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エネルギーの蓄え方を知り、持久力のあるカラダを目指す(PART2)

2021年11月08日


味の素株式会社がアスリートの栄養環境を改善するために開発した栄養プログラム「勝ち飯®」。その考え方を理解し、実践することが市民ランナーの走力アップにも大きくつながります。今回も引き続き、管理栄養士として多くのアスリートの食事をサポートする柴田隆一さんに持久力を向上させる「勝ち飯®」についてお話をうかがいました。


エネルギーが枯渇した状態でのランは危険

ランナーの皆さんは持久力を向上させるために「体重は軽い方がいい」と考え、ダイエットのために食事を抜いた状態で走ることがあるかもしれません。「勝ち飯」の考え方でいくと、それはお勧めできません。しっかりと1日3回の食事をとり、練習を継続して体重を少しずつ落としていくようにしてください。特に「糖質ダイエット」といってごはんやパン、パスタなどの主食を抜くことはランナーの皆さんがやってはいけないことだと覚えておいてください。

空腹の状態で走るとエネルギーが枯渇しているため、どこからかそれを調達しなければならなくなります。そうすると体内では筋肉が分解されてエネルギーを生み出すのです。お分かりいただける通り、走れば走っただけ身体が壊れていき、マラソンの完走はおぼつかなくなっていくでしょう。同時に筋肉量が減ると代謝が落ちるため、結果的に体重も落ちなくなっていきます。食事を抜くことでいいことはひとつもないのです。

また多くの人が朝ランをするとき、食事を摂らずに走っていることと思います。これも同様の観点から避けていただきたいと思っています。私は現役時代、朝練習の前には必ずパンを食べていました。しっかりとした食事を摂ることが難しい場合は、おにぎりやバナナ、エナジージェルなどでも構いませんので、糖を摂ってから走るようにしてください。


レース前でもバランスの取れた「勝ち飯®」を

食事を抜いて走ることは危険ですが、逆に「エネルギー切れを起こしては困るから」とレース前に特別な食事をする必要もないというのが「勝ち飯」の考え方です。

ここまでの連載でも紹介している通り、「食事はバランスが大切である」と同時に「1日3回の食事で摂取できないものは補食で補う」というのがポイントです。
糖も通常の食事で前回に説明したGI値などを頭に入れながら意識して糖を少し多めに摂っておき、レース前、レース中にサプリメント等で補っていけば、エネルギーを切らし、大幅にペースダウンすることはないでしょう。

ランナーの皆さんの中には、レースの前、一時的にエネルギーを枯渇させ、直前の数日で糖を多めに摂って体内にエネルギーを蓄積させる「カーボローディング」を行っている方もいるかと思います。それが身体に合っているのであれば続けてよいと思いますが、無理をして行う必要はありません。もし興味があれば何度か試してみて、自分に合うかどうかを確認してから行うようにしてください。特に狙う試合の前にいきなり試すことだけはやめましょう。

持久力アップも「何を食べるか」ではなく「何のために食べるか」を考えながら、食事を摂ることが重要です。基本はバランスのとれた食事という点は変わりません。自分の生活スタイルの中で、もっともやりやすい方法を見つけ、続けていくことが結果的に練習の継続につながり、持久力アップにつながるのです。


持久力向上のためのおすすめのレシピ

じゃがいもといんげんのサラダ

https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/707855/
マヨネーズを使わない味付けの糖質たっぷりのサラダです。

バナナ入り卵焼き

https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/710364/
甘めの味つけのデザート卵焼きです。バナナの糖質と卵のたんぱく質で栄養も満点です。

パワーボール

https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/800471/
日本代表でも大活躍。エネルギー補給の補食に使いたいミニサイズおにぎりです。


「勝ち飯®」とは?

味の素株式会社は2003年に日本代表選手およびその候補選手を対象とした国際競技力向上およびメダル獲得数増の為のコンディショニングサポート活動、「ビクトリープロジェクト®」をスタートさせました。その長期に渡るサポート活動の知見とスポーツ栄養学の裏付けにより誕生したのが、アスリートの栄養環境を改善するための栄養プログラム「勝ち飯®」です。「何を食べるか」ではなく、「何のために食べるか」を考えることを推奨しています。
https://www.ajinomoto.co.jp/sports/kachimeshi/


管理栄養士。2008年北京五輪に競泳日本代表選手として200mバタフライに出場。現役引退後は母校・日本大学のコーチングスタッフとして指導。2015年には管理栄養士の資格を取得し、スポーツにおける食の大切さを、自らの経験を加味して、多くのアスリートやジュニアアスリート・親へのセミナーを行う。




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