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「陸上界に新しい道を切り拓く」新生実業団チームGMの描く未来図
高木さんはプロモーションをはじめマネジメント業務全般を担当する(写真/EKIDEN NEWS) |
ランニング界を支える人々を紹介する連載「ランニングで生きていく」。発売中の7月号に登場するのは、2023年に発足したMABPマーヴェリックゼネラルマネージャーの高木聖也さん(32歳)です。
かつて青山学院大学陸上競技部長距離ブロックの主務としてチームを支えた高木さんが、監督兼プレイングマネージャーの神野大地選手とともに骨格を築いてきたこのチームは、「陸上界に新しい道を切り拓く」というミッションを掲げています。ここでは、記事を一部編集してご紹介します。
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高木さんは「実業団チームは構造的にこのままでいいのでしょうか」と問題提起する。「実業団チームは企業に完全に依存している。選手は競技だけにフォーカスすればいいので恵まれているけれど、本業の業績しだいで休廃部の恐れがある」。近年はエスビー食品、日清食品グループ、ホクレン、DeNAなどの例がある。
その現状を踏まえて、「サッカーのJリーグやバスケットボールのBリーグのようにチームが法人格を持って自走していくのが理想だと思う」と話す。
将来の独立採算を目指すからこそ、チームに専任の営業担当を4月より2人採用。まだチームの価値を表す戦績がほぼ白紙の状態ではあるが、パートナー企業を募る営業を始めている。堀尾謙介(中央大出)、鬼塚翔太(東海大出)ら10人の選手(MABPの社員)には練習以外の時間に、業務としてランニング教室のプログラムや高木さんが重視するYouTubeのコンテンツの企画、SNS発信に取り組ませている。いずれはスポンサー営業に同席してもらう。
大手銀行を退社、神野選手と会社設立
高木さんは大学卒業後、大手銀行で法人向け融資を担当した。だが、青学大の後輩である神野選手の「プロになるのでサポートしてほしい」という依頼を受け、社会人4年目に退職した。
神野選手のマネジメント会社としてNew Effortを設立。市民ランナー向けのRETO RUNNING CLUBの運営、ランソックス、タオルなどの企画・販売も手掛けてきた。そして、実業団チームのGMへ―――と人生は大きく動いた。
故障に苦しんだ青学大では2年で競技を断念したものの、いまは市民ランナーとして走っている。フルマラソンのベストは24年とくしまマラソンで出した2時間28分47秒。同年の信越五岳110kmでは3位に入賞した。
マーヴェリックのGMとしては、まだスタートラインに立ったところだ。構想は手近なものから夢のようなものまである。
Jリーグのアカデミーのような選手の育成組織をつくりたい。
パートナー企業とのコラボで地域貢献活動をしたい。
ランニングを生かして街を健康にしたい。
誰でも利用できる競技場をつくりたい。
「市民ランナーにどの駅伝チームを応援していますかと聞いたら、実業団ではなく青学とか駒沢とか大学の名前が挙がるでしょう。マーヴェリックだよと言われるようにしたいんです」。新しい道を切り拓いていく熱意に満ちている。
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発売中のランナーズ7月号では、MABPマーヴェリックの報酬制度や選手のセカンドキャリアについてなど全文を掲載しています。ぜひご覧ください。
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