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ひざ痛=ランニング人生終了、というわけでは決してありません。
運動器を形成する組織には、骨、筋肉、腱や靭帯、関節軟骨などがありますが、ランニング障害の大部分は、腱や靭帯の線維組織が損傷することによるものです。
特に、これらの線維が骨についている部分に起こりやすく、身体の中で引っ張られたり、擦れたりすることで少しずつ弱っていき、不愉快な運動痛を伴います。
過剰な運動で線維の負担が増えると、弱いところから切れていき、それが繰り返されることで、炎症や痛み物質が発生し、ついには障害に至ってしまうのです。
小さな亀裂のうちに休養をしっかりとれば、障害部分は修復するばかりか、さらに強くなるのが人間の身体です。
ところが毎日でも走りたいというランナーの場合、傷が治るタイミングを逸してどんどん悪化させてしまうのです。
ひざのどの部位が痛いかで、ある程度の判断はつきます。
例えばひざ前面が痛いなら、ひざを伸ばす動作をする「膝伸展機構」(大腿四頭筋、膝蓋骨、膝蓋靭帯など)の障害である可能性が高く、ひざ内側が痛い場合は、主に加齢が原因とされる「変形性膝関節症」や「鵞足炎(がそくえん)」など。
またひざ外側なら「腸脛靭帯炎」というケースが多いのです(下図参照)。
痛みが出る部位と代表的な症例
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●腸脛靭帯炎
腰部の腸骨と脛骨とを連結している、長い靭帯である「腸脛靭帯」が、ひざの曲げ伸ばしによって、ひざ外側にある突き出た骨の部分を乗り越えて、位置が前後に移動するため、その際の摩擦により細胞破壊が起こり腸脛靭帯炎を引き起こすことがあります。
【対処法】
重症化した場合は、思い切って休養期間を設けることが重要です。その間は、上半身の強化や水中ウォーキングなどを行うとよいでしょう。
●膝蓋靭帯炎(ジャンパーひざ)
着地時の大きな衝撃が、大腿四頭筋から膝蓋骨を介して膝蓋靭帯にかかることによって痛みが起こる場合があります。
【対処法】
痛みがなくなるまでランニングを中止するのが無難。
休養中は大腿四頭筋の筋トレやストレッチを行いましょう。
●鵞足炎
膝蓋靭帯炎同様、膝伸展機構の障害です。ひざの内側やや後方が痛くなるのが特徴。
【対処法】
太ももの内側の筋肉をストレッチを行いましょう。
痛みが現れるかどうかは、負荷と靭帯との強さのバランスで決まります。
自分の走力(力に耐える能力と、発揮する能力)以上のスピードや距離を走ってしまうと、ひざ痛が出やすいのです。
たとえばビギナーが、急に速さや距離を伸ばしたときなどです。
走ると痛むとか、走っているうちに痛みがなくなる、というレベルであれば、練習量を落として様子をみましょう。
日常生活に支障をきたしだしたら、整形外科を受診することです。
ランニング障害は必ず治ります。だから決して焦らないこと。
次回に故障時の日常ケアについて説明します。
※月刊ランナーズより抜粋
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