本誌では1984年10月、1カ月間に何km走れるかを競う「月間走り込み大会」をスタート。後に「オクトーバー・ラン&ウォーク」「さつきラン&ウォーク」へと発展していくこの企画からは月間1000kmを超える〝超人〟たちが次々に登場しました。その中でも際立った個性のある4人を紹介します。
両角一浩さん(1985年1月号)
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1984年10月に本誌が初めて開催した「月間走り込み大会」。全都道府県から2630人が参加し、男子優勝を飾ったのは群馬県富岡市の23歳、両角一浩さんだった。申告した目標は1500kmで、実際に走ったのは1502km。走行距離の約4分の3にあたる1150kmを、自宅裏の一周340mの桑畑で走った。アスファルトでは疲れがたまりやすく、脚を痛めやすいとして、途中から土道やトラックを中心に走った。
「桑畑では車の心配もいらないし、できるだけ長く走ろうという考えに集中でき、大変走りやすいんです」
10月は毎日1時間、一日も休まずにウエイトトレーニングも継続。普段は家業の新聞販売店を手伝っているが、10月は月間走り込み大会に集中したという。10月28日には自宅から御荷鉾スーパー林道まで65kmを往復する130kmのマラニックも行った。マラソンの自己最高は2時間40分だが、本人が目指していたのはウルトラマラソン。翌年1月1日に一人で24時間走を計画し、48時間走、6日間走なども見据えていた。
太田弘和さん(1986年1月号)
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4628人が参加した1985年10月の「第2回月間走り込み大会」で2120kmを走って優勝した愛知県豊田市の太田弘和さん(33歳)。愛知県の高校教員で、期間中は朝3時半に起床。20km走ってから朝食をとり、11kmの通勤ランで学校へ。授業の前後や昼休みにグラウンドを走り、帰りも通勤ラン。夜は8時に寝る。1日の走行距離は60~70kmに達した。
普段の月間走行距離は500~600km。走った場所の多くは学校のグラウンドや河川敷の土で、平日はマシンを使った筋トレも30分ほど行っていた。週末は農業を営む実家の稲刈りがあったが、結婚して1年目の新妻(23歳)に「学校で用事があるんだ」と言って走った。
「最初は1500kmくらいかなと思っていました。2000kmを越した時はやったぁと思いました」
岩立幸一さん(2020年10月号)
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2020年10月に2222.22kmを記録した岩立幸一さん(49歳)。9月27日からは仕事を休んで青森から下関まで走る「本州縦断フットレース」にも挑戦し、1521kmを14日11時間35分で完走して大会記録を更新した。「15日しか休みが取れず『新記録の15日で完走しなくては』との思いでした」
都内の印刷会社に勤める岩立さんは普段、埼玉県吉川市から勤務先まで片道20~30kmを走って通勤。朝5時半に家を出て約3時間走り、帰りも走る日もある。休日は60kmほどのジョギングをする。
もともと月間800km走っていたが、ランニングGPSアプリ「TATTA」の走り込み企画で距離がさらに増加。20年4月から4カ月連続で1500km以上走り、合計6365kmを記録している。
その登録アカウント名などから「鉄人ガンツ」と呼ばれる岩立さんは、子どものサッカーの審判をした際に体力のなさを感じたことがキッカケで、40歳でランニングを始めた。約80㎏だった体重を20㎏以上減らし、フルマラソンも初挑戦の3時間46分10秒から2時間54分26秒まで縮めた。コロナ禍で大会がなくなったため、「代わりにTATTAの走り込みイベントに情熱を燃やせている」と話していた。
倉井克幸さん(2022年9月号)
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2022年5月、「さつきラン&ウォーク」で倉井克幸さん(39歳)は3058.37kmを走った。目標は3100km。青森から下関まで1550kmを走る「本州縦断フットレース」を往復すれば届く距離と考え、大会期間中に本州を往復した。約29日19時間で走り切り、コースレコードを更新した。
5月1日午前0時に下関をスタートし、中旬までは1日120kmを目安に走った。疲労がたまると午前4時半に走り始め、翌日午前2時ごろまで走る日も。食事は歩きながらとり、夜はテントで寝た。睡魔に襲われるとバス停で数分間の仮眠を取り、脚の痛みには消炎鎮痛剤や自己流のマッサージ、ストレッチで対応した。普段は4歳の息子を乗せたバギーランも実践。本州縦断往復に向けて1000km走った4月は、その約半分がバギーランだった。
倉井さんはシャンソン歌手として活動しながら、08年に100kmレース、15年には400kmレースに挑戦。14年の奥熊野いだ天ウルトラマラソン100kmでは8時間1分30秒で優勝した。高校時代はフランスに留学して「人生、楽しまなきゃいけない。好きなことのために生きる」という考え方に影響を受けた。
「アクシデントがある中でどう乗り越えて走り切るか、これこそが人生と同じで面白いと思うんです」
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