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SPORTSレース前夜と当日朝の食事のとり方とは?
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味の素株式会社がアスリートの栄養環境を改善するために実施する栄養プログラム「勝ち飯®」。この連載ではランナーが知っておくべきバランスのとれた食事の重要性やメニューの考え方を紹介していています。今回のテーマは「レース前夜と当日朝の食事のとり方」です。練習の成果をレース本番で100%出すためには食事の配慮が必要です。摂るべき栄養素を知ると同時に避けた方がいい食事もありますので、知識として知っておくと安心です。今回も競泳の2008年北京五輪代表で、管理栄養士の柴田隆一さんに調整期の食事のポイントを教えて頂きます。
GI値の低い食材でエネルギー補充を
レースが近づいてくるとどうしても特別なことをしたくなるかもしれませんが、「勝ち飯®」の基本である1日3回の食事で「主食」、「主菜」、「副菜」、「汁物」、「牛乳・乳製品」の「5つの輪」に、「果物」を加える食事をこれまで通り実践することがまずはベースになります。
そのうえでフルマラソンを走るのであればエネルギーを蓄えるために、「主食」を少し変えていくといいでしょう。以前にもこの連載で紹介したGI値(グリセミック・インデックス)の低い食品は血糖値を緩やかに上げていくので、レース後半までエネルギーを維持することができます。前日の夜や当日の朝の主食は玄米や胚芽米、パンであれば全粒粉パンがお勧めです。また果物もエネルギー源の補給になります。バナナは糖質が多く、レース当日の補食として最適ですし、筋肉の収縮の働きを促すカリウムも含まれており、けいれん対策にもなります。
レース前日の夜から避けて欲しいのは何の食材にせよ、「極端なもの」です。すごく辛いとか、すごく冷たいものは内臓に負担をかけ、パフォーマンスの発揮を妨げます。また生ものも避けた方がいいでしょう。
そしてレース前日のお酒はNGです。利尿作用があるために体内の水分バランスが崩れ、脱水が進むリスクがあります。ビールは糖質も多く、「エネルギーになる」と考える方もいるかもしれませんが、お酒で得られるカロリーは「エンプティカロリー」と言って、エネルギーとして体内に蓄積されないものです。私は現役時代、試合で遠征に出た時の食事での飲み物は、ビュッフェで必ず牛乳とオレンジジュースの2つのグラスを取るようにしていました。カルシウムとビタミンCを取ることが目的です。しっかり水分を取る意味でもこうした飲み物にしておきましょう。
コンビニ食でもバランスを重視
レース当日の朝食はスタートの3時間前にとり、その後は補食で補うのが理想です。ここでも胃に負担をかけないように通常の食事をとると同時に、補食は先ほども上げたバナナやエネルギーゼリーが効果的です。
自宅で食べたり、ホテルのビュッフェが利用できれば問題ないと思いますが、市民マラソンではスタート時間が早いことが多く、コンビニなどで朝ご飯を調達する場合もあるでしょう。エネルギーになるからという理由でおにぎりだけで済ますのではなく、野菜やお惣菜を加えるなど品数を重視し、ここでもバランスを意識した食事にすることをお勧めします。あとは食べ過ぎないことを注意してください。
最後に。楽しい食事は心の栄養になる
この連載では様々なシーンにおいて、どのような食事をとるべきかをお伝えしてきました。しかし、どんな時でも最高のパフォーマンスを発揮するために最も大切なことは「楽しく食べる」ことです。食事は栄養を摂るだけでなく、ストレスを発散する場でもありますし、家族や仲間と楽しく食事をとることで、自然と多くの品数に手が伸びたり、メンタル面でリフレッシュできる効果が確認されています。「共食」という考えで、今は人と一緒に食べることが推奨されているほどです。近年はコロナ禍でそうしたことも難しい情勢ではありますが、バランスの取れた「勝ち飯®」に加え、「心の栄養」を摂るためにもランナーの皆さんにはぜひ、楽しく食事をして欲しいと願っています。
レース前夜と当日朝のおすすめレシピ
玄米入り混ぜご飯
⇒ https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/702217/
白米よりもビタミンB1が豊富な玄米入りのごはんで糖質を効率よくエネルギーへの変換が期待できる主食です。
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丸鶏ふわ玉きゃべつスープ
⇒ https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/800909/
ビタミンCと食物繊維以外の全ての栄養素を含む完全栄養食である卵と、ビタミンCと食物繊維を含むきゃべつの相性ピッタリスープです。
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お餅の野菜あんかけ
⇒ https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/700167/
お餅の消化はゆっくりで腹持ちがいいです。野菜のあんをかけて、おかずとして取り入れてみましょう。(食べすぎ注意)
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ツナと野菜のパスタ
⇒ https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/706230/
たんぱく質源となるツナとたくさんの野菜が入った栄養バランスばっちりなパスタです。
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バナナジュース
⇒ https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/305093/
忙しい朝やレースまでの時間がない時には、とりあえずこれ!材料をすべてミキサーにかけて出来上がりのおススメドリンク。
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「勝ち飯®」とは?
味の素株式会社は2003年に日本代表選手およびその候補選手を対象とした国際競技力向上およびメダル獲得数増の為のコンディショニングサポート活動、「ビクトリープロジェクト®」をスタートさせました。その長期に渡るサポート活動の知見とスポーツ栄養学の裏付けにより誕生したのが、アスリートの栄養環境を改善するための栄養プログラム「勝ち飯®」です。「何を食べるか」ではなく、「何のために食べるか」を考えることを推奨しています。
⇒ https://www.ajinomoto.co.jp/sports/kachimeshi/
- 監修:柴田隆一
管理栄養士。2008年北京五輪に競泳日本代表選手として200mバタフライに出場。現役引退後は母校・日本大学のコーチングスタッフとして指導。2015年には管理栄養士の資格を取得し、スポーツにおける食の大切さを、自らの経験を加味して、多くのアスリートやジュニアアスリート・親へのセミナーを行う。