![]() 走り始めて11年目、55歳で初サブスリーを出して笑顔の平塚さん
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2023年度に達成したのは全完走者の3.6%(全日本マラソンランキングより)で、多くのランナーにとっての憧れとなっているサブスリー。そのサブスリーを40歳を超えてから初めて成し遂げたランナーを紹介する連載。今回は2024年の新潟県マラソン選手権で2時間59分2秒を出し、サブスリー達成を果たした平塚勝さん(55歳)です。
平塚 勝(ひらつか・まさる)さん
1969年生 55歳 農業・建築業
サブスリーを達成した大会とタイム: | 新潟県マラソン選手権2024 2時間59分2秒 |
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「中学・高校とテニス部で大学時代はテニスサークル。走るのは苦手で避けていた記憶があります。10年前(45歳)に、子育ても落ち着き、健康のことも考えて気楽な感じで走り始めました」
現在55歳の平塚さんは、走り始めたその年に金沢マラソンの抽選に当たり、練習せずに出走して5時間40分(フルマラソンを完全に舐めていました、と平塚さん)。その結果に悔しさを覚え真剣になり、2018年の古河はなももマラソンをサブフォーで走破。ここで「マラソンにハマった」という。
「サブフォーを目指して練習会に参加するようになり、月約200km走っていました。サブフォーを達成したあとは、サブ3.5を目指してひたすらジョグを重ね、2019年の静岡マラソンで3時間25分55秒(グロス)。直後に江本英卓さんの『えもと塾』に入会しました。塾にはサブスリー達成ランナーがゴロゴロいて、刺激をもらい、『よしやるぞ!』と勢いづきましたが、ここでコロナ禍に突入しました」
2020年1月から約3年続いたコロナ禍の期間、『えもと塾』で30km走の必要性を知った平塚さんは、ひとりでコツコツと走り続けた。
「せっかく入った塾のメンバーと練習できなかったのは残念でしたが、大いに影響を受け、200kmだった走行距離はジョグを増やしただけで250kmになっていました。当時はスピード練習はまったくしていませんでした。2020年10月に東京から故郷の新潟に34年ぶりに帰ることになり、農業を始めました。人参、ブロッコリー、キャベツなどを作る農作業のおかげで、56kgだった体重が3kg減りました。わずか3kgですが自分としてはものすごく絞れた感覚があり、なにより体力に自信が持てるようになり、走りにもパワーが加わってきました」
新潟に戻った平塚さんは、地元のランニングチーム「チームT&M(Breaking345)」に入会。毎週火・木・日曜日の練習に参加するようになり、ここで初めてスピード練習をするようになった。
「火曜日の夜はキロ4分30秒で10~15kmのペース走(体調と相談しながらビルドアップ走にする)、木曜日はインターバルや変化走、日曜日は20km~30km走のメニューで、体力がついたことも手伝い、自分の走力はどんどん高くなっていきました。2023年の板橋は3時間15分を狙うも、飛ばし過ぎて沈没しましたが(3時間45分)、同年10月の金沢では3時間8分、11月のつくばでは3時間4分を出し、チームの村山麻衣子監督から、『ここまできたらサブスリーを狙いましょう』と言われました。自分としても、ここまできてようやくサブスリーを達成したいと言えるようになりました」
2024年になり4月の長野マラソンでサブスリーを狙った平塚さん。しかしながら結果は3時間4分34秒。
「1~3月の間は雪で走れないので、新潟ランナーの聖地・信濃川の川底を横断する『新潟みなとトンネル(約1.4km)』で練習します。サブスリーを達成するために、10km走は4分15秒~4分のビルドアップに、1000m×5本、800m×10本のインターバルを、みなとトンネルで繰り返しました。それでも達成できなかったので、10月の新潟Cityを練習とし、本命レースを11月の新潟マラソン選手権に設定しなおしました」
10月の新潟Cityは暑さ厳しく3時間8分49秒。村山監督の「その8分はちょっと心配ね……」という言葉に不安が募った平塚さんは本命レースの準備をさらに入念に行った。
①30kmまで4分10秒前後で走るシミュレーションを頭の中で繰り返す
②レースコースを試走
③10kmごとに摂るジェルの準備
④5kmごとに置けるスペシャルドリング(はちみつ+スポーツドリンク)の準備
実はチームT&M(Breaking345)はサブスリーを達成したランナーは出ておらず、本命レース当日、平塚さんは監督や仲間からの大きな期待とプレッシャーを感じていた。35kmまでは予定通り、スペシャルドリンクも全部口にすることができ、順調に走った。残り2kmでエネルギーが切れ、ゴールゲート10m手前で脚がもつれて転ぶアクシデントもあったが、仲間からの『あと一分!』の声を聞きながら、55歳で初サブスリー達成を果たした。
「プレッシャーがすごかったですが、それが力になり、最後まで頑張れました。達成できてホッとしました。そして、これまで一緒に汗を流した仲間と当日、応援してくれた仲間には感謝の気持ちでいっぱいです。いくつになっても、目標達成までの過程を仲間と一緒に楽しめる気力、体力を維持したいと思います」
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