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ランナーの悩みを「栄養」で解決! 疲労対策=筋肉ダメージを抑制、修復する栄養素は?

2021年1月25日

ランナーの筋肉はダメージを受けやすい

ランニングする時間が長く、強度が高くなるほど、体内でエネルギー源となるグリコーゲンはより消費されてしまい、結果、身体は筋肉を分解してまでエネルギーを生み出そうとします。長時間(1時間以上)のランニングは筋トレや短距離走などの運動と比べて、筋肉の分解が促進されやすいといえるのです。また、30分程度のジョギングでも朝食前など空腹状態では、そもそもエネルギー源(グリコーゲン)が足りない状態なので、筋肉はより分解されやすくなります。
このような状態で、ランニングによる着地の衝撃や筋肉そのものを使うことにより、ランナーの筋肉はよりダメージを受けやすくなり、翌日の筋疲労などにもつながります。今回のコラムでは、筋肉ダメージを抑制し、修復する栄養素とその補給の仕方について解説します。


良質なたんぱく質+炭水化物がポイント

まず、走るなら大前提として1日3回の食事を基本とし、主食・主菜・副菜(汁ものを含む)がそろっていることが必要です。この食事において、良質なたんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品、乳製品)を毎食不足のないように、一般の方よりも多くとる必要があります。1食あたりのたんぱく質は20~30g(手のひら1枚分)が目安だと覚えておきましょう。とり過ぎは身体に負担をかけてしまうこともありますが、少なすぎると筋肉の修復はうまくいきません。ランナーの場合、体重1kgあたり1.2~1.5gのたんぱく質は必要だと考えてください。


手のひら1枚分のたんぱく質が目安

手のひら1枚分のたんぱく質が目安

主食・主菜・副菜がそろった食事が基本

主食・主菜・副菜がそろった食事が基本


疲労や筋肉ダメージを回復させるのに「たんぱく質」が必要であることは、皆さんもご存じかと思います。ただし、たんぱく質は炭水化物とセットでとることが大事なポイント。炭水化物をとることで血糖値が上がり、インスリンが分泌しますが、このインスリンが筋肉中へのたんぱく質(アミノ酸)の取り込みを上げてくれるのです。最近はダイエット目的で炭水化物(糖質)を避ける人もみられますが、主食である炭水化物を抜いてたんぱく質だけをとると体内での利用効率が低下したり、摂取したたんぱく質が身体づくりや修復ではなく、エネルギーとして利用されてしまうこともあるので注意が必要です。


食事+補食で筋肉ダメージを抑制

そうはいっても、1日3食、上記のような理想の食事をとることは難しい人が多いでしょう。その場合は補食(サプリメント)を利用することをおすすめします。筋肉ダメージを抑制する、回復に特に役立つ栄養素は必須アミノ酸(*)のうちBCAAと呼ばれる分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)です。
たんぱく質は食べたあとアミノ酸に分解され、全身の細胞に行き渡ります。そして、運動時に筋肉で分解され、代謝されるアミノ酸の主たるものがBCAAです。ランニングを行うとき、エネルギー源であるグリコーゲンが減少すると、筋肉中のBCAAが筋肉を動かすエネルギー源として消費されてしまいます。BCAAが不足してくると、その結果として「疲労」や「脚が重い」といった状態を招くほか、パフォーマンスの低下やけがをしやすい状態にもつながるのです。


BCAAをとるべき3つのタイミング

ランナーがBCAAを補給するメリットは、筋肉分解を抑制することでの疲労の軽減・回復に限らず、ケガの予防などもあります。サプリメントでBCAAをとる場合、とるべきタイミングは走る30分前、走行中、走った直後(30分以内)の3回。走る30分前や走行中の摂取は筋肉の分解を抑え、疲労の軽減や回復を早める働きが期待できます。一方で走った後(30分以内)の摂取は筋たんぱく質の合成を促し、疲労した筋肉の素早いリカバリーに役立ちます。BCAAを3つのタイミングで効率よく摂取することで筋肉のダメージを抑制・素早く修復させることができます。コンディションを整え、よりパフォーマンスの高い状態で練習に取り組むことでレベルアップにもつながります。疲労した筋肉のリカバリーを意識して、走った後はとるという人も多くみられますが、走る前にもとることで、運動中の筋肉の分解を抑制し、筋疲労(や筋肉痛)を和らげる働きも期待できます。走った後だけでなく、走る30分前にもBCAAを補給する習慣を身に付けていきましょう。

監修/深野祐子(管理栄養士・ランニングコーチ)

(注釈)
*必須アミノ酸……たんぱく質は20種類のアミノ酸に分解され、身体の中で再び必要なたんぱく質に組み換えられます。20種類のうち9種類は体内で合成することができず、食事から摂取することが不可欠です。このように体内で合成できないものを「必須アミノ酸」といいます。

理想とするパフォーマンスを発揮するには筋肉を「早めに回復する」ことが大切



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