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制限時間7時間の中では2番目に平均タイムが速かったみえ松阪マラソン
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「全日本マラソンランキング」に関する様々なデータを取り上げるこの企画。今回紹介するデータは、大会ごとの完走者の平均タイムです。
「記録の出やすさ」は、大会選びのポイントのひとつ。HPなどで「フラットで記録の出やすいコース」とうたっている大会は数多くあります。では、本当に記録の出やすい大会はどこなのか。そこで2022年度(2022年4月~2023年3月)の「全日本マラソンランキング」のデータから、各大会の完走者の平均タイムを算出し、それを比較してみました。ただし、平均タイムは制限時間に大きく影響されます。そのため今回は、制限時間をそろえた上での比較としました。特に数の多い、制限時間6時間、7時間の大会の平均タイムTOP3を紹介します。
1位 | 加古川マラソン(12月・兵庫) | 3時間56分10秒 |
2位 | 札幌・モエレ沼 Trial Marathon(5月・北海道) | 3時間59分26秒 |
3位 | 勝田全国マラソン(1月・茨城) | 4時間2分9秒 |
1位 | 板橋Cityマラソン(3月・東京) | 4時間16分18秒 |
2位 | みえ松阪マラソン(12月・三重) | 4時間26分33秒 |
3位 | 東京マラソン(3月・東京) | 4時間30分6秒 |
7時間2位のみえ松阪マラソンを除く5大会に共通するのは、コースがフラットであること。高低差にするとどれも40m以下です。一方、みえ松阪マラソンの高低差は80m近くあり、フラットなコースとはいえませんが、大会レポには応援や給食の充実を讃えるコメントが多数。なかには「30km過ぎの長いトンネルはクリスマスイルミネーションで飾られていて、いつもなら力尽きる魔の30kmが楽しい気分に」というものもあり、こうした大会のホスピタリティがランナーの好記録を後押ししたとも考えられます。また、7時間3位の東京マラソンは、平坦なコースはもちろん、多数参加しているエリートランナー、準エリートランナーたちの記録が平均タイムを押し上げた可能性が高いといえるでしょう。
このランキングは、あくまでも2022年度大会の結果を元にしています。年によって風や気温などの気象条件が異なるため、今回紹介した大会が毎年「記録の出やすい大会」であるとは限りません。実際、1位の加古川マラソンや板橋Cityマラソンも年によっては「風や寒さがきつい」「暑かった」などのコメントが大会レポに寄せられており、今回の1位も偶然の要素があるかもしれません。しかし、これらの大会がフラットなコースや気象条件だけに頼るのではなく、ランナーの記録達成をサポートする運営を長年行ってきたのも事実です。例えば、エイドステーションの数。加古川マラソンでは約2.5kmごと、板橋Cityマラソンでは約1.5~3.5kmごとと多数の給水・給食を提供。さらにペースランナーも毎年設置しています。このような実績が記録を狙うランナーたちを大会に呼び寄せ、その結果、完走者の平均タイムが高くなったという側面も否定できないでしょう。言い換えれば平均タイムの高さは、「この大会は本気で記録達成をサポートしてくれる」というランナーからの信頼の厚さも多分に関係している、といえるのではないでしょうか。
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