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中高年からでも、ランニングを行うことで心肺機能が発達し、動脈硬化を防ぐことにもつながります。
ところが、ごくまれにレース中に心停止となってしまう残念な例があります。
40代後半のある男性ランナーは、自身10回目となるフルマラソンの40km手前で突然心停止となり救急搬送されました。
自覚症状もなく、健康診断でも特に問題がなかったため青天の霹靂だったようですが、心臓に栄養を与える血管(冠動脈)に痙攣が起こって発症する「冠れん縮性狭心症」が疑われる例でした。
これは一見動脈硬化のリスクとは無関係に見える痩せ型、30~40代などでも狭心症が発症するケースで日本人に多い症例です。
レースで負担をかけた状態で「前日の深酒」「睡眠不足」「脱水」「喫煙歴」などの要因が重なると、自律神経の働きで異常が起こり、血管の痙攣が発生するのです。
突発的に起こるため症状がないときには心電図検査にも出ず、健康診断などでは「正常」とされます。
特に40代からのメタボ健診をきっかけに走り始めたような方は、それまでの生活で蓄積された動脈硬化を念頭に置く必要があります。
上記の要因が重なって起きないように、体調管理をすることは男女、年齢問わず必要ですが、特に中高年ランナーは気をつけるべき点です。
ランニングをするようになって、様々な血液検査の数値が改善したのに、なぜかコレステロール値だけが異常に高い人は、遺伝が要因で心筋梗塞を起こしやすい「家族性高コレステロール血症」の可能性があります(500人にひとりの割合)。
心臓病の親族がいる場合は、詳しい病名を調べて知っておくべきでしょう。
また心臓そのものに異常がある場合は、日常生活で以下のような予兆を感じるケースがあるので、こんな場合は検査を行うようにしましょう。
・動悸、胸の圧迫感、息苦しさ
・胸全体に重石を乗せられたような感覚
・胸苦しさとともに、歯の痛み、喉や胸が焼けるような感覚(心臓は放散痛といって周辺への痛みが乗じる場合がある)
・走ると発生し、止まると消える
心肺を追い込む経験をしているランナーは、運動をしない人よりも、いつもと違う感覚が感じやすいはずです。
走った後に「心地よい疲れ」ではなかったときは特に要注意です。
※月刊ランナーズより抜粋
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