ランニング学会で自身のトレーニングについて発表した猫ひろしさん
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ランニングに関する専門家が研究発表や意見交換を行う「第37回ランニング学会大会inリソルの森」が3月22日と23日、千葉県長柄町で開催され、マラソンのトレーニング方法やパフォーマンスの分析、事例報告などが行われました。2016年リオデジャネイロオリンピックの男子マラソンにカンボジア代表として出場したお笑い芸人の猫ひろしさんも登壇し、自身のトレーニングについて考察・発表しました。
市民ランナーにも役立つ知見が満載だった内容の一部を紹介します。
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2023年の東京マラソンで2時間27分2秒と、45歳にして自己ベストを8年ぶりに塗り替えた猫ひろしさん。2024年からは順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科に入学し、ランニングについて研究しています。
以前は毎日30km走っていた猫さんですが、42歳を過ぎてからは疲労が抜けにくくなったため、走行距離を減らすとともに、リカバリーと栄養管理に力を入れるようになりました。酸素カプセルを利用したり、揚げ物を食べない、4時間以上の空腹状態を作らない、食事のほかにサプリメントとしてエビオス(整腸)、アルミオ(BCAA)、ファミカル(カルシウム、マグネシウム)をとることなどを心がけているそうです。
ランニング学会が推進する「ハーフマラソンプロジェクト」では、鍋倉賢治先生(筑波大学)がハーフとフルの相関を分析しました。過去3年間の傾向から、適温(寒冷)時のフルマラソンではトレーニング不足やオーバーペースが失速リスクを高める要因となることや、気温が高くなると持久係数(※ハーフの記録から予測できるフルの記録倍率)が通常時の2.15~2.2倍から2.3~2.4倍に増加することが指摘されました。
走る前に10分程度のプライオメトリックトレーニング(縄跳びやその場でのホッピングなど)を実施することで、ランニングエコノミーが改善するという研究結果を永原悠利さん(立命館大学)が発表しました。走る時間を減らしてでもプライオメトリックトレーニングを取り入れるほうが効果があるそうです。
平川菜央さん(アシックス)の研究ではアールビーズ主催のレース「30Kシリーズ」でモーションセンサーを装着したランナー5000人以上のデータを分析したところ、ストライド長が40代から低下し始め、ピッチが増加することが判明しました。年齢が高くなるほどストライドが短くなり、ピッチ数の増加によって速度の低下を防いでいると考えられます。また、どの年齢でも接地時間が短いランナーほどパフォーマンスが高い傾向を示しました。
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4月22日発売のランナーズ6月号ではピッチ走法について特集する予定です。年齢を重ねても走力を維持、もしくは高めたいランナーはぜひご覧ください。
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さぁ、フルマラソン挑戦!
「30kmの壁」を突破する思考法
フルマラソン30km以降の失速を防ぐことは多くのランナーにとって永遠の課題。では、フルマラソンで失速しないランナーは何を考えてどんな行動をとっているのか。その理由を解明すべく、ランナーズ編集部はメールやSNSで「マラソンで失速しないランナー」にアンケートを実施しました。
失速しないランナーの分析に加え、スポーツ心理学研究者による失速対策法や運動生理学者による「失速しやすい条件」を解説。フルマラソンで快走したいランナーは必見です!
短期連載 100日間でサブフォー達成最終回
最終回の今号は「本番レース快走のために残り10日前から我慢すること×9」を解説します。
「直前まで練習を頑張りすぎる」「ドカ食いのカーボローディング」「宿泊先での長湯やサウナ」など、あてはまることはありませんか? サブフォー目標以外のランナーも参考になる内容です。
東京2025世界陸上競技選手権大会
ここが凄いぞ小林香菜選手!
東京2025世界陸上競技選手権大会が9月13日から21日に開催されました。
マラソンで女子の小林香菜選手(大塚製薬)が7位に入賞。小林選手は早稲田大学時代、「早稲田ホノルルマラソン完走会」というサークルに所属していました。サークル出身の元市民ランナーが世界陸上入賞にたどり着いた強さの裏側に迫ります。
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