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私が思うに、月100~120kmではサブフォーまでは行ける可能性がありますが、サブ3.5は特別な要素がないと難しいと思います。月120kmの走行距離で3時間20分で走っている井上咲楽さんの場合、3つの要素があると思います。
1つはハードな徹夜ロケの後でも走れるぐらい非常に体力があること、
2つ目はトレイルランニングで強い脚をつくっていること、
3つ目が夜中に1人でもインターバル走などに取り組む強い意志があることです。
1つ目は栃木の山の方で育ったというバックボーンが関係していると思います。2つ目のトレイルランニングは月数回程度らしいですが、始めた頃から明らかに走力が伸びています。
そして3つ目の強い意志。芸能界で売れっ子の人たちはどんなことでも仕事としてやり遂げる覚悟があると思います。その中で培われたものか、もともと持っていたものか分かりませんが、彼女はこうと決めたら必ずやる。仕事で夜11時を回ってもその後走ると聞きました。誰にでも真似できるものではありませんが、こうした姿勢と執念があれば、練習量がそれほど多くなくても速くなれるのかもしれません。
今回の企画に合わせて、ランナーズ編集部ではe-moshicomで月間100km前後(150km以下)のランナーにアンケートを実施、285人から回答をいただきました。データを分析すると、スピード走を実施しレースに多く出場するという、100kmで速くなったランナーの特徴が見えてきました。
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アンケートに回答したランナーの練習1回あたりの平均走行距離とマラソンタイムの関係を箱ひげ図で表したもの。それぞれ中央の箱がボリュームゾーンとなっている。1回11~14kmのランナーが最も速かった。(記載のタイムはそれぞれ中央値)
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アンケート項目
過去3年以内のマラソンベストタイム/月間走行距離/その走行距離で速くなる「コツ」はありますか?/なぜ走行距離を100km前後にしていますか?/ 1週間のうち走る日数/ 1回の走行距離の平均/行っているトレーニングを選んでください(ペース走、ロング走、スピード走、坂ダッシュなどから複数選択)/中でも最も重視しているものは/ 1年間でフルマラソンを走る回数/ 1年間でフルマラソン以外のレースを走る回数/筋トレやストレッチは実施しているか/過去1年間で走れなくなったケガは/疲労を感じた時に真っ先に削るもの/月間100km前後でどこまで速くなれると思うか
アンケート回答者285人の過去3年以内のタイムは4時間以降が101人、サブフォーが184人(サブフォー率64.6%)と、マラソン完走者全体のサブフォー率(約25%)よりもかなり高い結果となった。そのため、以降のデータは「月間100km前後で走力を伸ばした(一般より高い走力を持つ)ランナーのもの」としてご覧いただきたい。
さらにタイムをみるとサブ3.5が約30%、サブスリーをしているランナーも約7%(21人)いた。ただし、サブスリーランナーの年齢中央値は34歳と全回答者の中央値(46歳)に比べて12歳も低く、若くてスピードのある層のみが到達できる領域と推測できる。サブ3.5の中央値は44歳だったことから、多くのランナーにとって月100km前後ではサブ3.5が到達点といえるかもしれない。
続いて100kmの内訳として「1回の走る距離」とタイムの関係に注目すると、最も速いのが1回11~14kmのランナー(中央値3時間33分16秒)、最も遅いのが1回6km以下のランナー(4時間5分52秒)という結果になった。1回の距離が短くなるほど頻度は高くなるが、前ページで岩山海渡先生が述べているように、「短い距離を積み重ねてもマラソンの耐性はつきづらい」ということが実証されている。また、1回15km以上のランナー(3時間53分46秒)が11~14kmより遅くなっているのは、月間100km前後で1回15km以上走ると頻度が少なくなり、岩本能史コーチが語っていた「間が空きすぎるとトレーニング効果が薄くなる」ということが関係していそうだ。
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実践した練習メニューごとのタイムとの関係(実践者の平均タイムと未実践者の平均タイムの比較)では、「変化走」(実践者の方が未実践者より30分速い)「坂ダッシュ」(同28分)「スピード走」(同22分)と、「スピード系」のメニューが上位に続いた。
月100km前後で速くなろうと思ったら、スピードを上げて走ることが必要といえそうだ。なお、サブ3.5ランナーとサブフォーランナーの実践しているメニューは左の通り。スピード走、ビルドアップ走、坂ダッシュなどはサブ3.5の方が多く実施しており、ロング走やLSDはサブフォーの方が多く実施していた。
年間で出場するフルマラソンの回数は全体の8割以上が3回以下だったが、1回のランナー(中央値3時間57分)より2~4回(3時間46~48分)の方が明確に速く、5回以上(3時間34分)はさらに速くなっていた。さらにフルマラソン以外のレースにも年6回以上参加するランナーが最も速かった。フルマラソンやハーフマラソンを走ることを速くなるコツとして挙げているランナーがいたように、やはりレースは最高の練習といえるかもしれない(ただし、多忙なランナーが頻繁にレース出場するのは簡単ではなさそう)。また、回答者のうち約6割がケガでランニングを休んだ経験があり、100km前後の走行距離でも練習だけでなくケアも重要と分かる(故障部位はひざ、腰・股関節、太ももの順に多かった)
最後に、回答者たちの速くなるコツをタイム別に紹介する。
【
サブ3.5
】
この層は距離を踏めない分をスピード走など高負荷で補っている。「坂道練習は定期的に行う。大会前に練習会などに参加してスピード練習」(40歳男性・3時間18分33秒)「山を走るトレランを中心にスタミナと脚力強化しています」(56歳男性・3時間16分55秒)
【
サブフォー
】
「レースペースへの余裕度づくり」と「練習の目的化」を重視する傾向が強い。「レースでキロ5分30秒が楽になるよう、12kmくらいを5分0~15秒で走っています」(58歳男性・3時間59分45秒)「15kmを基本に走る。適度にきつく、途中や後半ビルドアップすれば軽いスピード練習にもなって効果を実感」(42歳男性・3時間37分51秒)
【4
時間以降
】
「生活の中での運動の継続」や「ちょっとした変化」を工夫する傾向があった。「ただ走るだけではなく少しだけメリハリをつけたコースや強度を意識する」(52歳女性・4時間28分18秒)「週末はロング走、レース前はビルドアップ走を入れつつ、無理せず継続して走る」(45歳女性・4時間34分53秒)
これまでの取材で判明した「月間100km前後のランナーが速くなる方法」を編集部がまとめました。
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当初、本企画を実施するにあたって「月間100kmでどこまで速くなれる?」という題でアンケートを呼び掛けた際、SNSでは「100kmでは速くなれないのでは」「故障してしまうから推奨するのは危険」などといった意見も見られた。しかし、既に紹介しているように、多忙な中で月100km前後しか走れない人が多いのも事実。そして、アンケートに寄せられた約300件の回答や、取材に応じてくれたランナーたちの姿からは「今の生活の中でできるだけ速くなりたい」という思いが伝わってきた。その中で「速くなるための条件」として見えてきたのが、次の五つだ。
① 呼吸を追い込む「スピード走」は程度の差こそあれ、井上咲楽さんもその後に登場したランナーたちもほとんどが実施していた。少ない距離で速くなるには必須であり、月間100kmの場合はマラソン本番で苦しくなることは避けられないので、その苦しさへの対策ともなる。
② 岩本コーチや岩山先生が語っていたように、練習効果を維持するためには4日連続で走らない日は作らないようにし、マラソン後半につながる力をつけるために週1回は11km以上走りたい。
③ 月間100km前後で速くなるためには、「継続的なトレーニング」が必要。そのためには故障で練習ができなくなるのは避けたいところであり、予防のための筋トレ(スクワットやジャンピングランジ)にも取り組むべきだ。
④ 約300人のアンケートデータで示されたように、フルマラソンは年2回以上出走し、ハーフマラソン以下の距離のレースにも積極的に出場したい。走行距離が少ないとレース1回1回が最高のトレーニングとなることはもちろん、エントリーしていることが練習を継続するモチベーションとなる。
⑤ ①でも記載したが、月間100km前後でマラソンに出場すると本番必ずキツい局面が訪れる。あらかじめそれを覚悟しておき、「ポジティブでい続ける」「あきらめない」「自分なりの打開策を用意しておく」というのが今回の多くのランナーに共通していた点だ。
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