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【悩み解決!】夏のフルマラソンを目標にしています。対策は?

2019年5月15日

来年、夏のフルマラソンに挑戦します。自己ベストは4時間26分。制限時間は5時間で、開催時期を考えると厳しいハードルです。現在の課題は、後半の失速と、暑い中でスピードが出ないこと。夏のフルマラソンを制限時間内に完走するためのアドバイスをお願いします。
(海の大王さん・50代男性/月間走行距離約100km/自己ベストはハーフマラソン1時間52分、フルマラソン4時間26分)

夏のレースは高い気温と湿度で過酷なので、制限時間5時間ギリギリのペース配分でもよろしいかと思います。前半のペースを通常より30秒ほどゆっくり走り、後半のペースダウンを抑えます。またバナナ、カステラ、ゼリー、塩飴、梅干しなど、レース中腹にたまらないけどエネルギー源になるものなどを摂取し、帽子やサングラスのほか、冷感ジェルやスプレー、保冷タオルなどの冷感グッズをできるだけ取り揃えて挑んでください。

夏のマラソンは暑さ対策と、スタミナ強化が大切です。暑さ対策は、気温の高い環境でインターバルなど負荷をかけて暑さに慣れること。スタミナは永遠の課題ですが、距離を踏む、もしくはレースで最初の5kmをごくゆっくりペースでウォーミングアップにするのがおすすめです。後半に気持ちよく追い抜くことで、不思議とスタミナがゴールまでもちます。一度経験してみてください。

暑さ対策は「汗腺」を鍛えるしかありません。汗をかくことで、その水分が蒸発して体温を下げています。まだ使われていない汗腺を開かせるように、発汗しやすいトレーニングをすること、つまり走るしかありません。気温が高くなり始める6月ぐらいから朝夕の気温の低い時間帯に走ることから始め、汗をかきやすい身体に改造しましょう。
また、当日は大会でスポンジがあるはずですから、それで水を頭や腕、太ももなどにかけて強制的に冷やしながら走る工夫をすることです。

夏のレースはコース上の日陰の割合、直射日光にどれだけ耐えられるかが体力に影響します。サブ3.5の自分も、30km過ぎに暑さにやられてエイドで横になって休憩し、サブ4にもならなかった夏レースの経験があります。スピードが出なくても、暑さに耐えうる身体づくりを。熱疲労を起こさないように心がけてください。

「暑さの中でスピードを出す」は無理だと思います。フルマラソンの走破タイムの気温補正を考えると、真冬の気温10℃で4時間26分だとしたら、28℃だと20分以上は遅れるであろうことをイメージしましょう。そのぶん地力をつけるしかありません。後半の失速対策としては、フォームの修正、シューズをクッション性の良いものに変える、前半頑張りすぎない、ということに気をつけています。

月間走行距離が100km程度でのハーフマラソンの記録からすると、潜在スピードは十分ありますので、暑さ対策の前に距離への耐性を高めることが重要ではないかと考えます。30km程度のロング走を月に1~2回入れたり、ゆっくり3時間程度ジョグするのもよいと思います。いずれにしろ、急に距離や時間を伸ばしすぎるとケガにつながりますので、少しずつ距離や時間を伸ばしていきましょう。

私も夏のフルマラソンに出ましたが、非常にスタートが混雑し、10kmまではウォーミングアップだと思い、自分でも遅すぎるかなというくらいで走りました。しかし前半かなり抑えたことが功を奏し、後半もペースを落とさずに走り切ることができました。42kmをトータルで考えることで暑さのなかでも余裕ができると、後半にバテてしまったランナーを追い越すのを楽しめる気力と脚力が残るのではと思います。

夏場のフルマラソン全力走は、レース後2か月くらい「後遺症」と呼んでもよいかと思えるほど回復に時間がかかることがあるようです。秋冬に向けてのステップどころか「後戻り」してしまい、結果として秋冬シーズンが振るわなかった…というパターンも多いとか。夏場の過酷な気象条件でフルマラソンを走って下地をつくっておき、秋冬の気温低下とともにパフォーマンスが自ずと向上し、冬場のメインレースで自己ベスト更新、という筋書きで参加するなら問題ありませんが、酷暑のなかでタイムを狙うのは避けるのもひとつの考え方です。

川内優輝選手のようなトップランナーでさえ「自分は暑さに弱い」と公言して東京オリンピックを目指さない選択をしているくらいですので、暑さに強くなる方法はたぶんないのだと思います。「真夏の昼間に頑張って走って暑さに強くなろう!」なんていうのはむしろ有害でしょう。年齢、体格、練習量、持ちタイムからして、まだまだ伸びしろはあると思いますので、走り込みの量を増やして地力を付けて本番に挑むというのが王道ではないでしょうか。月200kmほど走れれば後半の失速はだいぶ防げます。

夏場に慣れるための身体づくりから、暑さのロスにも響かない地力をつけよう、という視点からの練習法までアドバイスが寄せれられました! 夏のレースで記録を狙うことのむずかしさを認識したうえで、作戦を立てて挑みたいですね。





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