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ランナーズonline

【連載:バックヤードウルトラ⑥】国境も言語も超えて実感するランニングの力(世界のバックヤードウルトラを走る ― ポーランド前編)

2026年4月14日

2026年3月Backyard Ultra Warmia(ポーランド)、約70名の選手、そしてギャラリーが集まったスタートエリア_Sportowa Migawka (Joanna Litwiniuk)

2026年3月Backyard Ultra Warmia(ポーランド)、約70名の選手、そしてギャラリーが集まったスタートエリア_Sportowa Migawka (Joanna Litwiniuk)


「1時間で6.7km走る」ことを身体の限界まで繰り返す、バックヤードウルトラという競技をご存知でしょうか。近年国内外ウルトラランナーの間で人気が高まりつつあります。この競技に魅せられて脱サラ、大会に参加するだけでなく自身でも大会を企画、さらには普及活動も行っている水野倫太郎さんがその魅力について綴る連載です。


********


「バックヤードウルトラは、人と人を深くつなぐ」私はレースを走るたびに、その実感を強めています。

2025年10月、アメリカで開催されたバックヤードウルトラ世界選手権には、世界39カ国から約70名の選手が集結。私も日本代表の一人として参加しました。

言葉が通じない選手も多い中で、不思議と「通じる」感覚がありました。
その感覚をもっと味わいたい——そんな想いで世界中のバックヤードウルトラを走ることを今後の競技活動の軸に決めました。
その第1弾として、2026年3月。私はポーランドを訪れました。

なぜポーランドだったのか。昨年の世界選手権には、選手6名と数名のサポートクルーで構成されたポーランド代表チームがアメリカにやってきていました。
レースで思うような結果を残せなかった私は、まだ多くの選手が淡々と周回を重ねている会場をふらふらと歩いていました。そんなときに出会ったのが、ポーランド人のGrzegorz Baran(グジェゴシュ・バラン)でした。

サポートクルーとして現地に来ていた彼は、私にこう言葉をかけてくれました。
「君のパフォーマンスは素晴らしかった! 私はポーランドでバックヤードを主催しているんだ。君なら、いつでも私たちのレースに歓迎するよ」

社交辞令のようにも聞こえるその言葉を、私は真に受けることにしました。
世界選手権から帰国し、少し考えたのちに、彼が主催する Backyard Ultra Warmia(ヴァルミア) に出場することを決めたのです。

正直なところ、その時の私は「Warmia」がどこにあるのかも知りませんでした。
出場を伝えたメッセージに対するGrzegorzの返信には、驚きの内容が含まれていました。
「君と一緒に世界選手権を走ったポーランド代表のPaweł(パヴェウ)が、会場近くの街に住んでいる。君をホームステイさせてくれるよ」

Pawełに直接連絡を取ると、話はさらに予想外の方向へ進みます。テントをはじめ必要な機材を用意してくれるだけでなく、なんと私のサポートクルーまで引き受けてくれるというのです。

昨年のオーストラリアやアメリカのバックヤードウルトラでは、日本からサポートクルーに帯同してもらいました。しかし今回は単独渡航、ノーサポートで参加するつもりでした。
だからこそ、この申し出は嬉しい想定外でした。

ただ一つ、頭に浮かぶ疑問がありました。
——なぜPawełは、そこまでしてくれるのだろうか。
私たちは、世界選手権で一度会ったことがあるだけでした。
その疑問を抱えたまま、2026年3月。私はポーランドへ向かいました。

羽田空港を出発し、北京を経由してワルシャワへ。長いフライトの末、ポーランドの地に降り立ちます。
そこから電車で北へ約3時間。Pawełが住む街 Olsztyn(オルシュティン) にたどり着きました。

大会名に含まれる Warmia とは、ポーランド北部の地域名(Warmia-Mazury県)を指します。Olsztynはその中心都市です。
レース会場は、市街地から約5kmほどの郊外。湖のほとりの森の中を走るコースです。

ゆったりとした時間が流れる地域の人の憩いの場。そんな穏やかな場所で開催される Backyard Ultra Warmia は、2023年にスタートし、今年で4回目。過去には71LAPの記録も生まれている、ポーランド国内でも有数のバックヤードウルトラです。2026年の参加枠は70名。エントリー開始から わずか1時間で定員に達したという人気ぶりでした。

「走るはつなぐ」。その言葉の意味を、私はポーランドで改めて考えることになります。
Pawełが、なぜここまで温かく迎えてくれたのか。
Backyard Ultra Warmiaが人気を集める理由は何なのか。
そして肝心のレースの行方は——。

その答えは、後編でお伝えします。


2025年10月バックヤードウルトラ世界選手権(アメリカ)で出会ったGrzegorz Baran_Patrzę Kadrami(Aneta Mikulska)

2025年10月バックヤードウルトラ世界選手権(アメリカ)で出会ったGrzegorz Baran_Patrzę Kadrami(Aneta Mikulska)


<プロフィール>
みずの・みちたろう
プロウルトラランナー。1995年生まれ。神奈川県秦野市在住。バックヤードウルトラを主戦場に、2024年、2025年、日本代表として世界選手権に出場。自己ベストは 94LAP/約630km。
活動の軸は、走ること・伝えること・つくること。『走るはつなぐ』『共走』をテーマに、「丹沢ループス」「バックヤードウルトラ神奈川大会」等のイベント企画やバックヤードウルトラのドキュメンタリー上映会・ポッドキャスト配信にも精力的に取り組む。2026年は海外バックヤードを転戦予定。



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