です。
練習期間にフルやハーフにエントリーしていない人もいるかもしれませんが、最近は河川敷のレースが増えているので、探せば直前でもエントリー可能です。この9週間は走るメニューと並行して毎日筋トレも行いましょう。特に後半の姿勢の崩れを防ぐため、体幹を鍛えることがお勧めです。もちろん疲労を持ち越さないために、睡眠や食事に気を配ることも必要です。やることが多いように感じますが、集中さえしてしまえば9週間はアッという間です。ぜひメリハリをつけながら過ごす期間を楽しんでいただきたいと思います。
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