※本記事は『ランナーズ2026年6月号』掲載内容になります。
「走行距離を延ばした方が速くなることは分かっているけどなかなか難しい……」というランナーの皆様、分かっております! そこで、今回は多忙なランナーの皆様に向けて「月100km前後で速くなる方法」を紹介。まずはタレントの井上咲楽さんに月間走行距離120km前後で自己ベスト3時間20分20秒を記録した秘訣を聞きました。
現在はランニング関係の出演や取材も増えて現在はランニング関係の出演や取材も増えている(PIVOT「なぜ痩せない?ランニングの新常識」より※番組はYouTubeで視聴可能)
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月間120km前後の女性が3時間20分で走るというのはかなり速いですが、井上さんはどなたかに指導を受けているのですか。また、走力が伸びたのはいつ頃からですか?
井上:決まったコーチはいなくて、練習内容はいつも自分で考えています。記録が伸び始めたのは、2022年にランスマ倶楽部に出るようになってからですね。それまではタイムを計る専用の時計も持っていませんでした。一緒に出演している金(哲彦)さんやハリー(杉山)さんに「30km走をした方がいい」「スピード練習をした方がいい」とアドバイスもいただいて、ジョグ以外にも取り組み始めました。走行距離は変わっていないのですが、いろいろなメニューをこなすようになって記録が伸びていきました。番組に出た当初は「3時間40分切り」が目標でしたが、23年の松江城マラソンでサブ3.5を達成して、昨年の長野マラソンで3時間20分49秒、今年2月のUP RUN彩湖マラソンで3時間20分20秒を出しました(UP RUN彩湖マラソン※はさいたまマラソンが雪で中止になったため出走)。※日本陸連非公認コース
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走り出した当初から月間100km前後だったのでしょうか。
井上:走り出した頃はもう少し多く走っていたと思います。走るのは夜が多いのですが、当時は19歳でお酒が飲めなかったので、夜の付き合いもなくてほぼ毎日走っていました。今は朝から仕事で遠方に行ったり、夜までロケがあることもあってなかなか決まった時間に走ることは難しいです。料理やプライベートでもやりたいことがありますし。その中でも週4日は「ここでランニングをする」と予定を決めておいて、移動する前とか夜の仕事後など時間をつくって走るようにしています。今の生活スタイルを崩さずに走っていると、120kmぐらいになるという感じです。
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記録向上に一番効果的だった要因はなんでしょうか。
井上:やっぱりスピード練習ですね。インターバル走をするようになって、「フォームにバネが出てきたね」と言われるようになりました。最初の頃はハリーさんのチームと一緒にやっていたのですが、毎回オールアウトするのがしんどくて、今は1人で行うことが多いです。仕事も不規則なので、融通を利かせられるという意味でも1人でできるようになった方がいいかなと。
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マラソンに向けた具体的なトレーニングを教えてください。
井上:普段はジョギングを中心に練習していて、7〜10日に1回程度スピード練習をしています。そして、マラソン5週間前になったら本番に向けた練習に入ります。よくマラソン練習は3カ月前からという話も聞きますが、それだと3カ月間ずっと頭がレースに支配されてしまうので、疲れるなと思って。私には5週間がちょうどいいんです。5週間前からはインターバル走とペース走を週1回ずつ行い、あとは週2回ぐらいジョグをします。レースの4〜3週間前には30km走もするようにしています。
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インターバル走やペース走のタイム設定などはどのぐらいですか?
井上:いずれのメニューも先ほど言ったように今は1人で行っています。そのため、大切にしているのは「継続できる内容にする」ことです。1kmのインターバル走はキロ4分15秒ぐらいで走ったら、500mをジョグでつないで5本行います。10kmペース走はキロ4分30秒ぐらいです。ハリーさんたちと練習していた時は1kmのインターバル走は3分台の設定だったので、今はそれに比べたらペース設定は遅めで7〜8割ぐらいの追い込み方です。でも、キツすぎないからこそ仕事後に1人ででも実践する気になりますし、毎週繰り返しできます。以前は「もっと練習した方がいいんじゃないか」とレースを意識しすぎて焦ってしまうこともあったのですが、「走るのは週4回で、インターバル走とペース走を1日ずつ、あと2日はジョグ」とメニューを固定し、割り切ってやるようにしたら、その日のベストを尽くせばいいと思えて、集中力を高めて走れるようになりました。
写真/小野口健太
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割り切りがポイントなんですね。
井上:もちろんもっと練習している人も多いですが、自分はこれをやる、と決めてからは忙しい日に走れないことへの罪悪感が消えましたし、仕事等走る以外の時間の使い方もスムーズになりました。
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走行距離がそれほど多くない中で、スタミナ面はどのように鍛えているのですか?
井上:マラソンの1カ月前ぐらいに30km走をしています。以前30km走をしないで出たマラソンでは失速してしまったので、やっぱり私には必要だなと。ペースはキロ5分30秒ぐらいです。今年2月のマラソンに向けては、それに加えて3時間走もしました。私のマラソンのタイムがだいたい3時間20分ぐらいなので、ゆっくりでも3時間走っておくと本番はプラス20分でいいので「これでもう大丈夫」と安心感がありました。今回ベストが出たのはこうした長い練習と速い練習をうまく組み合わせられたからだと思います。本番より速いペースと遅いペースで走っていることで、その中間であるマラソンペースがとても楽に感じました。
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その他に工夫している点などはありますか?
井上:これまではスピード練習でカーボン厚底シューズをはいて、30km走はジョグシューズで行っていましたが、それを逆にしました。スピード練習をジョグシューズにしたのは助力をもらわないで、自分の脚の力で走って鍛えるためです。逆に30km走では、これまでレース後半で疲れてくるとシューズを使いこなせなくなる感覚があったので、あえて本番のシューズをはいてその対策をしました。
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井上さんはトレランもやっていますよね?
井上:トレランは楽しいから走っていますね。ロードだとどうしてもタイムを意識してしまうんですけど、トレランは綺麗な景色を見ながら走れますし、いろいろな楽しみがあります。今はだいたい1カ月に1回ぐらい山で走っています。
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改めて月120km前後で速くなるコツを教えてください。
井上:今は速くなるための理論やメソッドがたくさんあると思うのですが、皆さんそれぞれ生活スタイルや性格によってできなかったり苦手なことがありますよね。だから、私が追い込むことが苦手でゆとりをもったスピード練習をしているように、理論やメソッドを自分の状況に合わせて変えて、できる方法でやっていくのが大切なのかなと思っています。
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