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走り込みの時期の食事の取り方とは?(PART2)

2021年12月16日


味の素株式会社がアスリートの栄養環境を改善するために開発した栄養プログラム「勝ち飯®」。その考え方を理解し、実践することが市民ランナーの走力アップにも大きくつながります。今回のテーマは走り込みの時期の食事です。疲労回復をスムーズに促し、練習を継続するためにはどんな点を意識して食べればいいのでしょうか? 前回に引き続き、管理栄養士として多くのアスリートの食事をサポートする柴田隆一さんにそのポイントについてお話をうかがいました。


食が細く、疲れやすい人には「汁物作戦」

練習のボリュームが増える時期、特に練習直後は疲労感からなかなか食事ものどを通らないかと思います。しかし食事をおろそかにしては疲労回復が進まず、それによって次の練習までにダメージが残り、さらに疲れていくという悪循環が進んでしまう恐れがあります。

走り込みの時期に限らず、食が細くて、疲れやすいという相談をよく受けますが、そうした方には「汁物作戦」を提案しています。「勝ち飯®」では主食、主菜、副菜、汁物、乳製品を「5つの輪」と考え、そこに果物を入れる形を勧めていますが、汁物をうまく利用するのです。

汁物は食欲がないときでも食べやすく、それでいていろいろな食材を使うことができます。イモ類などのでんぷん質を入れれば、糖質がエネルギー源になりますし、豆腐を入れればたんぱく質が摂れます。野菜も多く入れられますのでビタミンやミネラルもたっぷり摂れるでしょう。

また「だし」に含まれるグルタミン酸は胃を刺激し、食欲のスイッチを入れる働きがあります。食事の最初にひと口、汁物を食べることで、スムーズに食が進むはずです。汁物にご飯を入れる「だし茶漬け」も栄養価が高く、食べやすいものとしてよく勧めています。

また汁物には水分補給ができるというメリットがあります。夏場は皆さん、意識して水分を摂っていると思いますが、冬であってもランナーの身体からは水分が多く失われており、走り込み期は特に気をつける必要があります。食事の中から水分を摂る意識も持つようにしてください。


走り込み期は果物でエネルギー補給と疲労回復

疲労回復のためにたんぱく質が大切であることは前回もお話しましたが、果物も疲労回復には有効な食べ物です。先に挙げた「5つの輪」にプラスする形で果物が入っており、「勝ち飯®」では重要視しています。

糖質やビタミンCが入っていることで疲労回復に効果を発揮します。走り込み期は練習前にバナナなどすぐにエネルギーになるものを食べ、練習後にオレンジやグレープフルーツなどのすっぱいものを食べるサイクルが理想的です。

冒頭にも書きました通り、走り込みの時期には食事がのどを通りにくくなるもの。どうやっても食べるのが難しいほど疲れている時は「勝ち飯®」の「5つの輪」にこだわる必要はありません。ミキサーを使って果物や野菜の「スムージー」を使うのもひとつの手ですし、「これならば食べられる」と思えるものだけで済ますこともありだと私は考えています。そうなっても罪悪感を覚える必要はありません。「勝ち飯®」では1日3回すべてで完璧な食事を目指すのではなく、長いスパンでバランスの取れた食事を勧めています。一食、手を抜いてしまったら、次の食事でバランスを整えると言った考え方でいいと思います。無理なく、長い目で栄養を考えていく習慣をつけるようにしてください。

PART1はこちら


走り込みの時期におすすめのレシピ

だしがふんわり たまご雑炊

https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/708304/
朝食にもおすすめ。5分で簡単雑炊!

レバニラ炒め

https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/707106/
レバーとニラの最強コンビ。ご飯がすすむスタミナおかず

ほうれん草とさつまいもの生姜味噌汁

https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/709185/
汁物からも糖質補給。走りこむ前の朝食や走りこんだ後の夕食に摂りたい汁物


「勝ち飯®」とは?

味の素株式会社は2003年に日本代表選手およびその候補選手を対象とした国際競技力向上およびメダル獲得数増の為のコンディショニングサポート活動、「ビクトリープロジェクト®」をスタートさせました。その長期に渡るサポート活動の知見とスポーツ栄養学の裏付けにより誕生したのが、アスリートの栄養環境を改善するための栄養プログラム「勝ち飯®」です。「何を食べるか」ではなく、「何のために食べるか」を考えることを推奨しています。
https://www.ajinomoto.co.jp/sports/kachimeshi/


管理栄養士。2008年北京五輪に競泳日本代表選手として200mバタフライに出場。現役引退後は母校・日本大学のコーチングスタッフとして指導。2015年には管理栄養士の資格を取得し、スポーツにおける食の大切さを、自らの経験を加味して、多くのアスリートやジュニアアスリート・親へのセミナーを行う。




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