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秋の本命レースで最高の走りを!マラソン勝負の2カ月間

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2026年10月02日

※本記事は『ランナーズ2026年11月号』掲載内容になります。(全5ページ/1ページ目)

イラスト/ hoco
イラスト/ hoco

秋のマラソンが近づいてきた。目標に届くか否か、ここからの積み重ねが結果を変える。「マラソンで結果を出すには2 カ月前からが勝負」と語るのは、「3 代目山の神」として知られ、実業団MABP マーヴェリックの選手兼監督を務めながら、市民ランナーの指導も行う神野大地さん。11 月~ 12 月のフルマラソンに出場するランナーに向け、本命レースでベストな走りを引き出すトレーニング法を伝授する。


本命レースで力を発揮するため
スイッチを2カ月間〝オン〟にする


多忙な市民ランナーが年中ハードな練習を続けるのは難しい。
だからこそ「2 カ月間は集中してほしい」と神野さんは勧める。


――神野さんがフルマラソンの2カ月前からを「勝負の時期」と考えているのはなぜでしょうか?

神野 市民ランナーの皆さんに一番大切なのは練習の継続だと思いますが、フルマラソンで結果を出すには普段のランニングに加えて本番を意識した練習が必要です。この頑張った効果が出るのがだいたい2カ月前後だからです。これを1カ月前からにすると、身体が適応する前の疲労がたまった状態でレースがきてしまいます。2カ月前から積み重ねることで、レースで力を発揮できるのです。

――一般的にフルマラソンのトレーニングは3カ月と言われることが多いと思います。

神野 もちろん、長い期間ハードなトレーニングをできるなら、それでいいと思います。でも、苦しい練習をずっと続けるって大変ですよね。その苦しさに負けないように、市民ランナーの方々が「心身のスイッチをオンにできる期間」として、2カ月間がちょうどいいと考えています。トップ選手の場合も、3カ月スパンの最初1カ月は走り込みに充てて、2カ月目から質を上げる練習をするケースが多いのではないかと思います。ですので、皆さんも3カ月前から練習の頻度を少しずつ増やし「準備」して2カ月前を迎えられると理想的です。

――神野さん自身は2カ月前からはどんなトレーニングをしていましたか?

神野 藤原新さんにコーチングを受けていた時は、目標のレースペースで走るトレーニングを重視していました。実業団のマラソン練習では速い1㎞×10本などのスピード走と30~40㎞走を組み合わせることが多いのですが、僕の場合そういった練習だとマラソンで力みが出て、必要以上に力を使ってしまうことがありました。そのため、2カ月前からは(1㎞マラソンペース+1㎞やや遅く)×10セットや(2㎞マラソンペース+1㎞やや遅く)×8セットなどの変化走で速いペースの区間を徐々に長くしていき、最終的には20㎞をレースペースで走っていました。週1回、こういった練習をメインにして、レースペースの動きに慣れ、それ以外にロング走や短いインターバル、坂ダッシュも組み合わせていきました。もちろん、疲労を残さないように睡眠を重視し、毎日ストレッチも実施する。普段以上にマラソンに集中する期間と位置付けていました。 マラソンはいろいろな要素が絡むのでいい練習ができても本番で失敗してしまうことがありましたが、2時間9分34秒で2位になった2021年の防府マラソンなど、良い結果だった時は2カ月前から充実した練習ができていました。


かみの・だいちさん
かみの・だいち
青山学院大学3年時に箱根駅伝5区で区間新記録を樹立。卒業後は実業団を経てプロランナーへ。2022年にRETO RUNNINGCLUBを設立。23年12月からMABPマーヴェリック選手兼監督(写真/ Shunya Kuroyanagi)

――市民ランナーが2カ月前から行うべきことは?

神野 まず普段より走る頻度を増やしてください。最低週3回、できれば4回以上。マラソンで一番大切なのは、継続して走って土台をつくることです。普段よりも意識して走る時間をつくり、トータルの走行距離を増やしてほしいです。

そして、その中に本番のペースや距離に慣れる練習を取り入れます。週1回行ってほしいのが、8~20㎞のレースペース走。先ほどの話とも重なりますが、レースペースで走り慣れていないと、走力はあるのにブレーキをかけてしまったり、無駄に力を使ってしまうことがあります。繰り返し走ることで、そのペースのリズムに慣れるので、マラソン本番に省エネで走れるようになります。20~30㎞のロング走も本番3週間前までに3回程度入れるのがいいでしょう。これはレースペースよりゆっくりでOKです。マラソンは長い時間走るので、それに耐えられる身体をつくります。身体が動かなくなってくる中で我慢するという、精神面のトレーニングにもなります。また、きつくなり始める地点や補給の方法などを確かめる機会でもあります。

――レースペース走の注意点はありますか?

神野 最初から20㎞行うのではなく、2カ月の中で徐々に距離を延ばすのがお勧めです。ただ、2カ月前に8㎞レースペース走を余裕をもってできない場合は、目標ペースを考え直した方がいいかもしれません。レースまでのスケジュールに余裕がある場合は、3カ月前からジョグの後半をレースペースに上げることを週1回程度行うと、スムーズにペース走に移れます。最終的に15~20㎞レースペース走を余裕をもってできれば、かなり目標達成に近づいていると思います。

――筋トレは必要ですか?

神野 市民ランナーの方々は多忙だと思うので、無理に筋トレをするぐらいなら、その時間で走ってほしいというのが僕の考えです。ただ、故障予防のためにストレッチはしてほしいです。そんなに長い時間をかける必要はなく、今日はお尻、明日はもも裏、明後日はふくらはぎ、のように1日1種目だけでいい。そして、レース1~2週間前からは、よりマラソンに集中する期間として全種目行ってください。

――他に注意すべきことはありますか?

神野 レース前になると多くの人が、調子が上がってくるので予定よりも練習のペースを上げたり、距離を延ばしがちです。また、本番でちゃんと走れるかという不安からキツい練習を入れて走力を試したくなることもあります。でも、そうすると、疲労が残ったり、調子のピークがずれてしまってもったいないです。レース2週間前からは走りたい気持ちを抑え、その分ストレッチに時間をかけたり、睡眠時間を多くするなどの方向に力を注いでほしいです。そして、例え本番の結果が悪かったとしても、マラソンに集中した2カ月間というのは無駄にはなっていません。どんな結果でも、その経験を次に活かしてほしいですね。


神野大地さんお薦め「勝負の2ヵ月間」の過ごし方









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