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走って伝える、がん早期発見の大切さ がんサバイバー管理栄養士の挑戦
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子宮頸がん予防を啓発する高崎美スタイルマラソンに毎年参加している(写真は本人提供) |
月刊ランナーズではがんを乗り越えて走り続けるランナーを1人ずつ紹介する「走るがんサバイバー」を連載しています。7月号に登場した管理栄養士の篠原絵里佳さん(52歳・東京)は自身の経験からがんの早期発見の啓蒙に尽力。子宮頸がん予防を啓発する10月の「高崎美スタイルマラソン」にも毎年参加しています(※「高崎美スタイルマラソン」は現在エントリー受付中)。7月号の記事を掲載します。
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管理栄養士として内科と婦人科で栄養・睡眠相談を担当し、講演会、セミナー講師、コラム執筆なども手がける篠原絵里佳さんは、2010年にランニングをスタートした。仕事の一つに講演や雑誌のコラムを通じたランナー向け食事のアドバイスがあったため、自分も走ったほうが説得力が増すだろうと考えた。
翌11年の渋谷・表参道WOMEN'SRUNを経て、12年の名古屋ウィメンズで初めてフルマラソンに挑戦した。以来、年に1度はフルマラソンを走るようになり、自己ベストは14年名古屋ウィメンズの4時間41分33秒。「1人で練習するのはつらいけれど、大会はいつも楽しい。ランナーと強い信頼関係を結べた」と話す。
そうした中、21年の人間ドックで乳がんが見つかった。「超早期発見」で6mmの小さながんだった。父親ががんのため52歳で亡くなったのがキッカケで毎年、人間ドックを受けていたのが幸いした。
8月に手術を受け、12月まで放射線治療を続けた。その治療中はウォーキングをし、治療終了後に再び走り始めた。距離は3km、5km、10kmと延びた。「練習すれば、するだけ体力が戻った」
ただちにランニングを再開した理由は2つある。1つは自分の身体のため。がんの治療薬を飲み続けると太りやすい。太ると再発リスクが高まる。だから運動が必要だった。もう1つは、がん経験者に前向きな情報を発信しようと考えたからだ。
「がんになっても治療を終えたら、以前と同じ生活ができると伝えたい。悩んでいる人に希望を持ってもらいたい」
その思いから、ブログやピンクリボン運動の講演、乳がん体験者の会で、治療後の経過やランニングの心温まる体験を伝え、医療従事者の使命として早期発見の重要性を訴えてきた。
大会で子宮頸がん予防を啓発
早期発見だったとはいえ、篠原さんの脳裏にも再発の心配が浮かんだことがある。ブログにはこう綴られている。「もし再発したとしても、それが私の人生。あの時こうしておけば良かったと思うことのないように、やりたいことはやろう」
普段のランニングは週に2~3回。大会に向けては月間100kmを走り、自重の筋トレもする。23年の東京レガシーハーフで手術後初のレースに臨み、24年の名古屋ウィメンズも走り切った。子宮頸がん予防を啓発する高崎美スタイルマラソン(10km)にも12年の第1回から参加している。通算13回目のフルマラソンだった今年の名古屋ウィメンズは5時間24分0秒で完走した。
「エネルギー補給を綿密に考えたこともあって、今までで一番快適に走れました」と振り返る。「走るとメンタル面のメリットが大きい。ストレスを発散できるし、前向きになれる。仲間が増えるのもいいですね」。篠原さんにとってランニングはどのような存在なのか? 「心の栄養です」
(文/吉田誠一)
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